投資戦略~新興国に広がる回復の波、株式の組入れを引き上げ | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~新興国に広がる回復の波、株式の組入れを引き上げ

2019/12/13アルテ
※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

世界経済は新興国を中心に回復基調にある他、先進国でも改善の兆しが見られています。また、米中貿易協議に対する進展期待が高まっており、株式市場は堅調に推移しました。こうした中、割安に評価されている景気敏感セクターや相対的に高い利益成長が期待される新興国株式などを中心に株式の組入れを引き上げました。

11月の投資環境と運用状況

世界の株式市場は、米中貿易協議が部分的な合意に至るとの期待や、10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回って増加したことなどを背景に上昇しました。また、英国の欧州連合(EU)離脱に対する楽観的な見方が広がったことなどもプラス要因となりました。

一方で、世界の国債市場は小幅な動きにとどまりました。米中貿易協議や英国のEU離脱などを巡った楽観的な見方から、一時下落(利回りは上昇)する局面があったものの、10月の中国経済指標が市場予想を下回ったことや、香港人権法案の可決で米中貿易協議に先行き不透明感が台頭したことなどから、月末にかけては上昇(利回りは低下)し、総じては小動きとなりました。

ドル・円為替市場は、米中通商交渉の先行きに対する楽観的な見方が広がったことや、予想を下回る日本の7-9月期の経済成長率、底堅い米国経済指標などを背景に、円安・ドル高が進行しました。ユーロ・円為替市場は、ユーロ圏の成長率とインフレ率見通しが引き下げられたことや、ドイツの7-9月期経済成長率がプラス成長ながらも低調だったことなどを背景に、円高・ユーロ安となりました。

当ファンドの基準価額動向をみると、2019年年初来では緩やかながら上昇基調が続いています(図表1参照)。11月月間では、新興国通貨の下落などを受けた現地通貨建て新興国債券などを中心に債券部分がマイナス寄与となったほか、オルタナティブ部分がマイナス寄与となったものの、米中貿易協議において部分合意に至るとの期待などから、株式市場が上昇したことで、株式部分がプラス寄与したことで、全体では前月末比で小幅ながらプラスとなりました(図表2、3参照)。

主な投資行動 株式の組入比率を引き上げ

月債券の組入れを大きく削減し、株式に資金をシフトしました(図表4参照)。

株式部分では、割安に推移している欧州の景気敏感セクターへのエクスポージャーを増やすために、ドイツ株価指数(DAX指数)先物を新たに購入しました。その他、アジア株式(除く日本)の組入れを引き上げるなどしました(図表5の①、②)。

債券部分では、オーストラリアやイタリアなどの国債を売却し、デューレーションを短期化しました(同③)。

基準価額の変動要因: 債券はマイナスとなるも、株式のプラス貢献が上回る

米雇用統計など一部の経済指標に良好な内容が見られた他、米中貿易協議を巡る部分的な合意期待が高まったことなどを受けて、株式市場が上昇したことから株式が基準価額に対しプラスに寄与しました。一方、債券とオルタナティブは小幅ながらマイナス寄与となりました。株式部分では、世界ディフェンシブ株式や日本株式、欧州株式(除く英国)などが収益に寄与しました。債券部分は、中南米通貨の下落などにより新興国債券(現地通貨建て)がマイナスに寄与しました。

株式:新興国はじめ世界的な景気先行き 懸念が後退

年初は割安な水準に留まっていたグローバル株式は、適正水準で2019年末を迎えることとなりそうです。MSCI全世界株価指数の株価収益率(PER)は年初の13倍から15.6倍に上昇しています。

世界経済の減速には歯止めがかかったように思われますが、ピクテの景気先行指数は、景気の底入れは数ヵ月先になることを示唆しています(図表6参照)。このような状況下、景況の安定局面の到来に備えた地域・業種セクターの組入れの調整が必要になると考えられます。

業種セクターでは、生活必需品など(景気変動の影響を受け難い)ディフェンシブ・セクターは、相対的に割高な水準にあり、景気の小幅の改善局面では、景気敏感株に出遅れる傾向が見られます。また、過去2年間で債務が急増していることが懸念されます。一方、より景気敏感で、バリュエーション水準が相対的に割安なセクター(例えば金融)などに投資魅力があるとみています。

地域市場では、新興国市場が最も高い成長期待があると考えています(図表7参照)。一方でバリュエーションは妥当な水準に留まりますが、域内市場間には大きな格差が生じていることには注意が必要です。ブラジル、台湾、インドの株式は割高感が強いのに対し、ポーランド、トルコ、チリの株式は、バリュエーションで最も魅力的です。
新興国市場には、足元数週間で過去最高水準の資金が流入しており、投資家が新興国株式市場に内在する投資の好機に気付き始めたことが示唆されます。

ユーロ圏株式も新興国株式と同様に投資魅力が相対的にあると考えられます。

一方、米国株式は、ピクテの米国景気先行指数が1年ぶりの水準に改善していることを踏まえ、警戒感はやや後退したと考えます。
米国の「地区連銀経済報告(ベージュブック)」は、製造業活動と鉱工業生産が底入れしたとのピクテの見方を支持するものとなりましたが、2018年から2019年にかけての製造業のリセッションの時期を特定するには追加のデータが必要です。
一方、バリュエーション水準の観点からみると、米国が依然として最も割高な市場である状況は変わりません。

 

債券: 現地通貨建て新興国債券の選好

現地通貨建て新興国債券の先行きは明るさを増しています。世界の製造業活動が安定化の兆しを見せ、米中貿易協議に進展が見られるためです。このような状況は、米ドルに対する新興国通貨の増価を促し、現地通貨建て新興国債券のリターンを押し上げるはずです(図表8参照)。また、新興国の中央銀行は、世界経済の基盤が安定性を増したとしても、現状、リスクを一切取らない公算が大きいと考えます。域内では金融緩和が維持されることとなり、新興国債券の5%を超える利回りは、引き続き、投資妙味が高いと考えます。
ただし、景況が改善しつつあるとしても、世界貿易を巡る状況が突然悪化する可能性は無視出来ない点には留意が必要です。

米国国債については、ユーロ圏あるいは日本の国債等の安全資産と比べて、価格面での魅力があると考えます。10年国債利回りを比較すると、米国国債の1.78%に対し、ドイツ国債は-0.36%とマイナス圏に沈んでいるからです(図表9参照)。

金についても引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

今後の運用方針

ピクテが算出する世界の景気先行指数は長期トレンドを下回っているものの、新興国を中心に改善しており、緩やかながら回復基調にあります。また、先進国経済の成長モメンタムは依然軟調に推移していますが、米国の景気先行指数に著しい回復が見られた他、欧州においても安定化の兆しが見え始めていることから、状況は改善しつつあるとみています。

金融政策に目を向けると、中国のインフレ進行懸念を背景に中国人民銀行(中央銀行)による追加的な緩和策は期待しづらいものの、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などはハト派姿勢を維持しており、流動性の状況は概ね良好と考えます。

また、地政学リスクについては引き続き複数のテーマが注目されていますが、米中貿易協議を巡っては大きな進展は見られないものの、投資家心理は依然として期待に傾いているとみています。また、12月12日に予定されている英総選挙については、概ね与党の単独過半数確保が予想されていることから、欧州市場に対する投資家心理の改善に寄与するものとみています。

こうした環境下、株式市場に割高感は見られず、株価は適切な水準にあるとみて、リスク資産の評価を前月に続いて小幅に上方修正しています。特に金融セクターなどの一部の景気敏感セクターは割安に推移している為選好しています。

また、新興国市場においても今後の景気回復などを背景に相対的に高い利益成長が期待されることから、投資妙味があるものとみています。

債券部分では、引き続き先進国国債やクレジットが割高に推移するものの、相対的に割安感が強い米国国債に注目していきます。
また、新興国通貨が依然として割安に評価されていることから、新興国債券を選好するスタンスも維持します。

金についても、有効な分散投資ツールとしての保有価値を高く評価しています。

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