インド探検記  ~ピクテのインド株式運用チームの見方から~ | ピクテ投信投資顧問株式会社

インド探検記  ~ピクテのインド株式運用チームの見方から~ インド アジア 新興国

※投資リスク、手続・手数料等は、PDF版をご覧ください。

ポイント

ピクテのインド株式運用チームはインドを訪れ、現政権の閣僚や企業への取材に加えて、旅の途中では様々な人々に出会い、交流する中で、等身大のインド社会や経済の「今」を体感してきました。こうした貴重な体験は、今後の投資判断や新たな投資アイディアにつながり、インドの「今後」に対する見方のヒントとなることでしょう。

インド探検記 ~インドの現状に触れ、新たな発見~

「森の中の道は二つに分かれていた。私は(考えた末に)足跡の少ない道を選んだのだが、そのことが私の人生をどれほど変えたことか」 ロバート・フロスト(「選ばれざる道」から)

「インド探検」の旅は、予定満載の1週間の旅でした。

私達は、モディ政権の閣僚の1人との面談、住宅金融大手の融資処理センターへの訪問、自動車部品メーカー2社の工場見学などに加えて、5つの地方を横断する1,000キロの行程を走破する中で農夫、地方の銀行員、トラック運転手、トラクターのディーラー、小規模の養蚕農家等、インド経済を支える人々と出会いました。

私達はこれまでの人生の殆どをインドで過ごしてきたのですが、それでも、都市部から離れた農村地帯を訪ねる旅は常に新鮮で、多くの知見や体験談を持って帰路に着くことが珍しくありません。雨期が終わった直後の気候の良い時期の旅では、青々とした農地、よどみなく流れる川、水をたたえた湖等、美しい景色を堪能しました。

様々な人々との出会いから、 インド社会の「今」を知る

今回の旅では多くの人との興味深い出会いがありました。

アナン・ラジは、25歳、タミール・ナードゥ州、ダルマプリ県ネルプール市の出身です。トラクターに入れ込んでいて、4台を所有しています。1台を自分用にして、3人の従業員と4人で農地を耕し、(土地を所有する)農家から、時給ベースで耕作料を得ることで生計を立てています。
ラジは、ユーチューブ上に自分がトラクターで作業する動画を載せています。海外を旅行することや、映画で見るような広大な農地をトラクターで耕すのが夢です。父親と祖父は農夫で、マヒンドラ・マヒンドラ製のトラクターを使っており、アナン・ラジも他社のトラクターを買うなど、考えたこともないそうです。

ハリーシュ・ナイクは23歳、カルナタカ州北部のトゥムク出身で、ウーバーの運転手として生計を立てています。
月収は60,000~70,000ルピー(1,000ドル弱)で、大半が食費と家賃で消えてしまいます。来月、初めての子供が生まれる予定ですが、子供には医者かエンジニアになって欲しいと望んでいます。家を買いたいと思ってはいるものの、手の届く物件はなかなか見つからないそうです。

ポールは28歳、バンガロール出身です。高等教育を受けた賢明な起業家で、スタートアップを2社経営しています。
事業内容は、1社が仮想通貨、もう1社がフェイスブックとアマゾン用のカスタマー・サービス・アプリケーションの開発です。インドとカナダに拠点を置いて(従業員を擁して)おり、ベンチャー事業の資金調達のためのロードショー(投資家向け説明会)を始めたところです。少なくとも1社を「フォーチュン500」にランクインさせることが目標です。

ハリッシュとプリヤはバンガロールに住む若いカップルで1歳の子供がいます。
丁度、初めてアパートを購入するところで、新居での生活を楽しみにしつつ、住宅ローンを心配しています。購入するアパートを、子供が人生の最善のスタートを切ることが出来る家にしたいと望んでいます。

 ★ ★ ★ ★ ★

4つの「希望の物語」は(物語そのものは)素晴らしいのですが、どの物語にも不満が隠されています。
政府が水路を接続してくれないため、近くの湖から灌漑用水が取水できないこと、(都市部の)交通渋滞や空気汚染や学校の授業料が高いこと、ベンチャー・キャピタルがハゲタカのようにあくどいこと、配車業界の競争がし烈さを増していること等、不満の種は尽きません。

どれも、インド経済に典型的な状況についての物語です。国民の希望の水準は極めて高いのですが、個人では制御できない障壁に阻まれて、抑えていた怒りが表面に現れます。

このような状況は、インド投資の好機であると同時に、リスクでもあるのです。政府が国民の希望を正しい方向に誘導できれば、インド経済の将来性は計り知れません。起業手続きの簡素化、腐敗の撲滅対策、電力供給の改善等、政府が近年行ってきた改革が正しい施策であることは明らかですが、未だに課題山積の状況が続いています。

インド経済の「今」に直接触れ、 「今後」を考える

今回の旅のエピソードを幾つか紹介しましょう。

<モディ政権の閣僚との面談で>

面談に応じてくれたモディ政権の閣僚は、財政赤字削減目標の達成に強い自信を示していましたが、足元の原油価格の急騰と物品サービス税(GST)導入後の税収が事前予想に届かない状況を考えると、インドの財政にかかる圧力は実に気掛かりです。
政府が目標を実現するとしたら、それは、裁量的経費、恐らく、公共投資の削減に因るものとなる公算が高いと考えます。インドの財政動向には留意が必要だと考えます。

<自動車部品工場への視察で>

工場については、自動車のギアやクランクシャフトを製造する2つの工場を見学しました。
いずれもマヒンドラ・マヒンドラが建設した工場で、その後、スペインの多国籍企業、CIEアウトモティフ(以下、CIE)に売却されています。
工場では従業員の話を聞き、製造工程を確認する機会が得られたことで、CIE社がもたらした変革と、同社のグローバル・エコシステムの傘下に入ったことで享受している恩恵が十分に理解出来ました。

<農村地域への旅の途中で>

農村地域への旅の途中では、バジャジ・オート、アイシャー・モーターズ、マヒンドラ・マヒンドラのショールームに立ち寄りました。
新製品に関する最新情報を入手し、顧客の好みを直に確認し、ディーラーが提示する各種の自動車ローンを吟味し、需要環境の全容を理解する助けとなりました。
アイシャー・モーターズのショールームでは、主力のオートバイの入荷までの待ち時間が3ヵ月から1週間前後に短縮されたことがわかりました。

また、マヒンドラ・マヒンドラのショールームでは、同社のトラクターが、価格が一番高いにもかかわらず、この地域の市場シェアのトップを占めていることがわかりました。ブランド力が強いために再販価値が高く、顧客の支持を得ているとのことでした。 写真の通り、私達も試乗してみました(写真①)。

<農村地域でも、確かな消費財流通網の拡大>

消費財については、農村での商品の流通力を確認しました。これは、一番小さな村の一番小さな店に、ヒンドゥスタン・ユニリーバとパール・プロダクツ(インドの有名ビスケット・メーカー、未上場)の商品を見つけた時の写真です(写真②)。

<小都市の銀行の支店で>

人口50万人弱のインド南部の小都市、イーロードゥでは、シティ・ユニオン・バンク(CUB)の支店長と面談しました。地域経済の将来性について説明を聞き、支店の混雑ぶりを見て、景気がよいことを確認しました。
顧客の話では、CUBにはすでに数十年にわたって口座を保有しており、他行に口座を移すなど考えたこともない、サービスの質に満足しているからとのことでした。

★ ★ ★ ★ ★

2級や3級の小都市を訪ねてわかったのは、国産品にしても輸入品にしても種類が豊富で、大手のブランドのほぼ全てが買えるということです。
ですから、今後、消費財などの企業にとって事業拡大の機会が残されているのは、まだ商品自体が行き渡っていない4級や5級のもっと小さな町だと考えられます。

また、中規模のトラック運送会社の社長は、800台のトラックを保有しており、需要は極めて強いものの、利ざやは縮小する一方だと話していました。
資金が潤沢なリビゴ(革新的なIT技術を駆使した物流企業、未上場)などのスタートアップが値下げ攻勢をかけ、市場シェアを伸ばしているとのことでした。

<マイクロ・ファイナンスを活用する小さな村の女性>

今回の旅で最も興味深かったのは、カルナタカ州南部の世帯数200戸前後の小さな村を訪ねたことです。
この村では、クレジット・アクセス・グラミンが営業しています。 村の女性が(5人一組となり、)グループの連帯保証で小口の融資を受けるマイクロ・ファイナンスのプロセスが確認できました(写真③)。

借り手の何人かからも話を聞き、借り入れた資金をどのように使い、どのように利益を上げているかも理解できました。また、養蚕業に従事する借り手の一人の自宅を訪ね、養蚕を見学することもできました。
写真には何百匹もの蚕が桑の葉を食べているところが写っています(写真④)。

現場での体験は、今後の投資判断や 新たな投資アイディアにつながる

私達の探検の旅では、ロンドンのオフィスに座っていてはできないことを体験することに主眼を置いています。

工場を見学し、車のディーラーを訪ね、顧客や銀行の支店長や工場の従業員から話を聞くといった旅の経験は、すぐに投資のアイディアに結び付くとは限りませんが、将来、役立つ可能性を秘めた知見を提供してくれます。

私達の旅は、世の中の動きに敏感でいるための助けとなり、ロンドンに戻って投資先企業の経営陣と面談する際に有意義なやりとりを可能とする助けとなるのです。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。 

当ページで言及した企業名は、特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、その価格動向を示唆するものでもありません。 

当資料をご利用にあたっての注意事項等

当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、投資信託説明書(交付目論見書)等をお渡ししますので必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る