キラン・ナンドラ 
Kiran Nandra

ピクテ・アセット・マネジメント
エマージング株式チーム
シニア・プロダクト・スペシャリスト


広大なインド

インドの特長の1つ、それは13億人という莫大な人口を抱えていることです。インドの人口が世界各国の人口に当てはめるとどれくらいなのかを示すために、こちらの地図を作ってみました。1つの州だけで、フランスやブラジル、そして人口1億3000万人の日本と同じくらいの人口を抱える州がある、ということを示しています。インドがいかに大きい国であるかお分かりいただけるのではないでしょうか。

もう1点特長的なことは、構造改革が尋常ではないスピードで進んでいる国であるということです。モバイル化やデジタル化が金融サービス網の拡大に貢献しています。また、インフラ設備の整備によりインドでは名物だった交通渋滞が大幅に解消、港湾においても効率的な運営により荷物の動きもスムーズになってきています。

出所:各種資料よりピクテ・アセット・マネジメント

注目される2019年の
総選挙の行方

現在インドが直面している不透明要素は総選挙です。モディ政権は2014年から構造改革を進めています。当社では70~80%の確率でモディ政権再選とみていますが単独政権かあるいは連立になるのか、そこがまだ若干不透明なところです。

雇用問題に関しては想定よりも進展が遅く、この影響が選挙でどのように現れてくるかも注視する必要があります。特に建設セクターでの雇用が増えていない、製造業の分野でも雇用が思っていた以上に伸びていないという点が選挙に影響してくる可能性があります。

総合的にみて与党が多数派を形成しモディ政権が継続する可能性は高いと考えています。モディ政権が継続しないとしても、やはり構造改革あるいはインドの経済を伸ばしていく、そういった改革はどの政党が選ばれたとしても続くと見ています。

経済のファンダメンタルズの脆弱性は解消された?

経済ファンダメンタルズについてみていきましょう。予算収支に占める赤字の部分はGDP比3.4%と改善はしていますが、政府が目標にしていた数値をまだ上回っています。ただしインドは原油輸入国です。原油価格の低位安定が続くようであれば経常赤字は悪化しづらいと思われるため、インド経済のファンダメンタルズに関してはそれほど心配はしていません。

予算に対しての赤字額は3.4%と、以前の4.6%よりは改善されていますが、選挙に絡んだ短期的な財政出動(農業政策、農業部門に対する補助金あるいは資金投入)の可能性があります。それが実施されれば予算に対しての赤字額は増加しますが、ここはある程度コントロール可能な水準だと考えています。

増加する海外直接投資

~インド経済の長期的な成長への確信を反映~

中央政府、州政府における財政赤字の水準

~コントロール可能な水準~

出所:ピクテ・アセット・マネジメント

データは過去の実績であり、将来の当ファンドの運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

インフレの懸念は?

もちろん経済成長が高いということは物価上昇懸念も高まりますが、足元では2%台と安定しています。ただしインドは原油価格の影響を受けやすいためコアCPIも注意してみていく必要があり、こちらは直近5%台ということで注視が必要ですが追加利下げの余地はあると見ています。

インドの経済成長に対する見通しは?

2020年にかけてインドの実質経済成長率は7.7%と予想されており、2017年の6.7%から上昇しています。一方中国の2020年の経済成長率は6.2%と2017年の6.9%よりも低下すると予想されており、相対的にもインドの経済成長は堅調に推移すると見ています。(IMF予想)

インド株式市場の特長として、他市場との相関が比較的低いこと、またインド経済の多様性が進展していることを考慮すると、インド株式に投資することへの意味は大きくなっているといえるでしょう。

もう一つ経済成長を支える大きな要素として人口の拡大があり、それに伴い中間所得層も拡大しています。2016年~17年を見ると30%だった中間所得層が2022-2023年には36%に、高所得層も13%から17%に増えています。労働人口が増えて行く中で所得の高い層の比率がこれから増えて行くというのがインドの経済構造の1つの特長になっています。

長期的に構造的な成長が
期待できるインド ①

高所得層の増加により消費が拡大しているのもインドの特長です。足元の消費は他の新興国の水準を下回っているものが多く、これからの伸びしろが大きいといえるでしょう。

住宅ローンの需要は年々高まっており、また使いやすくなっています。また、所得水準の向上により今後ローンを実際に利用できる人の増加が期待されます。インドではローン手続きをするために銀行に出向かず、すべてスマホで済ませることが可能です。先進国にあるようなインフラ、固定電話等を一気に飛び越してスマホですべてのサービスを受けられるような環境になっているのです。

足元のインドの「消費」は他の新興国の水準を下回っている
住宅ローン普及率は依然として低水準

出所:Edelweiss Brokers, Jan 2018

データは過去の実績であり、将来の当ファンドの運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

長期的に構造的な成長が
期待できるインド ②

生産年齢人口の割合が高いこと、そして現在の一人当たりGDPの水準からみて、今後の拡大余地は大きいと思われます。長期にわたりインドの構造が大きく変わりつつあることから、インドは投資対象として魅力的であると考えています。

全人口に占める生産年齢人口の割合

~インドは良好なトレンドが続く~

1人あたりGDP

~拡大余地は大きい~

出所:データストリーム、世界銀行、ピクテ・アセット・マネジメント

データは過去の実績であり、将来の当ファンドの運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。