足元の基準価額動向と世界公益株式投資 | ピクテ投信投資顧問株式会社

足元の基準価額動向と世界公益株式投資

2018/10/12グロイン
※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

10月10日の米国株式市場は急落し、2月以降で最大の下げ幅を記録、世界の株式市場全体も下落となりました。米国の中間選挙などを控え、それまでに不透明感が払拭される可能性は低い一方で、10月中旬以降に発表される米国の企業決算次第では、市場が落ち着きを取り戻す可能性も考えられます。好材料と悪材料の影響が拮抗する状況のなか市場の変動が大きくなる可能性があり、当面注視が必要と考えます。市場の不透明感が強い局面では財務体質が健全で、配当や利益の安定成長が期待できるディフェンシブ性の高い銘柄に注目です、

米国株式市場は急落し2月以降最大の下げ幅を記録するなか相対的に小幅下落

2018年10月10日(水)の米国株式市場は急落し、2月以降で最大の下げ幅を記録し、世界の株式市場全体も下落となりました。その後、11日のアジア、欧州株式市場も全面安となり、米国株式市場も続落しました。 こうしたなか、主要株式市場が大きく下落する一方、グロインの10月12日の基準価額は(10月10日比)で-2.0%(ー66円)下落の3,155円にとなりました。 ※グロインの基準価額は主に前営業日の市場を反映しています。

市場下落の背景~米国金利上昇、貿易戦争、米中間選挙懸念

急落の背景には、①米長期金利の急激な上昇、②IMFが貿易戦争の影響に言及し世界経済見通しを下方修正したこと、③ヘイリー米国連大使の辞任など中間選挙を前にトランプ陣営にとって逆風が強まっていること、などの外部環境が厳しさを増していることが大きな理由と考えます。 10月9日には、国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、世界全体の成長率予測を2年ぶりに下方修正し、貿易戦争が拡大した場合の最悪のケースでは世界経済の成長率が19年以降に最大約0.8%下振れすると警告しました。 中国との貿易戦争の影響をめぐる懸念の再燃により、影響をより受けると懸念される情報技術(IT)セクターや資本財サービスなどの下落幅が大きくなりました。一方、公益などのディフェンシブセクターは下落したものの相対的に小幅な下落にとどまりました。 こうしたなか、10月10日のS&P500種指数は3ヵ月ぶりの安値を付け、6営業日連続と、トランプ氏の大統領選勝利以降で最長の連続安を記録しました。

投資戦略~投資方針に変更なし

中長期的には、電力などの需要拡大や価格上昇が予想されており、世界の公益セクターの事業環境は良好との見方には変わりありません。 市場の不透明感が強い局面では財務体質が健全で、配当や利益の安定成長が期待できるディフェンシブ性の高い銘柄に注目です。 米国では追加利上げが見込まれています。日欧では金融緩和を継続していますが出口戦略を模索しており、今後主要国では金融政策から財政政策へのシフトと長期金利の上昇が想定されます。長期金利の急上昇は配当利回りの相対的な魅力を低下させ、金利負担増となることなどから公益企業の株価にマイナス要因となりますが、規制下の公益事業では金利負担コストはタイムラグはあるものの公共料金に反映でき、景気の回復は増益・増配をもたらし株価の押し上げ要因となります。このため金利上昇による株価の調整は投資機会とみています。 また世界的な景気回復によるエネルギーをはじめとした物価の上昇も想定されるため、物価の上昇をより料金に転嫁し易い事業比率の高い企業や物価上昇率を上回る増配を目標に掲げている企業などに注目していきます。 新興国の公益株式に関しては、景気の底打ち感が見られることから投資機会と捉え、事業地域の規制環境が良好な銘柄などに注目し、慎重に銘柄を厳選して投資を行っていく方針です。

市場見通し

中好調な企業業績、安定的な経済成長、これまでのところは貿易戦争の経済への影響が顕在化していないこと等の好材料が、米連邦準備制度理事会(FRB)によって世界の金融システムから流動性が継続的に吸収される流動性逼迫の影響を緩和してきました。こうしたなか、企業業績は好調さを維持しているものの、利益の伸びの鈍化を示唆する兆しが散見されはじめたこと、貿易戦争の影響を抑えてきた、駆け込み需要や中国元安、レパトリ減税による米国への資金の還流などの影響が薄れてくれば、貿易戦争の影響が顕在化し、市場のセンチメントにマイナスの影響を与えることには注視が必要と見られます。 好材料と悪材料が拮抗する状況は、今後数ヵ月間、継続することが予想されます。 悪材料としては、FRBのバランスシート縮小のペースは今月(10月)初旬にもピークを付けることが予想されますが、一方、欧州中央銀行(ECB)の資産購入プログラムは今年中にも終了の予定です。英国のEU離脱、イタリアの財政悪化懸念など外部環境の厳しさが残ります。 好材料としては、このような環境下、米国では2019年第1四半期(1-3月期間)中に財政刺激策の大半が実行に移されるものと予想され、中国では、景気減速の兆しが鮮明になった後、政府が過剰債務圧縮の手を緩め始めています。 ただし、ヘイリー米国連大使の辞任など中間選挙を前にトランプ陣営にとって逆風が強まっており、減税などの政策実行への妨げになる可能性には注視が必要とみられます。米国の中間選挙なども控え、それまでに不透明感が払拭される可能性は低い一方で、10月中旬以降に発表される企業決算次第では、市場が落ち着きを取り戻す可能性も考えられます。上述の、好材料と悪材料の影響が拮抗する状況のなか市場の変動が大きくなる可能性があり、当面注視が必要と考えます。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

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