ファンド・マネジャーからのメッセージ~振り返りと今後の見通し~ | ピクテ投信投資顧問株式会社

ファンド・マネジャーからのメッセージ~振り返りと今後の見通し~ インド アジア 新興国

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ポイント

2018年のインド株式市場は特に後半、大手ノンバンク企業の債務不履行など、“過熱”を示した分野において懸念が噴出しました。今後についてもインド国内外で様々な注目すべき政治・経済動向があり、不透明感が残るため、十分に注視していく必要があると考えます。しかし、質の高い優良銘柄へ厳選投資を行うことで中長期的には高い成長の恩恵を享受できるとの考えには変わりありません。

2018年のインド株式市場の振り返り ~“過熱”が示唆した危機~

「賢明な投資家とは、楽観主義者に売り、悲観主義者から買う現実主義者である」
-ベンジャミン・グレアムー

インドの2018年4月からはじまる会計年度の前半は、個人消費の拡大がハイペースで進みました。これに加えて、原油価格の上昇によって経常赤字が拡大し、その赤字分の資金調達が課題となるなど、インド経済は厄介な状況にあったともいえます。

一方、インドの個人消費が成長の原動力となるような銘柄(例えば、消費関連銘柄)に対して、成長への期待は高まり、これらの銘柄の株式バリュエーション(投資価値評価)は引き続き高水準となりました。

こうしたやや“過熱”とも思われる状況が、大手ノンバンクのインフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシャル・サービシズ(IL&FS)の債務不履行を受けた信用不安懸念の高まりの背景の1つでもあると考えられます。インドでは、地方や都市部のローン市場において数多くのノンバンク企業が存在しており、銀行に比べて規制が厳しくないこともあり、過剰なリスクテイクを行う企業も多いのではないかとの懸念が高まっていました。

そうした中でも特に大手で格付けも高位であったIL&FSが2018年8~9月に相次いで債務不履行を起こしたことで、信用不安が広がるとの懸念が高まりました。これを受けて、インド当局は、民間企業に対して異例ともいえる介入を行い、経営陣を全て入れ替えると発表しました。これにより、流動性は引き締まり、個人消費も減速しました。企業業績へもすぐさま影響しましたが、それより先に株式市場が影響を受けました。

IL&FSの問題が明るみに出るまで、多くの投資家がこうした問題の存在に気づいていませんでした。
しかし、我々は、バリュエーション(投資価値評価)水準が非常に高く“過熱”を示す銘柄が存在していることは認識しており、そうした銘柄へは投資を行わない、または投資比率を極力抑えるといった方針をとってきました。

今後の動向 ~外的・内的な不透明感が残る~

今後については、多くの注目すべき様々な動向があると考えます。まず、インド以外に目を向けてみましょう。

米国経済は足元でやや成長ペースの減速がみられています。米国株式市場は2018年12月に大きく調整しました。この背景には、今後、米国の金利が上昇した場合、企業業績やマクロ経済の成長を阻害するとの懸念や、減税効果の一巡感なども背景にあったのではないかと考えます。未曾有の一部政府機関の閉鎖という事態も、投資家心理を冷え込ませたとみられます。

中国もまた、自らが抱える問題に取り組んでいます。経済成長率は依然として高水準であるものの、成長ペースは減速しています。そこで中国当局は預金準備率の引き下げや減税などの景気浮揚策を打ち出しています。

欧州もまた、こうした世界的な動きに無傷ではいられません。経済成長の減速の兆しに加えて、フランス、ドイツなど各国で政治的にも困難な状況に直面しています。

インド国内に目を転じると、足元の原油価格の下落は、インド経済にとって、ほっと一息つける状況をもたらしていると考えられます。インフレ率は依然として低い水準に留まり、懸念されている経常赤字についても、よりコントロール可能な水準に縮小することでしょう。こうした状況により、中央銀行による利下げの可能性もありうると考えられます。
ただし、国内経済に目を向けてみると、内需の拡大ペースは緩やかとなっており、また、世界経済の減速懸念から外需にも減速懸念があります

物品・サービス税(GST)による税徴収は、政府が今年度予算で目標としている額を下回っており、財政赤字問題の重石となりかねません。また、総選挙を目前に控え、選挙戦の行方を左右する存在である農村部の有権者から、農家の債務免除の要求がさらに高まれば、これも財政負担となります。

2019年5月の総選挙の結果を予想するのは困難ですが、我々のメイン・シナリオとしては、単独過半数を獲得できない可能性もありつつも、モディ首相率いる政権が与党の座を守るものとみています。

足元の運用動向 ~株価が調整した優良金融銘柄の組入比率を引き上げ~

2018年10-12月の期間において、これまで数年間、旺盛なトラクター需要の恩恵を受けてきた自動車企業について、今後、当面は需要サイクルが低迷する可能性があると判断し、全て売却しました。また、自動車販売の減速懸念などがあるとみられることから、タイヤ製造企業についても全て売却しました。

一方、IL&FS問題を受けて、特に金融セクターを中心に株価が下落した局面では、優良な金融銘柄の買い増しを行い金融セクターの組入比率を引き上げました。 また、選挙対策で農村地域の需要拡大策などが実施された場合に恩恵を受けるとみられる生活必需品関連企業についても買い増しを行い、生活必需品セクターの組入比率を小幅ながら引き上げました。

その他では、質の高い医療診断機関が著しく不足しているインド市場において、各種検査や診断などのサービスを提供する臨床研究機関についても、今後長期的にみて構造的な成長が期待できることから買い増しを行いました。

情報技術セクターの中では、大手企業よりも高い成長が期待できる中型のITサービス企業やバリュエーション(投資価値評価)面で魅力が増した企業について買い増しを行いました。

 

 

選挙前後の時期は、株式市場は大きく変動する傾向があります。

確かに、選挙は経済をはじめ各方面に大きな影響を与えかねない重大なイベントであると考えますが、選挙結果を受けて、株式市場が大きく変動したとしても、企業の本質的な価値が大きく変化するわけではないと考えます。

真に質の高い企業は、選挙の結果等に係わらず、長い年月をかけて築き上げられるものと考えます。このため、今後、選挙前後に株式市場が大きく変動した場合には、 質の高い優良銘柄への投資のチャンスと捉え、よりよいポートフォリオ構築に役立てていく方針です。

足中長期的には、個別企業のファンダメンタルズに注目した厳選投資で好リターンを

2019年1月末時点の当ファンドのポートフォリオの状況をみると、より確信度の高い銘柄に絞込み、27銘柄に投資を行っています。
2018年のインド株式市場においては中小型株式のパフォーマンスは大型株式に対して劣後する状況となる中、中小型銘柄への投資比率が相対的に高い当ファンドはマイナスの影響を受ける厳しい環境にありました。

しかし、中長期的にみれば、当ファンドのように個別企業のファンダメンタルズをしっかりと調査し、質の高い企業を厳選して投資を行う手法は、市場平均を上回るリターンの源泉になると考えており、今後も、こうした投資手法に徹していく方針です。

実際に、当ファンドと同様の運用戦略をとるピクテのインド株式運用戦略のパフォーマンスをみると、過去10年間と長期でみると市場平均を上回るリターンを実現しました(図表3参照)。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。 

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