2019年10月の基準価額動向と運用方針 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2019年10月の基準価額動向と運用方針

※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

世界の債券や金などの市場の下落が影響し、2019年10月のノアリザーブ1年の基準価額はほぼ横ばいとなりました。米中貿易協議の進展期待や英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の懸念が後退したことなどを受けて株式が基準価額に対してプラス寄与となった一方、リスク回避の動きの後退を受けて債券はマイナスに寄与しました。資産配分では、株式の組入れを引き上げました。

2019年10月、基準価額はほぼ横ばい

2019年10月31日のノアリザーブ1年の基準価額は、前月末比で6円上昇し、11,187円となりました。同期間の主な変動要因は、株式が+70円、債券が-75円、金が
+6円、為替が+17円となりました。(図表①参照)基準価額の騰落率は前月末比+0.1%の上昇となっています。

なお、円資産の比率は、一部資産の為替ヘッジ比率を引き下げたことから前月末より低下し79.0%となりました。

 

運用方針:株式の組み入れを引き上げ、債券、金は大きな変化なし

各資産の組入比率については、景気に下げ止まりの兆しが見られることや、米中貿易協議の進展期待が高まっていることなどを背景に投資家心理に改善がみられることから、キャッシュ・短期金融商品等の比率を引き下げ株式の組入れ比率を引き上げました。

株式は、コア・エクイティ・ファンドを通じて先進国株式の組入れを引き上げました。コア・エクイティ・ファンドは世界メジャー・プレイヤー企業株式、ディフェンシブ企業株式、テーマ戦略厳選企業株式などに投資をしています。

債券や金の組み入れについては、大きな変更はありませんでした。

ファンドのリスク(価格変動)は低位で推移

ノアリザーブ1年の設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移し、概ね世界国債を下回る平均4%程度となっています。(図表②参照)

分散投資を徹底したアセットアロケーション運用を行うことによって、リスクを相対的に低く抑えています。

 

ノアリザーブ1年と主要資産の騰落率

2019年10月は、世界の株式市場が全般的に堅調な動きとなった一方、日本国債は下落しました。

このような状況下、ノアリザーブ1年はほぼ横ばいとなりました。(図表③参照)

米中貿易摩擦の先行きに対する期待などを背景にリスク回避の動きが後退する中、組入ファンドのうちコア・エクイティ・ファンドなどが株式市場の上昇を受けてパフォーマンスにプラスに寄与した一方、円インカム・セレクト・ファンドⅡなど先進国国債の下落がマイナスとなりました。

 

今後の運用方針~ややリスクを引き上げる方針

今後の運用方針については、ポートフォリオのリスクをやや引き上げる方針です。

世界経済は引き続き製造業が軟調な一方で、好調な労働市場を背景に個人消費は堅調が続いており、景気に下げ止まりの兆しもみられます。また、米中貿易協議の進展期待が高まっている他、英国のEU離脱期限が延期されたことなどを背景に、地政学リスクに対する警戒感も後退しているように思われます。加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの効果や欧州の財政政策の発動期待なども相まって、年末にかけて悲観的な見通しに修正が入りやすい局面となることも想定されます。

このため、当ファンドでは出遅れ感がある新興国株式や欧州株式を中心に、株式の比率をやや引き上げると同時に、マイナス金利が拡大している欧州国債の比率をやや削減する方針です。

 

引き続き当面の変動については注意が必要

ノアリザーブ1年は、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。

現在、2019年の世界の経済成長率がさらに低下するのではといった悲観論を先取りする動きも見られ、株式や為替市場は変動率の大きい展開になっています。

また、米中貿易摩擦等の展開次第では、市場の動きが更に大きくなる可能性もあり、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:新興国株式とバリュー株式の見通し改善

【新興国株式市場の見通しは、再び好転】

新興国株式市場の見通しは、再び好転しています。中国経済の足元の安定化を示唆する各種の指標、米中貿易戦争の休戦期待、米国の追加緩和の可能性等が新興国の経済成長を下支えするものと思われます。ピクテでは、新興国の2019年の経済成長率が先進国の成長率を大きく上回る4%に達すると予測しています。また、新興国企業の2020年の利益成長率を14%と見ており、ドル安の進行次第では、これを更に上回る可能性もあると考えます。(図表1参照)

【先進国株式は市場のコンセンサス予想が極めて楽観的な点に要注意】

一方、大方の先進国株式については、期待が持てません。市場のコンセンサス予想が、米国、欧州、スイス、日本の2020年の企業利益成長率を8~9%程度と極めて楽観視していることが特に懸念されます(図表2参照)。米国株式はアンダーウェイトを維持します。米国市場は世界で最も割高な市場であることに加え、2020年の企業利益成長率はよくても前年比横ばいと見ているからです。一方、英国株式については、12月12日の解散総選挙の結果と英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る交渉の行方を見守りたいと考え、ニュートラルに引き下げました。ユーロ圏株式については、各種の景気刺激策が経済成長を支えることが予想されるため、オーバーウェイトを維持します。

【ディフェンシブ銘柄を選好】

貿易戦争の影響を巡る懸念や不透明感が高まるなか、投資家は再びディフェンシブ銘柄を選好しています。
歴史が示している通り、景気循環の影響を最も大きく被るセクターで事業を展開する企業にとって、世界経済が低成長を続ける局面で利益を伸ばすことは容易ではありません。一方、このような局面で市場をアウトパフォームする傾向が強いのは、企業ファンダメンタルズ(基礎的条件)に比べて株価が低位で推移する割安株(バリュー株)やディフェンフシブ(業績が景気に左右されにくい)株式であることも歴史の証明するところです。

 MSCI ACWI指数における世界景気敏感セクター(情報技術、資本財・サービス、素材、一般消費財・サービス)のディフェンシブセクター(ヘルスケア、生活必需品、公益、通信)に対する相対パフォーマンスは、米国10年国債利回りと連動性が高く、米国10年国債利回りが低下する局面ではディフェンシブセクターがアウトパフォームする傾向が見られました。しかし、直近では乖離がみられることから、今後の動向に注目です。(図表3参照)

 

債券:新興国市場の雲に隠れる希望の光

グローバル債券は魅力に欠ける投資対象】

グローバル債券の先行きは、引き続き、良好とはいえません。バリュエーション(投資価値評価)面での割高感が際立ち、インフレ率の上昇がリターンを目減りさせ、実質利回りは過去最低水準にあります。とはいえ、「どんな雲の裏側にも銀色の光が隠れている」との諺通り困難な状況の裏には先行きを期待させる要因が潜んでいるものです。債券市場の「銀色の光」は新興国債券だと考えます。(図表4、5参照)

【新興国通貨と債券に投資妙味】

現地通貨建て新興国債券利回りは10月中に過去最低記録を更新したものの、新興国債券セクターは主要債券市場の中で最も投資妙味が強いことに変わりはありません。第一に、5%台の利回りは他セクターを遥かに上回っています。更に、新興国通貨も極めて魅力的に思われます。インフレ率を差し引いた実質利回りでみても魅力的な水準です。(図表5参照)ピクテのモデルは、新興国通貨が米ドルに対して20~25%割安な水準に留まることを示唆していますが、適正水準からのかい離幅は2020年中にも一部縮小し、新興国債券のリターンを押し上げることが予想されます。新興国通貨と債券の先行きは、経済面からも改善が期待されます。ピクテのエコノミスト・チームがモニターしている新興22ヵ国のうち、2020年の経済成長率が2019年を下回ると予想されるのは4ヵ国に過ぎません。

中国については、工業生産、建築業商務活動指数、粗鋼生産量、政府の固定資産投資等の9月の経済指標の改善と米国との貿易交渉に臨む姿勢の軟化を勘案し、前月よりも積極的な見方を強めました。経済成長を予想する上での重要な評価項目であり、景況感を測る際の信頼できる指標とされてきた10年債利回りが上昇基調を辿っていることからも先行きが期待されます。

以上から、現地通貨建て新興国債券をオーバーウェイトに引き上げ、新興国社債の選好を維持します。

 

【先進国社債は割高感と信用格付け悪化懸念からアンダーウェイト】

先進国社債を概ねアンダーウェイトとしているのは、バリュエーション面での割高感に加え、社債の発行体である企業の信用格付けが過去の水準より悪化していることが懸念されるためです。CCC格企業のB格企業に対する比率は、ハイイールド債市場が急落した2016年のエネルギー危機時を上回っています。

【米国国債はニュートラルを維持】

米国国債についてはニュートラルを維持しており、金融政策の今後の道のりを適正に反映していると考えます。ピクテでは、年内の追加利下げは無いと見ていますが、2020年については予測が困難です。経済成長が予想を下回るならば、足元の予測を超えて金融緩和が維持されるリスクも否めません。今後の利回り上昇局面では、ポートフォリオのデュレーションを延伸する機会が提供されるかもしれません。

 

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

 

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