バイオ医薬品株式:年初来の動きと市場環境 | ピクテ投信投資顧問株式会社

バイオ医薬品株式:年初来の動きと市場環境

2019/09/25バイオ毎月
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ポイント

当ファンドの分配金再投資後の基準価額は、世界株式が2018年後半の大幅下落から反発する中、上昇したものの、米国で薬価抑制の議論が活発化していることなどがマイナス要因となり、小幅な上昇にとどまっています。なお年初来の値動きでは分配金を1,800円(1万口あたり、税引前)お支払いしていることが、基準価額下落のもっとも大きな要因となっています。

 

年初来、当ファンドの分配金込み収益はプラス

年初来(2019年9月13日まで)の当ファンドの基準価額(分配金再投資後)は+1.2%の上昇となりました。(図表1参照)。

世界の株式市場が2018年後半の大幅下落から反発する中、バイオ医薬品株式については、大規模なM&A(合併・買収)の動きが継続したことや良好な治験結果や新薬の販売状況の発表などが上昇要因となりました。

一方で、革新的な取り組みが高く評価されていた米食品医薬品局(FDA)のゴットリーブ長官の辞任や、バイオジェン(米国)が期待の高かったアルツハイマー治療薬候補の治験中止を発表したこと、2020年に米大統領選を控える中、米国で薬価抑制の議論が活発化していることなどが影響し、バイオ医薬品株式は先進国株式を下回る推移となっています。

当ファンドの基準価額は2019年9月13日、年初来で1,571円下落し、11,637円となりました。株式要因は+692円、為替要因が-271円でしたが、分配金を1,800円(1万口あたり、税引前)(毎月200円×9ヵ月)お支払いしたことが影響しました。

 

 

バイオ医薬品株式を取り巻く環境 ①世界的な人口増加と高齢化の進展

バイオ医薬品関連株式を取り巻く環境について目を向けると、①世界的な人口増加と高齢化の進展、②良好な規制環境と研究開発の進展、③M&A(合併・買収)の動きなどを背景に中長期的な見通しは良好であると考えます。

①世界的な人口増加と高齢化の進展:世界の人口は、2015年時点で73億人と推計されていますが、2045年までに2015年比で1.3倍の95億人に達し、今後も増加が続くと予想されています。

また人口増加とともに高齢化の進展も予想されており、60歳以上の人口は、2015年比で2.1倍の19億人に達するとみられます。世界の全人口に占める60歳以上の割合を見ても、世界全体で2005年の10%が2045年には20%と倍になる見通しです。特に、先進国では2045年に32%となり、3人に1人が60歳以上の高齢者となると予想されています。高齢化の進展は、がんや糖尿病、関節リウマチなどの病気にかかる人の増加につながると考えられ、バイオ医薬品関連企業が開発する治療薬の重要性が高まるものと予想されます。

②良好な規制環境と研究開発の進展

米食品医薬品局(FDA)による新薬の承認は、2018年に59件となり、過去最高の水準となりました(図表2参照)。なお2019年は9月12日時点で27件承認されています。

米FDAは新薬の開発・承認を促進するため、様々な制度を設けています。2018年の新薬承認のうち24%が「画期的(ブレークスルー)治療薬制度」を、41%が「優先承認審査制度」を受けていました。またピクテでも注目している患者数の少ない希少病の治療薬についても34件(全体の58%)の承認がありました。

さらに、ここ数年で米国で承認件数が増加したことの背景には、バイオ医薬品企業各社による積極的な研究開発に加え、FDAが新薬の承認手続きの簡素化を積極的に進めたことも寄与していると考えられます。

③M&Aの動き:有望な新薬の獲得を目的としたM&Aは継続

有望な新薬候補(パイプライン)を有するバイオ医薬品企業は、M&A(合併・買収)のターゲットとなっています。

既存の主力薬が特許切れに直面している大手医薬品企業や、特定の主力薬への依存が高い大手バイオ医薬品企業は、将来にわたって業績の成長を実現するために、有望なパイプラインの充実につとめています。パイプラインの充実には、もちろん自社での研究開発も重要となりますが、医薬品業界では、有望なパイプラインを持つ企業に対するM&Aによりパイプラインの充実を図るケースも多く見られます(図表3参照)。

バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、2017年は低調でしたが、2018年、2019年は金額、件数ともに堅調に推移しています(図表4参照)。

2019年の主なM&Aでは、年初に発表された買収総額が740億ドル(約8兆円)におよぶブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)(米国)によるセルジーン(米国)の買収が挙げられます。BMSはオプジーボという有力ながん治療薬を有していますが、セルジーンの買収により血液がんの治療薬レブラミドを獲得することになり、がん領域において幅広い治療薬をそろえることとなりました。

また2019年1月にはイーライリリー(米国)によるロクソ・オンコロジー(米国)の買収(総額80億ドル)もありました。がん領域で革新的なパイプラインを有するロクソ・オンコロジーの買収によりイーライリリーもがん領域を強化しました。なお、9月9日には、ロクソ・オンコロジーの買収により獲得したがん治療薬である経口RET阻害剤Selpercatinibについて競合よりも優位なことを示している治験結果を公表しています。

今後もバイオ医薬品企業を含む医薬品大手企業によるM&Aの動きが注目されます。

株価売上高倍率(PSR)は5倍台で過去15年平均を下回る水準

バイオ医薬品株式(ナスダック・バイオテクノロジー指数)の株価売上高倍率(PSR)は、2019年8月末時点で5.7倍と、過去15年間の平均6.5倍を下回る水準で推移しており、バイオ医薬品株式のバリュエーション(投資価値評価)が低い水準にあることがわかります(図表5参照)。

一方、バイオ医薬品企業の今後2年間の売上高の伸び率は年率で+6.7%と、日本企業や米国企業を上回る成長が予想されています(図表6参照)。

見通し、米国における制度改革の動き

バイオ医薬品関連企業は、画期的な治療薬を提供し続けるものと予想され、相対的に高い利益成長が期待されます。また魅力的な新薬候補や高い技術力を求めて大手医薬品企業がバイオ医薬品関連企業を買収する動きは継続すると見られ、これは株価にとってプラス要因になると見ています。
一方で、米国での薬価抑制の動きには注視が必要と考えます。米上院の金融委員会では薬価抑制策が可決され、今年中には本会議で審議される予定です。またトランプ米大統領も薬価引き下げに関しての発言を行っています。現時点では、重大なリスクというよりは表面的なリスクがあるにすぎないと考えますが、2020年の米大統領選挙に向けて話題にのぼることが増えると予想されます。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

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