ファンドマネジャーからのメッセージ~2019年12月~ | ピクテ投信投資顧問株式会社

ファンドマネジャーからのメッセージ~2019年12月~ インド アジア 新興国

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ポイント

2016年11月の高額紙幣廃止後、大量の資金が銀行システムに流入した結果、質の低い融資が横行し、今では債務 に苦しむ企業や市場から退場させられた企業も散見されますが慎重に本業に集中していた企業は生き残り、成長を遂 げています。インド経済は短期的に成長ペースの減速もみられますが、財政拡大・金融緩和などの景気下 支え策に加えて、今後を見据えた構造改革の進展などが奏功すると期待されます。

潮が引き、誰が裸で泳いでいたかが 明らかに

「潮が引いたとき、初めて誰が裸で泳いでいたかがわかる」
ーウォーレン・バフェット

今のインド株式市場ほど、このバフェット氏の投資格言が 当てはまる状況はないでしょう。

2016年11月の高額紙幣廃止の後、数ヵ月の間の各企業 の行動が、現在の状況(例えば、繁栄を続けているか、打 撃を受けているか、あるいは市場から退場を余儀なくされ ているか)を決定づけたといえるでしょう。

高額紙幣廃止の後、突如、これまで見られなかったような 大規模な資金(タンス預金など)が銀行システムに流入し ました。

こうした流れの中で、より好条件で大量の借入れを行える こと(これが長期で続くとの前提で)の誘惑に負けた企業も みられました。一方で、冷静さを保ち、こうした状況でも調 子に乗らなかった賢明な企業もありました。

こうした状況は多くのセクターにわたって散見されました。
例えば、潤沢な流動性をあてにいくつかの資金の貸し手と なる金融企業においては貸付先の質がやや低くとも目を つぶり、先行き問題となりそうな甘い融資も行っていました。
こうした甘い融資によって、売却できない物件を長らく抱え る不動産デベロッパーでも、生きながらえることを可能にし ました。
また、消費者の中にも借入れを増やしすぎた人も いました。

2018年後半に流動性が低下したことで、こうした企業や 消費者ははしごを外されたかたちとなりました。

一方で、慎重に本業に集中していた企業は生き残れただ けでなく、市場シェアを拡大するなどプラスの恩恵を受け ています。

慎重に本業に集中していた優良企業の例 HDFC銀行

この銀行 はまるで十分にオイルが差されて調子よく稼動する巨大な 機械のように機能的であり、同時に前進もしているのです。

農村部では、依然として国営銀行が支配的な地位にあり ますが、HDFC銀行などは農村部でのサービス網を拡張し さえすれば、市場シェアの拡大余地は十分にあると考えら れます。
この銀行では、ローンに関するイベント開催や地 元の企業家や農業経営者などとのタイアップなど様々な手 法によって農村部での存在感を増す努力を行っていまし た。

一方、都市部においてはデジタル技術を用いたサービス の提供などを進めています。

同行の事業規模は全体で過去数年間で2~3倍と急拡 大していますが、支店規模の拡張やスタッフの増員はほ とんどありません。より多くの顧客がデジタル・プラット フォームを通じて同行のサービスを利用しているのです。 このため、コスト効率は改善しています。

短期的には経済成長減速も、 今後の成長の礎を築くための改革に邁進

「また、多くのセクターで規制の変更によって、短期的な需要 減少等のインパクトが生じました。

例えば、自動車業界において、「ユーロ6基準」(自動車によ る大気汚染物質の排出規制値を定めたEU規定)が2020 年1月から適用されることとなっているため、現行の「ユーロ 4基準」の自動車の購入を控える動きや少なくとも期末セー ルまで待とうという動きがみられています。このため、インドの 自動車販売は急減しました。

 

政府や中央銀行は景気下支えを余儀なくされており、これ にはやや時間がかかると考えられます。
これまでのところ中央銀行は積極的に利下げを行ってきて います。この一方で、財務省は経済改革についてのアナウ ンスメントをほぼ毎週のように行っています。経済成長の減 速は、税収に打撃を与え、財政のさらなる逼迫につながる 恐れがあります。 先ごろ発表された法人税減税については、特にポジティブ な評価ができると考えています。単に税率が引き下げられ たというだけにとどまらず、より重要なのは、米中貿易摩擦に 市場の注目が集まる中で、新たにインドに作られた製造拠 点に対する税率についてはさらに優遇され、アジア地域内 でも最も低税率となりました。 法人税減税は、短期的には財政面での負担になる可能性 もあるものの、中長期的には、製造業の強化といった意味で もインド経済全体にとってプラスの効果をもたらすものと期待 されます。

また、グローバルな製造企業を呼び込み、国内の製造業を 強化するために、インド政府は、土地や労働に関する法律 の改正にも取り組む必要があると考えられます。 過去数年間にわたって、世界のビジネスのしやすさランキン グなどによると、インドの状況は改善傾向が見られてはいる ものの、さらなる改善余地は残されています。

インド政府は構造改革に今後も取り組み、今後数十年間に わたって高い成長を継続できるような礎を築いていこうとし ていることは間違いありません。モディ首相の2025年に5兆 ドルの経済規模を達成するというビジョンについては、足元 で経済成長率がやや減速しているとしても、なんとしても達 成したいと考えている模様です。

短期的に世界経済減速の影響を受けるも、 有望な国であることに変わりはない

世界経済の状況は、米中通商協議の行方やここ最近の 中東における地政学的なリスクなどもあり、依然として先行 き不透明感が残っています。
世界経済の減速は、財・ サービスの輸出や海外からの投資資金の動向などを通し て、間違いなくインドにもマイナスの影響を及ぼすでしょう。
輸出と海外からの投資資金は、インドにとって現在の経常 赤字をまかなうためにどうしても必要なものです。

しかし、インドは世界でも大変ユニークで有望な国であると の我々の見方に変わりません。なぜなら、政治的には安 定し、構造改革は進んでいます。また、足元では景気を下 支えするために財政拡大・金融緩和政策を進めていると ころです。
さらに、若く能力の高い労働力が豊富に存在し ていることもあり、米中貿易戦争が深刻化する中で、輸出 を拡大するチャンスがあります。

また、原油価格は足元では落ち着いた水準にあると考えら れます。原油純輸入国であるインドにとって、このことは朗 報です。短期的な景気減速という足かせを打開するため の追い風となると期待されます。

 

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