【Prix Pictet 作品解説シリーズ】 マンディ ・ バーカー 「Beyond Drifting: Imperfectly Known Animals(漂流の果てに̶あまり知られていない生き物)」 | ピクテ投信投資顧問株式会社

【Prix Pictet 作品解説シリーズ】 マンディ ・ バーカー 「Beyond Drifting: Imperfectly Known Animals(漂流の果てにーあまり知られていない生き物)」

Mandy Barker

2015年、Ophelia medustica

アイルランド、コーク州コーヴのグラウントンで採集されたサンプル(ベビーカーの車輪)

掲載シリーズ:Beyond Drifting: Imperfectly Known Animals(漂流の果てにーあまり知られていない生き物), 2015年

© Mandy Barker


マンディ ・ バーカー:1964年 英国生まれ

Prix Pictet 第7回目テーマ 「Space/宇宙・空間」 受賞候補


マンディ ・ バーカーの写真は、1800年代のアイルランドの海洋生物学者、ジョン・ ヴ ォーン・ ト ンプソンによる先駆的な考察に基づいています。バーカーは同じ場所から海に漂流するプラスチック片を引き上げて、顕微鏡標本を真似た写真を創作します。バーカーは各作品のタイトルに「プラスチック」を示す言葉を潜ませ、それぞれの「標本」に新しい学術名を与えています。彼女の作品は、生物が汚染の影響を受けなかった時代の初期の科学的発見を真似ることで、自然の中でプラスチック粒子が劣化する様子を表現しています。


数秒の露光時間に記録された動きは、水の中を漂流するプランクトンを象徴するぼやけた写真を生み出します。欠陥のあるカメラと消費期限が切れたフィルムを用いることで意図的に粒子を荒らした写真は、技術と主題の両方が持つ不完全性に焦点が当てられています。


プランクトンはマイクロプラスチック粒子を食べ物と間違えて摂取します。食物連鎖の一番底辺にあるマイクロプラスチック粒子は、より大きな生物にとっては欠かせない糧です。プラスチックが海洋生物や人間に与える有害な影響は、生死に関わる重要な懸念事項なのです。


本シリーズの作品はこちらでご覧いただけます:Prix Pictet 英語ウェブサイト

https://www.prixpictet.com/portfolios/space-shortlist/mandy-barker/


 マンディ ・ バーカーはイギリスのレスターにあるド ・ モンフォール大学で修士号(写真)を取得。海洋プラスチックごみに関する彼女の作品は、国際的に評価されている。現在も続く《スープ》シリーズは、「タイム」、「ガーディアン」、「ナショナルジオグラフィック」、「スミソニアン ・ マガジン」に掲載され、CNNでも取り上げられた。作品は、ロンドンのPhotographer’sGallery、NYのAperture Foundation、香港科技園公司など、世界中のグループ展にて展示された。2016年、Meijburg Art Commissionにノミネートされ、アムステルダムのUnseen Photo Fairでも作品が展示された。Lens Culture Earth Award(2015 年)、国際写真賞(IPA)(2014 年エディトリアル、環境の専門分野において)など受賞多数。



【Prix Pictet 作品解説シリーズ】

「Prix Pictet(プリピクテ)」は、地球の抱えるサステナビリティの問題の喚起を目的としてピクテが設立した権威ある国際写真賞です。毎回異なるテーマのもと選ばれた受賞候補作品は、日本を含む世界主要都市で展示されます。その作品の解説をシリーズで掲載して参ります。


<Prix Pictet 日本語ウェブサイト>

https://www.pictet.co.jp/company/prixpictet

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