投資戦略~高まる景気下振れリスク、慎重スタンス継続 | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~高まる景気下振れリスク、慎重スタンス継続

2019/09/19アルテ
※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

株式の割安感が強まっているものの、米中対立などを背景に景気の下振れリスクが懸念されており、引き続きディ フェンシブな運用を継続する方針です。しかし、短期には逃避的な投資家心理が先進国国債などの一部の資産を割 高な水準まで押し上げていることから、より機動的かつ選別的な投資判断が必要になると思われます。

8月の投資環境と 運用状況

7月末の米国の利下げ後、パウエル米連邦準備制度理事 会(FRB)議長の発言を受け、米国の追加利下げ期待が後 退したことや、トランプ米大統領が中国に対し制裁関税(第 4弾)を公表し、米中対立懸念が強まったことなどを受け て、世界の株式市場は下落しました。業種別では、エネル ギー、素材、金融などは市場平均よりも大きく下落しまし た。一方、公益や生活必需品が上昇、ヘルスケアは市場 平均よりも小幅な下落にとどまりました。

 

一方、世界の国債市場は、米中対立懸念が強まったこと や、7月の米ISM非製造業景況指数や中国の小売売上 高、鉱工業生産などが市場予想を下回ったことで、世界的 に景気減速懸念が高まり、上昇(利回りは低下)しました。

ドル・円為替市場は、トランプ米大統領が中国に対し制裁 関税(第4弾)を公表し米中対立懸念が強まったことや、 米財務省が中国を為替操作国と判断を下したと発表した ことなどからリスク回避姿勢が高まり、円高が進行しました。 ユーロ・円為替市場は、米中間の緊張の高まりで円が買 われやすい地合いとなったことに加え、4-6月期のドイツ GDP(国内総生産)成長率が前期比マイナスとなったこと で欧州中央銀行(ECB)の金融緩和観測が強まったことか ら、円高・ユーロ安となりました。

2019年年初以降、当ファンドの基準価額は緩やかながら も引き続き上昇基調となっています。
8月単月については、特に株式市場の大幅な調整や円高 進行の影響などを受けて、下落しました(図表1、2参照) 。 ただし、株式の組入れ比率を引き下げ、引き続きディフェン シブな投資スタンスを継続していたことなどもあり、8月の下 落幅は主要株式資産に比べると小幅に抑えられました(図 表3参照)。

主な投資行動~不透明感高まる中で 株式の組入比率を引き下げ~

資産配分としては、地政学リスクや世界的な景気減速懸 念が高まる中で、債券の組入れを引き上げ、株式の組入 れを引き下げました(図表4参照)。

株式部分では、経済見通しや政治情勢などを巡る不透 明感が高まっていることから、英国株式や欧州株式の組 入れ比率を引き下げた他、新興国株式についても、貿易 戦争の激化によって経済見通しが悪化する懸念があるこ とから組入比率を引き下げました。

債券部分では、オーストラリア長期国債やオーストラリア 中期国債先物、米国超長期国債コールオプションなどを 通じてデュレーションを長期化し、金利感応度を高めまし た。

基準価額の変動要因 ~株式のマイナス寄与が響く~

FRBの利下げに続き、欧州、新興国の中央銀行において も金融緩和姿勢が強まる中で、主に債券とオルタナティ ブが基準価額に対しプラスに寄与しました。一方、米中 対立に対する警戒感等を背景に、株式がマイナスに寄 与しました(図表5参照)。
株式部分では、金価格の上昇を背景に金鉱山株式 (ETF)を含む世界株式がプラス寄与したことを除き、総じ てマイナスに寄与しました。
債券部分では、オーストラリア長期国債や米国長期国債 (物価連動)、ドイツ超長期国債先物など先進国国債が プラス寄与しました。

 

株式: 一段の警戒が必要

米中間の貿易摩擦が再び激化する環境では、経済や企 業利益の先行きを楽観視することの難しさが一段と増し ています。関税率の引き上げや追加の貿易障壁を巡る 脅威が、世界的に企業や消費者心理の重石となってい るからです。加えて、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグ ジット)を巡る不確実性が増す環境を考えると、年内の見 通しは明るいとはいえません。

こうしたことから、株式の組入比率をアンダーウェイトに維 持します。世界企業の利ざやは、株式アナリストの予想を 大きく下回って推移しています。
米国株式市場については、S&P500種株価指数は過去 最高値をわずかに下回る水準に留まっている一方で、米 国のリセッション入りを示唆する信号が点滅しています。 国債利回り曲線(イールドカーブ)上では長短金利が逆転 し、2008年のグローバル金融危機以降初めて、株式の 配当利回りが30年国債利回りを上回る場面もありました。 株式アナリストは、過去3年で最も大幅な米国企業の利 益予想の下方修正を行っています。金融データ大手の ファクトセットによると、今年の利益成長率のコンセンサス 予想は引き下げられています。企業の自社株買いが減 少していることも、投資家にとっては懸念材料です。ピクテ の分析は、過去10年間の自社株買いで、市場のリターン の20%前後に、また、米国市場の欧州市場に対する超過 リターンの33%前後に寄与していることを示唆しています。
欧州市場については、ユーロ圏の景気先行指数は、フラ ンス、イタリア両国のモメンタムの改善を背景に、過去半 年を通じて上昇基調を維持しています。ECBの追加刺激 策も好材料です。ただし、ドイツの減速などの影響は大き いとみて注視が必要と考えます。
英国株式については、ポンド安とバリュエーション面での 割安感はあるものの、ブレグジットを巡る政治的混乱など の影響を考慮し全売却しました。
新興国市場の各国の相次ぐ利下げ等による効果も期待 されますが、貿易戦争の激化によって、景気の先行きに は不透明感がよりいっそう高まっていることから、新興国 株式についても組入比率を引き下げました。

債券: ディフェンシブ性資産の供給不足

世界経済が減速する局面では、国債等、ディフェンシブ 性の強い資産の投資配分を引き上げることが、通常理に かないます。ただし、現在問題となっているのは、ここ数ヵ 月の債券利回りの急低下を受け、通常安全だと考えられ る資産が高リスク資産に見えてしまっていることです(図 表9参照)。JPモルガン世界国債指数の平均利回りは、8 月末までに史上最低の0.7%を付け、同様に米国30年国 債利回りは8月末に2%を下回りました。マイナス利回りで 取引されるグローバル債券が17兆米ドル程度となったこ とにも注意が必要です。

債券のバリュエーションは、中央銀行のハト派的スタンス で正当化されるとの見方も散見されます。ただし、追加緩 和に対する市場の期待は、金融当局が実際に行うと予 想される水準を超えているように見えます。

ピクテの流動性分析は、名目GDP(国内総生産)比の金 融刺激の現在の水準と市場に織り込まれた水準との格 差が、過去に存在しないほどの幅に拡大しており、市場の 期待が砕かれる可能性が高いことを示唆しています。

債券市場が際立った上昇相場を展開したことから、ファ ンダメンタルズに対して割安だと見なしてきた現地通貨建 て新興国債券も、バリュエーション面での魅力が低下しつ つあります。新興国債券の実質利回りは、先進国債券と 比べれば確かに魅力的です。とはいえ、新興国地域に及 ぶ米中貿易戦争の負の影響が、ピクテの景気先行指数 に明確に示されていることを勘案すると、特に目先は新 興国通貨が売られる可能性があります。現時点では新興 国債券の組入比率を概ね維持していますが、当面は注 視が必要であるとみています。

その他では、金については、地政学的な混乱やグローバ ル経済の悪化局面で、引き続き底堅さを発揮することが 期待されています。

今後の 運用方針

雇用が堅調な中で個人の消費需要が底堅さを見せてい るものの、鉱工業生産や企業心理が悪化していることな どから、ピクテが算出する景気先行指数は引き続きトレン ドを下回って推移しています(図表10、11参照)。また、 世界経済の減速懸念が強まる中、さらなる米中対立の 激化なども意識されており、業績予想の下方修正の可能 性も視野に入れています。

株式は、8月の株価調整を受けて、割安感が強まってい ますが、こうした先行きが不透明な環境が継続している 他、FRBの利下げや欧州中央銀行(ECB)の新たな資産 購入プログラムの導入などは既に織り込まれているとみて いることから、慎重な姿勢を維持します。

債券は、割高感を強めている為、実質利回りがプラスで かつ、中央銀行による利下げ余地のある国の債券を選好 します。新興国債券は、価格が相当に上昇(利回りは低 下)したことや、短期的な新興国通貨安懸念なども意識 されることから、中立的なスタンスとする方針です。また、 金は金融緩和環境下において買われやすいことや、他の 資産との相関が低く、ポートフォリオの分散効果も期待で きることから引き続き注目していきます。

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

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