2020年2月の基準価額動向と運用方針 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2020年2月の基準価額動向と運用方針

※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

2020年2月のノアリザーブ1年の基準価額は下落しました。新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大する中、株式の下落が基準価額に対してマイナス寄与となりました。資産配分では、債券の組入れを引き下げ、金の組入れ比率を引き上げました。

2020年2月の基準価額(分配金再投資後)は上昇

2020年2月28日のノアリザーブ1年の基準価額は、前月末比で-108円の11,344円となりました。同期間の主な変動要因は、株式-211円、債券が+76円、金が+40
円、為替が-1円となりました。基準価額は前月末比-0.94%の下落となっています(図表①参照)。

なお、円資産の比率は、優良先進国国債(為替ヘッジ)などの比率を引き下げたことなどから前月末より低下し63.8%となりました。

運用方針:割高感が意識される債券から金に資金をシフト

各資産の組入比率については、債券の組入れを引き下げ、金の組入れを引き上げました。

中国経済の影響を受けやすい欧州株式の組入れの一部を世界高配当公益株式にシフトすることで、ポートフォリオのディフェンシブ性を高めるなどしました。

債券部分では、欧州における先進国国債の割高感が意識されることなどから、ユーロ建て債券や優良先進国国債を一部売却し、大幅に欧州の国別構成比率を削減しました。また、投資家のリスク選好姿勢が後退していることなどを受けて、新興国米ドル建て国債や新興国現地通貨建て国債などを売却し、より金利感応度の低い短期新興国社債を新たに購入しました。

ファンドのリスク(価格変動)は低位で推移

ノアリザーブ1年の設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移し、足元では世界国債を下回る6.7%程度となっています。(図表②参照)

分散投資を徹底したアセットアロケーション運用を行うことによって、リスクを相対的に低く抑えています。

  

ノアリザーブと主要資産の騰落率

2020年2月は、円ベースで見ると世界の株式市場が大きく下落した一方、国債は概ね良好な推移となりました。

このような状況下、ノアリザーブ1年は下落しました。(図表③参照)

中国で発生した新型コロナウイルスへの懸念を背景に、リスク回避の動きから債券と金は上昇し、基準価額のプラス要因となった一方、株式はマイナス要因となりました。

  

今後の運用方針~ディフェンシブ性を意識

今後の運用方針については、現状のリスク水準を維持しながらも、ポートフォリオのディフェンシブ性を意識した運用を行っていきます。

世界経済は新型コロナウイルスの影響で下振れ圧力が増しており、先行き不透明感が高まっています。これを受けて足下の株式市場はパニック的な売りを伴って下落するなど、荒れた相場が継続しています。しかし、こうした中で闇雲な行動を取ることは避けるべきであると考え、ポートフォリオ全体としては、概ね現状のリスク水準を維持する方針です。株式部分では、欧州株式を削減し、ディフェンシブな銘柄やハイテク関連などの長期的成長力のある銘柄などを選別して資金を振り向ける方針です。債券部分では、組入れを削減してきましたが、デュレーションは十分な水準を維持していきます。金については、足下で大きく上昇したものの、各国中央銀行が協調利下げを行う公算が大きいことなどから、高位の組入れを維持します。

 

 

引き続き当面の変動については注意が必要

ノアリザーブ1年は、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、 「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。

世界経済や地政学リスク、新型コロナウイルスの感染拡大の動向などについて先行きに不透明感が見られる中、株式や為替市場の変動率が大きくなる可能性があります。市場の動きに配慮しつつ、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:防衛姿勢を強化

新型コロナウイルスは対象を選ばぬ無差別攻撃を行うかもしれず、誰が感染するかはわからないとしても、すべての市場や業種セクターが一律に影響を受ける公算は小さいと思われます。

地域市場には、供給網(サプライチェーン)の分断リスクが十分に織り込まれていないと考え、欧州株式の組入比率を引き下げました。

新型コロナウイルスの今後の展開や感染のスピードが見通せないことを勘案すると、投資には慎重な姿勢で臨むことが極めて重要だと考えます。ユーロ圏と日本は、中国とイランを除くと、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響が相対的に高いと考えます。経済が低迷している上に、先進国の中央銀行には、金融政策の発動余地が殆ど残されていないためです。(2020年3月2日時点の)先進国の主要政策金利は、FRBのFFレート誘導目標が1.50~1.75%(3月3日に緊急利下げで1.0~1.25%)であるのに対し、欧州中央銀行(ECB)の主要リファイナンス・オペ金利は0%、日本銀行の超過準備預金金利は-0.1%です。(図表1、2参照)

中国および中国以外の新興国についても保有を維持します。新興国の金融当局は、先進国に先んじて、新型コロナウイルス対策としての利下げを行っています。

中国政府は、米国政府や欧州各国政府よりも積極的な封じ込め策を講じているように思われますが、景気対策についても、金融・財政両政策の併用や銀行システムへの直接支援を通じて欧米以上に積極的な対策を講じており、景気浮揚に成功する公算が高いと考えます。こうした状況が、金融危機時の中国市場の強い抵抗力を説明しています。MSCI中国株価指数が年初来3月2日までで-2%の下落に留まる中、全世界株価指数は3倍以上の下げを記録しています。

【ヘルスケア・セクターが恩恵を受けると予想】
業種別では、資本財・サービス・セクターは脆弱さが際立つように思われます。マクロ経済リスクに晒されている上に、個別企業には、既に、サプライチェーン分断の影響が現れています。

これに対し、恩恵を受けることが予想されるのがヘルスケア・セクターです。最も差し迫った課題は、新型コロナウイルスの感染が世界各地に拡大する中、医薬品需要が高止まる公算が大きいということです。ヘルスケア企業の利益成長率は10年以上にわたって安定推移していますが、この間の株価収益率(予想利益ベース、PER)は、株式市場全体と比べた相対ベースで見ると過去の平均を下回ります。こうしたプラスの要因が、米大統領選に起因して発生しかねないリスクの影響を和らげる可能性も考えられます。

 

 

 

債券:割高な安全資産

【米国国債利回りは史上最低水準だが、依然政策発動の余地有り】
債券市場の指標とされる米国国債利回りは史上最低水準で推移し、30年国債利回りは史上初の2%割れを記録しています(図表3参照)。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)議長が自ら示唆した通り、新型コロナウイルスがパンデミックの様相を呈して世界中に広がる脅威は追加緩和の確率を大きく引き上げています(3月3日に米国は0.5%の利下げを実施)。先回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、「中国で発生した新型コロナウイルスの想定される波及効果が経済の先行きに新たなリスクをもたらしている」と警告しています。

米国の政策立案者には、政策発動の余地が残されています。1970年以降の金融緩和局面の分析に基づいて試算すると、生起確率は極めて低いと考えられるものの、景況が急速に悪化した場合、FRBには、利下げと3兆ドルを上限とする資産買入の余地が残されています。

【金の保有は道理に適う】
金価格は7年ぶりに高値を更新していますが、中国国外で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、需要の増加が見込まれます。英国王立造幣局は、金の延べ棒と金コインの需要の伸びが、ここ数日、500%に迫っていることを報告しています。また、2月の金市場へのネットの資金流入は30億ドルを上回ります。

【社債投資は特にリスクが高い】
一方、景況が悪化する局面での社債投資は特にリスクが高いと思われます。投資適格債および非投資適格債の国債とのスプレッドは、企業利益あるいは債務不履行(デフォルト)率が悪化するリスクを投資家が取ったとしても、リスクの対価をもたらしません。状況を更に悪化させているのが、社債市場の信用の質の悪化基調です。

米国ハイ・イールド債券をはじめ、先進国社債は、引き続きリスクが高まっています。2019年には2桁のリターンを記録したものの、今年は苦戦が予想され、国債との利回りスプレッドは、2018年の最も縮小した水準から拡大しています。今後、リスク回避の動きが高まった際には、米国をはじめ主要先進国の国債利回りは過去最低水準で推移しており、低下余地が少ないことから、利回りスプレッドが更に拡大した場合には、社債市場の利回り上昇(価格低下)リスクに留意が必要とみられます。

加えて、ハイ・イールド債券をはじめ企業のレバレッジは上昇基調で、金融セクターを除く社債の発行残高はGDP(国内総生産)比47%と過去最高水準に達しています。この点も今後、景気後退が長引いた場合には社債市場の中でも相対的に信用リスクの高いセクターのデフォルト(債務不履行)リスクが高まることが想定され、注視が必要と考えます。 (図表4参照)


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