来年の総選挙を控えたインドの現状。そして、今後の展望 | ピクテ投信投資顧問株式会社

来年の総選挙を控えたインドの現状。そして、今後の展望 インド アジア 新興国

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ポイント

来年の総選挙を控えたインドは足元、様々な問題も抱えています。こうした中でも、構造的に成長が期待できる注目の銘柄や分野はインド株式市場の中に多く見出すことができます。様々な内外の問題を受けて、インド株式市場全体が下落した場合には、有望な銘柄の投資の好機となる可能性があると考えています。

「ピーク・エンド」の法則

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンによる興味深い認知バイアスに関する研究の1つに「ピーク・エンド」の法則があります。この法則は、私たちが経験したことをどう評価するかは決して合理的なものではなく、ピーク(絶頂)時にどうだったか、それがどう終わったか(最終局面)だけで判定している、というものです。

そのため、「ピーク時」と「最終局面」は非常に重要です。
私が娘を虫歯の治療のため歯科医院に連れていった時、治療が終わった後、娘は受付で素敵なおもちゃをもらいました。この時、娘の様子をみていると、まさにこのことを実感しました。

来年の総選挙を控え、 経験の「最終局面」はいかに?

「ピーク・エンド」の法則は、モディ首相が来年(2019年)、しっかりと心に留め置いておく必要がある重要なものの1つとなるのではないかと考えています。

来年の総選挙に向けて、モディ首相は与党インド人民党の勝利に向けた選挙キャンペーンを繰り広げることが予想されています。モディ首相率いる現政権は、与党インド人民党が議会の単独過半数を占める中で、高額紙幣廃止、物品・サービス税(GST)の導入など様々な実績があります。
異なる地域や階層に属する人々が、これらを経験する中での「ピーク時」において、どう感じていたかは異なるかもしれせん。そして「最終局面」は、経常赤字やルピー安、多額の負債を抱えた大手ノンバンク企業のデフォルトといった、我々が想像していたよりも少し厳しいものになりつつあります。

公平のために言うと、こうした「最終局面」はモディ政権自身が作り出したものではありません。
これまでインドの成長を安いエネルギー価格が支えてきた部分も大きく、足元のエネルギー価格の上昇はインド経済にとって痛手となっています。

しかし、インドの有権者が投票箱に向かうとき、「最終局面」に感じていたことが合理的な考えに勝る可能性もあるのです。

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有権者によりよい「最終局面」を経験してもらうためか、モディ政権は先ごろ、ガソリンとディーゼル燃料の小売価格を最大5ルピー(7.5円)引き下げると発表しました。中央政府が課す税金を即日引き下げ、国営企業が中心の石油会社には値下げを要請するかたちがとられます。
燃料価格の自由化が先送りされたかどうかについては、現時点で判断することは時期尚早かもしれませんが、不幸な前例となってしまったことは明らかです。石油会社の株価は大きく下落しました。

市場を動揺させた大きな出来事となったのは、前述にもある大手ノンバンク企業、IL&FS(インフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシャル・サービシズ、非上場)のデフォルトです。
同社はインフラ関連プロジェクトなどに対して融資を行っていたトリプルAの格付けを有するノンバンク企業でしたが、このデフォルトによって広く行われているノンバンク金融企業による借入れに対する懸念が高まりました。近年、ノンバンク金融企業による融資は拡大の一途を辿っていて、淘汰の懸念も高まっています。

一方、こうした事態を受けても、質の高い融資を行っている企業については、現時点では痛手を負っておらず、むしろ、ニーズが高まっている模様です。 ただし、急速に拡大してきた質がそれほど高くはない融資活動の影響を完全に無視するのは、当面難しいかもしれません。

注目分野: マイクロファイナンス、R&Dアウトソーシング

先ごろのインドへの取材旅行において、旅で興味深かった経験の1つには、クレジット・アクセス・グラミンが運営するマイクロファイナンスの状況をみることができたことです(※2018年10月15日発行 ピクテ・ファンド・ウォッチ iTrustインド株式「インド探検記  ~ピクテのインド株式運用チームの見方から~」参照)。

マイクロファイナンスは、インドにおいて今後も大きく拡大が期待できる分野の1つであるとみています。こうした仕組みを通せば、企業家がしっかりとした組織をもたない質の低い貸し手から資金を借りることなく、成長を遂げることも可能であると考えます。

マイクロファイナンスは、主に低所得者層の人々へ無担保で資金を貸し出すものです。この仕組みをうまく働かせるためには、融資を受ける共同体にきちんとした返済の習慣を身に付けさせることが重要となります。
このために、村の全ての借り手が週に一度集まる会を開催しています。こうした会は会社側が主催しており、大変忍耐が必要なものではありますが、借り手側の反応をみると、極めてポジティブなものとなっています。

また、エンジニアリングと研究開発(R&D)のアウトソーシングを請け負う企業にも注目しています。世界の航空宇宙・防衛、エネルギー、輸送などの各業界を対象に、電気技術、データコンサルティング、データ管理サービスを提供している企業です。

ソフトウェアの分野については、インドはアウトソーシングで強みをもち、よく知られています。また、多くの企業がIT分野のアウトソーシングを活用しているのも事実です。

一方で、エンジニアリングやR&Dのアウトソーシングについては、あまり知られていない分野であると考えます。R&Dのアウトソーシングは、まだそれほど広く普及しているものではありません。というのも、多くの企業は歴史的にR&Dをアウトソースすることに抵抗感を持っているからです。

しかし、こうした企業側の姿勢に、変化が見られ始めています。R&D予算をより効率的に使おうという動きです。
インドは①多くのエンジニアが英語でのコミュニケーションが可能であり、グローバルにみてより安価なコストで彼らを活用できること、②納期や知的財産への配慮といった点で顧客満足度が高い、といった強みを持っています。

足元のパフォーマンスと 今後の見通し

ここ最近の世界的な金融市場の混乱を受けて、インド株式市場も影響を受け、当ファンドのパフォーマンスもマイナスの影響を受けています。
特に、我々は構造的に成長が期待できるとみる民間銀行や保険企業などを中心に金融セクターをインド株式の代表的な指数に比べてオーバーウェイトとしています。
前述のノンバンク企業のデフォルトなどのニュースは金融セクター全体にマイナスの影響となり、我々が注目している質の高い金融セクターの銘柄も影響を受けました。

また、原油価格の上昇も、注目している格安航空会社などの業績にマイナスの影響を及ぼしました。

しかし、こうした問題は一過性のものであると考えています。中長期的にみると、インドには構造的に成長が見込まれる銘柄が多く存在しているとみられます。市場が下落した場合には、こうした銘柄にとって中長期的な投資機会になるものと考えています。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。 

当ページで言及した企業名は、特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、その価格動向を示唆するものでもありません。 

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