2019年11月の基準価額動向と運用方針 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2019年11月の基準価額動向と運用方針

※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

2019年11月のノアリザーブ1年の基準価額は上昇しました。米中貿易協議の進展期待や英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の懸念が後退したことなどを受けて株式が基準価額に対してプラス寄与となりました。資産配分では、株式の組入れを引き上げました。

2019年11月の基準価額は上昇

2019年11月29日のノアリザーブ1年の基準価額は、前月末比で+50円の11,237円となりました。同期間の主な変動要因は、株式が+75円、債券が+5円、金が-12円、為替が-6円となりました。(図表①参照)一方、基準価額は前月末比+0.45%の上昇となっています。

なお、円資産の比率は、一部資産の為替ヘッジ比率を引き下げたことから前月末より低下し78.2%となりました。

 

運用方針:株式の組み入れを引き上げ、債券を引き下げ、金は大きな変化なし

各資産の組入比率については、世界経済の先行きに改善の兆しが見られる中、投資家のリスク選好も強まっていることなどから、株式の組入れを引き上げ、債券やキャッシュなどの安全資産の組入れを引き下げました。株式は、欧州株式と新興国株式の組入れを引き上げました。両株式については相対的に高い利益成長が期待できることや、依然として出遅れ間が目立っています。

一方、債券では利回り水準が割高な欧州国債を組み入れているユーロ建て公共債券の組み入れ比率を引き下げました。

金の組み入れについては、大きな変更はありませんでした。

ファンドのリスク(価格変動)は低位で推移

ノアリザーブ1年の設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移し、概ね世界国債を下回る平均4%程度となっています。(図表②参照)

分散投資を徹底したアセットアロケーション運用を行うことによって、リスクを相対的に低く抑えています。

  

ノアリザーブ1年と主要資産の騰落率

2019年11月は、世界の株式市場が全般的に堅調な動きとなりました。

このような状況下、ノアリザーブ1年は上昇しました。(図表③参照)

米中貿易摩擦の先行きに対する期待などを背景にリスク回避の動きが後退する中、組入ファンドのうちコア・エクイティ・ファンドなどが株式市場の上昇を受けてパフォーマンスにプラスに寄与しました。

 

今後の運用方針~ややリスクを引き上げる方針

今後の運用方針については、11月に続いてポートフォリオのリスクをやや引き上げる方針です。

世界経済は引き続き製造業を中心に弱い動きが見られるものの、住宅や自動車販売などの低金利の恩恵を受ける業種は底堅く推移しており、金融市場では持ち直しの動きが続いています。また、米中貿易協議の進展期待が高まっていることもあり、年末にかけて悲観的な見通しに修正が入り易い局面が続くと見られます。

こうした中、引き続き出遅れ感のある新興国株式や欧州株式などを中心に株式の比率を引き上げる方針です。

一方、債券については、米国国債の短期的な割高感が後退していることから、現状程度の組み入れを維持する方針です。

 

引き続き当面の変動については注意が必要

ノアリザーブ1年は、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、 「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。

現在、2019年の世界の経済成長率がさらに低下するのではといった悲観論を先取りする動きも見られ、株式や為替市場は変動率の大きい展開になっています。

また、米中貿易摩擦等の展開次第では、市場の動きが更に大きくなる可能性もあり、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:世界的な景気の先行き懸念は後退

年初は割安な水準に留まっていたグローバル株式は、適正水準で2019年末を迎えることとなりそうです。MSCI全世界株価指数の株価収益率(PER)は年初の13倍から15.6倍に上昇しています。世界経済の減速には歯止めがかかったように思われますが、ピクテの景気先行指数は、景気の底入れは数ヵ月先になることを示唆しています。(図表1参照)

一方、ピクテのバリュエーション指標は、グローバル株式が割高でも割安でもないことを示唆しています。ただし、市場予想の一株あたり利益(EPS)成長率は極端に高いと考えています。ピクテのグローバル景気先行指数(G3PPI調整後、6ヵ月先行)はコンセンサス予想EPS成長率の更なる下方修正を示唆しており、PPIが今後上昇することを考慮してもコンセンサス予想は楽観的過ぎる可能性があります(図表2参照)。ファンダメンタルズの観点からみた企業業績の下方修正要因は収益性の低下であり、特に米国や日本では収益性の低下が顕著となっています。収益性の低下は賃金伸び率の上昇などが影響しています。

とはいえ、特定の地域市場や業種セクターには投資の好機が見出せるはずです。ピクテでは、企業利益の伸びの加速が期待され、相対的に割安な新興国市場を選好しています。

このような状況下、グローバル株式は景況の安定局面の到来に備えて、地域市場や業種セクターの組入れを調整しました。

貿易戦争の影響を巡る懸念や不透明感が高まるなか、投資家は再びディフェンシブ銘柄を選好しています。MSCI ACWI指数における世界景気敏感セクター(情報技術、資本財・サービス、素材、一般消費財・サービス)のディフェンシブセクター(ヘルスケア、生活必需品、公益、通信)に対する相対パフォーマンスは、米国10年国債利回りと連動性が高く、米国10年国債利回りが低下する局面ではディフェンシブセクターがアウトパフォームする傾向が見られました。しかし、直近では乖離がみられることから、今後の動向に注目です。(図表3参照)

地域市場では、新興国市場には、足元数週間で過去最高水準の資金が流入しており、投資家が新興国株式市場に内在する投資の好機に気付き始めたことが示唆されます。 

債券:新興国市場の雲に隠れる希望の光

グローバル債券の先行きは、引き続き、良好とはいえません。バリュエーション(投資価値評価)面での割高感が際立ち、インフレ率の上昇がリターンを目減りさせ、実質利回りは過去最低水準にあります。(図表4参照)

現地通貨建て新興国債券の先行きは明るさを増しています。世界の製造業活動が安定化の兆しを見せ、米中貿易協議に進展が見られるためです。このような状況は、米ドルに対する新興国通貨の増価を促し、現地通貨建て新興国債券のリターンを押し上げるはずです。また、新興国の中央銀行は、世界経済の基盤が安定性を増したとしても、現状、リスクを一切取らない公算が高いと考えます。域内では金融緩和が維持されることとなり、新興国債券の5%を超える利回りは、引き続き、投資妙味が高いと考えます。(図表5参照)

一方、景況が改善しつつあるとしても、世界貿易を巡る状況が突然悪化する可能性は無視出来ません。そのためユーロ圏あるいは日本の国債等の安全資産と比べて、価格面での魅力がある米国国債に注目しています。10年国債利回りを比較すると、米国国債の1.78%に対し、ドイツ国債は-0.36%(2019年11月末現在)とマイナス圏に沈んでいるからです(図表6参照)。

また同様の理由で、金についても魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

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