投資戦略~リスク資産への評価を小幅に上方修正 | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~リスク資産への評価を小幅に上方修正

2019/11/22アルテ
※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

世界経済は依然として楽観視できない状況が継続しているものの、一部では安定の兆しが見られています。また、米中貿易戦争や英国のEU離脱などのリスクイベントにも楽観的なトップラインが目立っており、投資家のリスク選好姿勢は強まりつつあります。こうした中、慎重ながらもリスク資産への評価を見直し、株式の組入れを引き上げました。

10月の投資環境と運用状況

世界の株式市場は、米中貿易協議への期待が高まったことや英国の合意なき欧州連合(EU)離脱が回避されるとの期待などを背景に上昇しました。また米国を中心に企業決算が市場予想を上回ったこと、米国やユーロ圏などの金融緩和期待なども株式市場をサポートしました。

世界の国債市場は、ユーロ圏のサービス業購買担当者景気指数(PMI)や米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことで、上昇(利回りは低下)する局面もありました。しかし、英国の合意なきEU離脱懸念が後退したこと、米中貿易協議で制裁関税の一部免除などの「第1段階」が進展するとの期待が高まったことなどを背景に大幅に下落(利回りは上昇)し、月間では下落(利回りは上昇)しました。

ドル・円為替市場は、米国の製造業の軟調な経済指標などを背景に円高・ドル安に振れる局面もありましたが、米中通商協議の進展期待など政治的不透明感が後退したことで、円安・ドル高が進行しました。ユーロ・円為替市場は、英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱懸念が後退したことや、景気支援策として財政政策への期待が高まったことなどから、円安・ユーロ高となりました。

当ファンドの基準価額動向をみると、2019年年初来では緩やかながら上昇基調が続いています(図表1参照)。10月月間では、株式市場が上昇する中、ディフェンシブ株をはじめ全般的にプラス寄与となりましたが、金利が上昇した先進国債券の下落などが響き、前月末比で若干の下落となりました(図表3参照)。

主な投資行動 ~リスク資産への評価を小幅に上方修正~

月を通して債券やキャッシュなどの組入れを引き下げ、株式に資金をシフトしました。また、オルタナティブの組入れも引き上げました。

 

株式部分では、短期的な割高感のある米国株式を一部売却し(図表5の①)、出遅れ感のあった欧州株式や日本株式、新興国株式(図表5の②)などに資金を振り向けました。また、欧州株式については、バリュエーションの水準で投資妙味のある銀行や自動車などのセクターを選好しています(図表5の③)。

債券部分では、オーストラリア長期国債などの先進国国債の組入れを引き下げた(図表5の④)一方、新興国通貨が割安であることなどを背景に新興国債券(現地通貨建て)などを買い増し、新興国債券の組入れを引き上げました(図表5の⑤)。

オルタナティブ部分では、音楽著作権ファンドを新規に購入するなどしました(図表5の⑥参照)。同ファンドは、音楽著作権に特化したファンドで、足元の音楽ストリーミング市場の拡大に伴って高い利回りを提供している他、伝統的資産との相関が低いことからポートフォリオのリスク低減効果も期待されます。

 

基準価額の変動要因 ~株式はプラスも、債券のマイナスが響く~

株高債券安の展開となる中で、株式が基準価額に対しプラスに寄与する一方、債券がマイナスに寄与しました。

株式部分では、世界ディフェンシブ株式や日本株式、新興国株式などから幅広く収益を計上しました。

債券部分ではオーストラリア長期国債や米国長期国債(物価連動)などの先進国国債が主にマイナスに寄与しました。

株式:新興国株式やバリュー株に投資妙味

米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を再開する中、米中両国は、相手国に対する攻撃的な態度を軟化させています。このような状況を背景に、ピクテの景気先行指数は先行きの改善を示唆しています。

中国経済の改善には疑問が残り、ドイツ経済の苦戦も続いていますが、世界経済を全体的に見れば、閉塞感の裏には状況を改善させる気配が感じられます。このような状況を勘案し、株式をやや引き上げると同時に、キャッシュを引き下げました。

新興国株式市場の見通しは、再び好転しています。中国経済の足元の安定化を示唆する各種の指標、米中貿易戦争の休戦期待、米国の追加緩和の可能性等が新興国の経済成長を下支えるものと思われます。

ピクテでは、新興国の2019年の経済成長率が先進国の成長率を大きく上回る4%に達すると予測しています。

また、新興国企業の2020年の利益成長率を14%と見ており、ドル安の進行次第では、これを更に上回る可能性もあると考えます。以上から、新興国株式については組入比率を引き上げました。

一方、大方の先進国株式については、期待が持てません。市場のコンセンサス予想が、米国、欧州、スイス、日本の2020年の企業利益成長率を8~9%程度と極めて楽観視していることが特に懸念されます。米国株式の組入比率は引き下げました。米国市場は世界で最も割高な市場であることに加え、2020年の企業利益成長率はよくても前年比横ばいと見ているからです。一方、英国株式については、12月12日の解散総選挙の結果と英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る交渉の行方を見守りたいと考えます。また、ユーロ圏株式については、各種の景気刺激策が経済成長を支えることが予想されるため、米国株式に比べると魅力があると考えます。

歴史が示している通り、景気循環の影響を最も大きく被るセクターで事業を展開する企業にとって、世界経済が低成長を続ける局面で利益を伸ばすことは容易ではありません。一方、このような局面で市場をアウトパフォームする傾向が強いのは、企業ファンダメンタルズ(基礎的条件)に比べて株価が低位で推移する割安株(バリュー株)であることも歴史の証明するところです。

従って、過去10年間、成長株(グロース株)に遅れを取ってきたバリュー株が、ここ数ヵ月、トレンド復活の勢いを見せていることに意外感はありません。

グロース株からバリュー株への資金移動は今後も継続すると思われます。景気循環が拡大局面から成熟局面に移りつつあるからです。従って、金融セクターなどの株式には投資妙味があると考えます。

債券:新興国市場の雲に隠れる希望の光

グローバル債券の先行きは、引き続き、良好とはいえません。バリュエーション(投資価値評価)面での割高感が際立ち、インフレ率の上昇がリターンを目減りさせています。実質利回りは過去最低水準にあります。

とはいえ、「どんな雲の裏側にも銀色の光が隠れている」との諺通り、困難な状況の裏には先行きを期待させる要因が潜んでいるものです。債券市場の「銀色の光」は、新興国債券だと考えます。

現地通貨建て新興国債券利回りは10月中に過去最低記録を更新したものの、新興国債券セクターは主要債券市場の中で最も投資妙味が強いことに変わりはありません。第一に、5%台の利回りは他セクターを遥かに上回っています。更に、新興国通貨も極めて魅力的に思われます。ピクテのモデルは、新興国通貨が米ドルに対して20~25%割安な水準に留まることを示唆していますが、適正水準からのかい離幅は2020年中にも一部縮小し、新興国債券のリターンを押し上げることが予想されます。

新興国通貨と債券の先行きは、経済面からも改善が期待されます。ピクテのエコノミスト・チームがモニターしている新興22ヵ国のうち、2020年の経済成長率が2019年を下回ると予想されるのは4ヵ国に過ぎません。

中国については、工業生産、建築業商務活動指数、粗鋼生産量、政府の固定資産投資等の9月の経済指標の改善と米国との貿易交渉に臨む姿勢の軟化を勘案し、前月よりも積極的な見方を強めました。経済成長を予測する際に重視され、景況感を測る際の信頼できる指標とされてきた10年債利回りが上昇基調を辿っていることからも先行きが期待されます。

 

今後の運用方針

世界経済は、製造業を中心に軟調さが目立ち、依然として楽観視はできない状況が継続しています。しかし、個人消費は依然として底堅さを示しており、今後景気の下支え役となることが期待されるほか、ピクテが算出する景気先行指数にも改善の兆しが見られ始めています。

また、米中貿易協議が第一段階の合意に達したとの報道や英国のEU離脱期限延期などを受けて、悲観的な見方は短期的には後退しており、リスク選好地合いが強まりつつあります。

株式市場では、特に先進国において、過度に楽観的な利益成長見通しが既に株価に織り込まれているように見受けられますが、新興国市場は依然として割安であり、将来的な中国経済の安定化や米中貿易問題の緊張緩和もサポート材料になると考えられることから、強気な見方をしています。金融政策については、先進国の主要中央銀行がハト派的な姿勢を堅持しているほか、新興国でも、多くの中央銀行が金融緩和を継続あるいは開始することが予想されるため、流動性の状況は概ね良好と考えます。今後は、FRBの緩和策継続に呼応し、米ドル安が進行することも期待され、このことも新興国株式にポジティブに働くとみています。

こうした環境下、リスク資産に対する評価を小幅に上方修正しており、特に新興国株式に投資妙味があると考えています。債券市場では、先進国国債やクレジットが割高圏で推移する中、引き続き相対的にバリュエーションが魅力的な新興国国債を選好します。新興国通貨については、足元で米中貿易協議の進展期待を受けて、ますます魅力的になっていることから注目していきます。金についても、有効な分散投資ツールとしての保有価値を高く評価しています。

 

 

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