次世代の公益業界と市場拡大 | ピクテ投信投資顧問株式会社

次世代の公益業界と市場拡大

2018/06/19グロイン
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ポイント

公益業界の長期的な収益拡大の基礎となるのが、電力・ガス・水道、通信などの需要の拡大と価格の上昇です。需要面からみると、電力需要は世界的な人口の増加や新興国の成長に伴い、今後も拡大が予想されます。また、先進国でも、電力を使う製品の増加などに伴い需要の拡大が見込まれています。

世界の公益需要

公益業界の長期的な収益拡大の基礎となるのが、電力・ ガス・水道、通信などの需要の拡大と価格の上昇です。

需要面からみると、電力需要は世界的な人口の増加や 新興国の成長に伴い、今後も拡大が予想されます。また、 先進国でも、電力を使う製品の増加などに伴い需要の拡 大が見込まれています。その需要拡大要因のうちのひと つに電気自動車の普及による電力使用量の増加などが あげられます。電気自動車の普及などによる電力使用量 の拡大はおよそ50兆円市場とも試算されています。

また、通信セクターでは通信価格は低下しているものの、 次世代通信の技術革新や通信がつながる装置(IOT)の 増加などの技術革新に伴い飛躍的な通信量の増加が見 込まれています。

(図表1-1、1-2参照)

 

電気自動車(EV)

世界的な電気自動車の普及により、電気自動車向けの電 力消費量拡大が期待されます。世界の主要国では、地球 温暖化による異常気象やPM2.5(微小粒子状物質)などの 大気汚染問題などを背景に環境規制を強化する動きが高 まっています。こうした流れのもと、主要国では、ガソリン・ ディーゼル車廃止の動きが広がっています。フランス、英国 では、2040年、ドイツ、インドでは2030年までにガソリン・ ディーゼル車の販売を禁止するとしています。中国でも販売 禁止時期の検討が始まっています。(図表2-1参照)

 

電気自動車(EV)の最大の課題は、1)充電に時間がかかる、 2)十分な充電ステーションの普及が必要という点です。現 在、発売されているEVでは主に一般家庭などにも設置でき るポール型普通充電器(200V)で約4時間充電で80km、 約7時間充電で160km、急速充電器(出力50kW)を使って も約15分充電で80km、80%まで充電するのに約30分か かり走行可能距離は160kmまでとなっています。このためガ ソリン車と比べて使い勝手が悪く、EVの増加を妨げる要因と なっています。

こうした問題を克服すべく、各社が急速充電や電池容量拡 大の開発を進めています。東芝が開発している次世代リチ ウムイオン電池(次世代SCiB)を EVに搭載すると、6分間の 超急速充電で、走行距離を320km(32kWh電池容量搭載 のコンパクトEVを想定したJC08モードでの走行距離換算)に 延ばすことが可能になります。同社は2019年度には製品化 することを目指しており、2〜3年後には6分という短時間で ガソリン車のガソリン補給のように短時間で充電できるEVが 登場する可能性があります。これらが実現すれば、規制強 化も追い風となり、EVの普及が進むと考えられます。また、 イタリア電力公社やRWEをはじめとした欧州の電力企業など を中心にEV充電ステーションの設置拡大が計画されていま す。(下参照)

 

こうした環境下、国際エネルギー機関(IEA)は、2040年ま でにパリ協定の気候目標を達成するためには、世界の電気 自動車の普及台数は2016年の200万台から2040年には6 億台に増加する必要があると試算しています(図表2-3参 照)。米国エネルギー省 エネルギー情報局(EIA)は、世界 の電力自動車の電力消費量は2018年~2040年にかけて 年率+20%増加すると予想しています。(図表2-2参照)

 

 

【ご参考】電力料金はどのようにして決まる?

【ご参考】公共料金決定要因

規制下の公益事業の公共料金は、発電施設の設備投資 の増加や長期金利の上昇が料金の引き上げ要因のうちの ひとつとなります。

多くの規制下の公益事業の公共料金の設定は国や地域 の規制当局が認可しています。

米国の公共料金の設定例をみると、認可ROEは、規制下 の公益企業が電力料金を設定する上で認められたROEの 上限水準です。算定レートはこの認可ROEと負債コスト(借 り入れコスト)などを勘案したレートとなります。これを料金 設定の基礎となる発電施設等の純資産(発電施設等の資 産から減価償却累計等を引いたもの)に乗ずることで、確 保できるおよその利益が算出されます。その利益に燃料費、 税金、その他営業費用を足したものが公共料金の設定基 準となります。

公益企業は設備投資を増やすと電力料金の値上げが可 能になり、利益を増やすことができます。こうした公共料金 の設定の仕組みは、公益企業が設備を更新して停電など が発生しないように十分な電力供給が行えるようにするた めのものです。(図表3-1参照)

 米国では、トランプ大統領が今後10年間で約160兆円の インフラ投資を発表しており、設備投資の増加が期待され ます。

また、認可ROEは長期金利と連動性が高くなっており、負 債コストは主に長期で調達するため算定レート自体も長期 金利に連動します(図表3-2参照)。認可ROEと連動性の 高い米国の長期金利は長期にわたって低下してきました が足元では上昇に転じています。

 規制下の公益事業はこのようにコスト転嫁の仕組みにより 利益見通しが立てやすいといったメリットが多くありますが、 一方リスク要因もあります。国・地域経済が低迷した際には、 消費者保護や選挙を前にした政治的な思惑などから規制 当局が値上げの認可を抑制する場合があります。足元で は、スペインやイタリアで政局不安を背景に、規制リスクが 高まっており、注意が必要と見ています。

設備投資の拡大は電力価格の上昇要因~ 再生可能エネルギーや送配電線投資が拡大

前述のように設備投資の拡大は電力価格の上昇要因と なります。公益企業設備投資のなかでは風力や太陽光 などの再生可能エネルギーや送配電線投資の拡大が全 体の設備投資の拡大をけん引しており、今後も拡大する と見込まれています。

再生可能エネルギーの普及

中国やインドなど新興国における電力需要が増大する中、 太陽光や風力などの発電施設の建設が進み、再生可能 エネルギーの発電設備容量は増加することが予想されて います。(図表4-1参照)

地球温暖化対策など環境重視の政策に後押しされ、再 生可能エネルギーの新設により、発電設備に占める再生 可能エネルギーの割合はIEAでは2015年の約30%から 2040年には50%近くになると予想しています。

ネクステラ・エナジー(米国)は電力の公益持株会社です。設 立は1925年でフロリダを拠点とするフロリダ・パワー・アンド・ラ イトを中心に電力事業を行っています。1998年にはエナ ジー・リソーシズをフロリダ州外での再生可能エネルギー事業 拡大を目指して設立し、風力、太陽光発電で米国第1位と なっています。(図表4-2、4-3参照)

 米国の風力や太陽光発電の発電コスト(2016年)は2010年 比で半分以下まで大きく低下しています。この結果、同社の 営業利益率は改善し、同社の利益や配当は増加しました。 今後もコストの低下が予想されており、2020年には2010年 比で1/3以下になるとも試算されています。 注 会社資料より

同社は10年間で年率7%の増益、9%の増配を達成していま す。2018年以降も、増益・増配が期待されています。また、 会社側は配当性向を引き上げ、2020年まで年率12-14%の 増配計画を発表しています。当ファンドの保有比率は2018 年5月末で3.3%、組入第3位です。(図表4-4参照)

 

再生可能エネルギー、送電線投資の拡大

設備投資のなかでも、世界的なクリーンな再生可能エネ ルギー拡大やスマート化の流れにより、双方向送電線投 資などが拡大しており、今後も設備投資拡大が予想され ます。こうした設備投資の拡大は規制下事業の電力料金 の引き上げ要因となるとみられます。特に景気拡大期に はこうした投資が活発化すると期待されます。一方、景気 後退期には投資が控えられることから注視する必要があ ります。(図表5-1、5-2参照)

 

二酸化炭素排出権価格と電力価格

クリーンエネルギーの促進と規制強化により、特に欧州中 心に二酸化炭素排出権の取引市場や二酸化炭素排出 課税が広まっています。二酸化炭素排出権取引市場や 課税が存在する市場では、これらの価格や税コストは電力 価格を構成する要素のうちのひとつとなります。このため二 酸化炭素排出権価格上昇は電力価格の押し上げ要因と なります。欧州の二酸化炭素排出権価格は、規制の強化 などに伴い、上昇基調にあり、電力価格の押し上げ要因と なっています。二酸化炭素排出権市場や課税は米国の 一部や日本でも導入され世界的に拡大が見込まれていま す。(図表5-3、5-4参照)

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