投資戦略~高まる不透明感、分散重視で守りの運用を | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~高まる不透明感、分散重視で守りの運用を

2019/10/16アルテ
※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

欧米の中央銀行が金融緩和に踏み切り株価を下支えしたものの、世界的な景気減速や米中貿易戦争、英国のEU 離脱など、リスク材料に事欠かない状況が継続しています。こうした先行きが見通しづらい環境の中、分散を意識した ポートフォリオでディフェンシブな運用を継続する方針です。

9月の投資環境と 運用状況

世界の株式市場は上昇しました。米中の閣僚級通商協 議の10月開催が合意されたことを受けリスク回避の動き が後退し、上旬から上昇基調となりました。中旬に欧州中 央銀行(ECB)が予想どおり金融緩和策を実施したことも 株式市場の上昇要因となりました。月後半には米連邦準 備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切ったものの今後の 政策金利予想の見方が分かれたことや、ユーロ圏および ドイツの購買担当者景気指数(PMI)の低下、米トランプ大 統領弾劾に向けた動きなどを受けて下落しましたが、月間 では上昇しました。

世界の国債市場は下落(利回りは上昇)しました。8月の米 ISM非製造業景況感指数が予想を上回る内容だったこと や、米中貿易協議の進展期待などから、安全資産に対す る需要がやや後退し、債券相場は反落しました。またFRB やECBは予想通り金融緩和を行いましたが、追加的な金融 緩和には慎重と受け止められたことも、債券市場にとってマ イナス材料となりました。

ドル・円為替市場は、米中貿易協議が進展し閣僚級協議 開催の示唆などを受け改善期待が高まったことや、FRBの 早期の大幅利下げ観測が後退したことなどを受けて、円 安・ドル高が進行しました。ユーロ・円為替市場は、英国の 欧州連合(EU)離脱期限が延長されるとの期待が高まっ たことや、ECBの追加緩和観測が後退したことなどを背景 に、円安・ユーロ高が進行しました。

当ファンドの基準価額動向をみると、8月は株式市場の大 幅な調整や円高が進行する中で、下落率は主要株式資 産に比べると小幅に留まりましたが、9月には一転、株式市 場が反発する中、債券要因のマイナスもあり、主要株式資 産に比べると出遅れ感がみられました(図表3参照)。

主な投資行動~不透明感高まる中で 分散を意識したポートフォリオに~

短期的な割高感が強まったことなどから、債券の組入れ を引き下げ、株式やオルタナティブ、キャッシュなどの資 産に資金を振り向けました(図表4参照)。

株式部分では、相対的に割安な日本株式の組入比率を 引き上げました(図表5の①)。

債券部分では、米国超長期国債先物コールオプションを 売却し、より年限の短い米国長期国債先物コールオプ ションに資金を振り向け、金利感応度を抑制しました(図 表5の②)。また、割安感の後退した新興国債券(現地通 貨建て)を一部売却しました(図表5の③)。その他、イタリ ア超長期国債を組み入れるなどしました(図表5の④)。 オルタナティブ部分では、先行き不透明感の高まりが意 識されることから、金やVIX指数先物(図表5の⑤、⑥)な どを購入しました。

 

基準価額の変動要因~主に債券・オルタ ナティブのマイナス寄与が響く~

欧米の中央銀行に対する金融緩和期待が後退したこと や、米中貿易協議の進展期待が高まったことなどを受け て、主に債券やオルタナティブなどが基準価額に対して マイナスに寄与しました(図表5参照)。

株式: 慎重な姿勢を維持

世界の主要中央銀行が打ち出した金融刺激策が、株式 市場の短期的な上昇相場をもたらしていると考えられま す。ECBによる一連の金融緩和策と米連邦準備制度理 事会(FRB)の利下げに加え、中国当局も引き締めの手を 緩めています。

とはいえ、足元の市場の上昇は、弱気相場内での上昇 局面に過ぎないと思われます。 理由の一つは、既に過去最長記録を更新した米国の景 気拡大局面が終盤に差し掛かりつつある兆候が認められ ることです。米国国債の利回り曲線(イールドカーブ)の形 状等、景気後退(リセッション)入りを警告するサインが、 ここ暫くの間、点灯していたことに加え(図表6参照)、企 業利益は伸びの鈍化が顕著です(図表7参照)。同時 に、米・中間の貿易戦争が景気を下押す状況が続いて います。 市場の動静からも、慎重な姿勢を維持せざるを得ませ ん。

ただし、ユーロ圏市場、英国市場、日本市場などは相対 的にバリュエーション(投資家値評価)に魅力があると考 えられます。

世界貿易の縮小を受けたドイツ経済のリセッション入りの 可能性は、既にドイツ市場に織り込まれています。法人税 減税やインフラ関連支出等、財政拡大の公算が強まって いることから、投資家心理はひとたび改善に転じれば、 ユーロ圏市場はその後大きく改善する可能性が高いと思 われます。英国市場を取り巻く状況もユーロ圏の状況と 同様です。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡 る懸念が英国市場を世界で最も割安な市場としており、 通貨ポンドの割安感も際立ちます。
多くの悪材料が織り込み済であることから、政局の混乱に 対して今後、何らかの解決策が提示されるならば、株価 が大きく反発する可能性もあると考えられます。

債券: 価値の発掘が難しいマイナス金利下の市場

債券は、魅力に欠ける投資対象となっています。過去最 高の15兆ドルもの債券がマイナス利回りで取引されてい るからです(図表8参照)。JPモルガン世界国債指数で 測ったグローバル債券の実質利回りは過去最低の水準 に低下しています(図表9参照)。

とはいえ、債券に全く投資しないというわけにはいきませ ん。投資家には、全体的に割高な債券のなかでも、極め て割高な債券を識別することが求められます。 欧州のソブリン債と社債は魅力に欠けると考えます。欧州 市場は、マイナス利回りで取引される債券の債券全体に 占める比率が世界中の全ての市場を上回っており、ユー ロ投資適格社債については、過去最高の60%以上がマイ ナス利回りです。

同様に、マイナス利回りで取引される債券の比率が高い 日本国債も魅力が薄いと考えます。 ユーロ圏および米国のハイイールド債も魅力が薄いと考 えます。信用格付けは悪化、レバレッジは上昇基調で、 金融セクターを除く社債の発行残高はGDP(国内総生 産)比47%と過去最高水準に達しており、ITバブル崩壊時 の2000年或いはグローバル金融危機発生時の2008年 に付けた水準を上回り、注視が必要とみています。 現地通貨建て新興国国債については、相対的に高い経 済成長力を反映し、新興国通貨が増価することで債券 価格の上昇が見込まれるとの見方に変わりがありません が、約6年ぶりの低い利回り水準となるなど、割安感が後 退しています。

金についてはボラティリティが上昇し、先行きの不確実性 が強まる環境で、安全資産としての価値を発揮し、他資 産を上回るリターンを上げることが期待されます。

今後の 運用方針

個人消費は、労働市場が消費者信頼感を下支えしてい ることから底堅さを見せているものの、製造業は米中貿易 戦争による貿易活動の停滞などを背景に、景況感の悪 化が進行しています。こうした中で、ピクテが算出する景 気先行指数は引き続き世界経済の鈍化を示唆していま す。また、企業業績の見通しについても、利益率が不安 定で先行きが不透明な環境が継続するとみています。

一 方で、金融政策面ではFRBが利下げに踏み切った他、 ECBも利下げや資産買入れプログラムなどを含む金融緩 和策を講じるなどして、株式市場をサポートしました。しか し、株価への金融緩和施策の織り込みが一段と進行した ことや、世界経済の先行きや英国の欧州連合(EU)離脱 などのリスクイベントを巡る先行き不透明感が根強くあるこ となどを鑑みて、株式については慎重な姿勢を継続しま す。

債券については、世界的な利回りの上昇を受けて、短期 的な割高感は後退しました。しかし、クレジット面では、投 資適格社債の割高感が目立つなど、引き続き選別的な 運用が必要と考えています。その為、オーストラリアやイタ リアなど、相対的に高い実質利回りのある国の国債などを 中心に投資していく方針です。

金は不透明な相場環境が継続する中で高い分散効果を 持つ資産クラスとして選好していきます。

 

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

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