【Prix Pictet 作品解説シリーズ】 ジョアナ・ショウマリ 「Ca va aller(「きっと大丈夫」)」 | ピクテ投信投資顧問株式会社

【Prix Pictet 作品解説シリーズ】 ジョアナ・ショウマリ 「Ca va aller(「きっと大丈夫」)」

Joana Choumali

2019年、タイトルなし

シリーズ:「Ça va aller(きっと大丈夫)」, 2016-19

© Joana Choumali, Prix Pictet


ジョアナ・ショウマリ:1974年、コートジボワール生まれ

Prix Pictet 第8回目テーマ「Hope/希望」最優秀賞受賞


本シリーズは2016年3月13日日曜日に、西アフリカ、コートジボワールにあるグラン・バッサムの町で起きたテロから3週間後に撮影された写真です。ジョアナ・ショウマリは幼少の頃から、日曜日になるとバッサムのビーチに行ってゆっくりとした時間を過ごしてきました。その場所でまさにテロが起きたのです。あの日まで、バッサムは彼女にとって幸せを意味する場所でした。


テロの後、ショウマリは誰もいない通りをさまよいながら、死を嘆く人々の邪魔にならないよう配慮してi-phoneで撮影しました。この地域ではメンタルヘルスについて語られることは滅多になく、精神的なトラウマを抱えていることは弱さだと捉えられます。そしてそうした話題になると大抵、カギカッコ付きの「きっとだいじょうぶ」(“ça va aller”)という表現が使われます。


ショウマリは刺繍をすると心の痛みが消化されていくことに気づきました。自分が描くイメージに糸でカラフルな色をつけていく作業は、精神を浄化させて、瞑想のような効果をもたらし、それによって自分の感情について語れるようになりました。写真に刺繍を施すことは、希望や回復へと繋がって行ったのです。


本シリーズの作品はこちらでご覧いただけます:Prix Pictet 英語ウェブサイト

https://www.prixpictet.com/portfolios/hope-shortlist/joana-choumali/


ジョアナ・ショウマリはモロッコのカサブランカでグラフィック・アートを学び、写真家としてキャリアを築く前は広告代理店でアート・ディレクターとして働いていた。特にアフリカに焦点を当てたコンセプチュアル・ポートレート、ミクストメディア、ドキュメンタリー写真を主に制作する。写真に直接刺繍を施した最新作は、ゆっくりとした瞑想のような動きで、写真イメージを完成させている。作品はアビジャンの文明博物館、バーゼルのヴィトラ・デザイン・ミュージアム、現代美術ドンワ匕財団、ロトンデ現代美術センター、マラケシュのMACAAL、アムステルダムのトローペン美術館、バマコ写真ビエンナーレ、パリのケ・ブランリ美術館で開催されたフォトケ・ビエンナーレ、ケープタウンのツアイツ・アフリカ現代美術館などで展示されている。2014年にCap Prize(コンテンポラリー・アフリカン・フォトグラフィー部門)とレンズカルチャー・エマージングフォトグラファー・アワードを受賞。2016年にマグナム財団よりEmergency Fund Grantと南アフリカのFourthwall Books Awardを受賞。2017年には、第57回ベニス・ビエンナーレのアイボリー・コーストのパビリオンで「Translation and Adorn(翻訳と装飾)」を展示した。作品はCNN、「ニューヨーク・タイムズ」、「ル・モンド」、「ガーディアン」、「ハフィントンポスト」、「ラ・スタンパ」などの国際メディアに掲載された。2016年にはヨハネスブルグで『Hââbré(顔に傷をつけるアフリカの慣習)』を出版した。



【Prix Pictet 作品解説シリーズ】

「Prix Pictet(プリピクテ)」は、地球の抱えるサステナビリティの問題の喚起を目的としてピクテが設立した権威ある国際写真賞です。毎回異なるテーマのもと選ばれた受賞候補作品は、日本を含む世界主要都市で展示されます。その作品の解説をシリーズで掲載して参ります。



<Prix Pictet 日本語ウェブサイト>

https://www.pictet.co.jp/company/prixpictet

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