投資戦略~急反発局面に備えつつも、防衛的投資スタンス維持 | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~急反発局面に備えつつも、防衛的投資スタンス維持

2019/07/19クアトロ
※投資リスク、手続・手数料等は、PDF版をご覧ください。

世界経済の下振れリスクが高まる中、FRBやECBからハト派的な発言が相次いだことで、金融市場は多くの資産が上昇に転じています。しかし景気の先行きに対する不透明感は依然として大きく、引続き防衛的な投資スタンスを取ることが肝要と考えます。債券部分では、中期的にみて米国債利回りに一段の低下余地があると思われ、現状の強気スタンスを継続します。

クアトロの2019年6月28日の基準価額は、前月末比で +224円(+2.08%)の10,989円となりました。 (図表I参照)2019年6月の基準価額変動要因の内訳は、株式+59円、債券+64円、オルタナティブ+39円、先物・オプション+66円などとなりました。

世界の株式市場は、米中通商問題に対する不透明感やイラン情勢の緊迫化が懸念材料となりました。しかし米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長や欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁からハト派的な発言が相次いだことを好感し、株価は堅調に推移しました。業種別では、素材や情報技術、一般消費財・サービスなどが大きく上昇した一方、コミュニケーション・サービスや生活必需品、金融などは市場平均を下回る上昇にとどまりました。

米国債券市場は、雇用統計や製造業景況感などの弱い経済指標に加え、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を受けて早期利下げ観測が強まったことから、債券相場は上昇(利回りは低下)しました。欧州債券市場は、ユーロ圏の5月のコアインフレ率が市場予想を下回ったこと、ECBが政策金利据え置き期間の延長方針を示したことで、債券相場は上昇(利回りは低下)しました。

ドル・円為替市場は、米国の非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったこと、イラン情勢が緊迫化したことなどから円高・ドル安が進行しました。また、6月のFOMCでさらなる金融緩和姿勢が示唆されたことも、ドル安材料となりました。

ユーロ・円為替市場は、ドイツの製造業購買担当者景気指数(PMI)や製造業受注が市場予想を上回ったことや、米国の金融緩和観測を受けてユーロ高が進行し、月間を通じてみれば円安・ユーロ高が進行しました。

運用状況と今後の運用方針

月の投資行動としては、先物を中心にディフェンシブ性の高い株式や債券の投資比率を引上げ、急激な相場の上昇局面への対応を行いました。債券部分では米中通商協議の先行きに対する警戒感から、人民元建て債券を売却して米ドル建て新興国国債への入替え取引を行いました。オルタナティブ部分では、市場中立型欧州株式ロング・ショート戦略やゴールドの組入れ比率を高めました。

当月の基準価額は前月末比+224円の上昇となりました。株式部分では、世界優良株式やセクターニュートラルクオリティ世界株式(ETF)などがプラス寄与となりました。オルタナティブでは金が大幅なプラス寄与となった他、グローバル株式ロング・ショート戦略や市場中立型日本株式ロング・ショート戦略などが、小幅ながらもプラス寄与を積上げました。 債券ではユーロ建て債券や世界債券・通貨絶対収益戦略など、幅広い戦略がプラスに寄与しました。

利下げ期待というプラス材料はあるものの、マクロ経済指標の悪化や業績下方修正リスクなどのマイナス要因もあり、慎重な投資スタンスを維持する方針です。株式部分ではヘルス関連や生活必需品、グローバル公益事業、セキュリティなどのディフェンシブセクターを引続き選好します。ただし欧州ではECBが利下げスタンスに舵を切る可能性を考慮して、欧州の銀行株のコールオプションを買い増すなどして、想定以上の株価の上昇への対応を行う予定です。債券相場には、現状の強気スタンスを継続します

株式:夏場が期待される欧州市場

世界貿易が縮小し、企業利益の先行きが危ぶまれる状況では、株式投資に慎重な姿勢を維持することが賢明だと考えます。 ピクテのモデルは、今後1年間の企業の利益成長率が、市場のコンセンサス予想であるおよそ7%に対し、前年比横這いに留まる、或いはマイナスに落ち込む可能性があることを示唆しています(図表1参照)。

米国株式は特にぜい弱です。ピクテのモデル上で最も割高な株式市場であるというだけでなく、米国経済が6ヵ月連続で減速し、主要先進国および新興国の経済成長をいずれも下回ることが、ピクテの景気先行指数によって示唆されているからです。過去のデータは、米国の経済成長率が名目ベースで3%を下回る局面で企業利益が減少する傾向が認められることを示しています。

米国株式市場は、FRBの利下げがあったとしても、追加的な恩恵を享受する公算は小さいと思われます。これは、2019年下半期の大幅利下げが既に織り込まれているからです。 更に、S&P500種株価指数等の主要株価指数はテクノロジー等、規制の強化や貿易戦争に左右されやすい業種の構成比率が高いことにも留意が必要です。 これに対し、ユーロ圏株式の先行きは明るさを増しています。域内の景気先行指数は、マイナス圏に留まるとはいえ、3ヵ月連続で改善し、米国を上回っています。また、ユーロ圏経済の原動力である消費は底堅さを維持しており、銀行融資も改善基調です。株価純資産倍率(PBR)、株価収益率(PER)ならびに株価売上高倍率(PSR)を勘案したピクテのモデルで測定すると、欧州株式は米国株式よりも割安です(13頁図表8-3参照)。

一方、英国株式は、引き続き魅力的です。4.8%と高水準の配当利回りに加え、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る懸念に起因する英ポンド安が、多くの多国籍企業の利益を押し上げています。

新興国株式も魅力的です。ピクテの景気先行指数は、新興国経済が先進国経済を上回って成長し、2020年の企業利益成長率が14%程度と先進国を上回ることを示唆しています。セクター別では、エネルギーや素材等、米ドルの減価の影響が予想されるセクターを、引き続きニュートラルとします。また、金融や不動産等、景気変動の影響を受けやすいセクターも同様です。

シクリカル・セクターとディフェンシブ・セクターの相対パフォーマンスは、シクリカル・セクターがディフェンシブ・セクターをアウトパフォームしています。しかし、世界的に国債利回りが低下する中での出来事であり、逆行する動きが見られます。おそらく、株式市場の見通しと債券市場の見通しの中間くらいが実体を表していると考えられます。(図表2参照)

債券:ハト派が優勢

債券先物に織り込まれた、投資家の1年先までの米国金利見通しには驚かされます。半年前の50ベーシス・ポイント(0.5%)の利上げに対し、足元では100ベーシス・ポイント(1%)の利下げを予想しているからですが、このように大幅な予想の修正は行き過ぎのように思われます。 市場は、実際の利下げの幅に失望することとなり、債券利回りは上昇、価格は下落となる見通しです。グローバル債券市場は半年間の上昇相場を経て割高感が際立っていることから、投資評価はニュートラル(ベンチマーク並みの投資比率)からアンダーウェイトに引き下げます。(図表3、4参照)

先進国の社債は、投資適格債、ハイイールド債ともに引き続き割高です。企業の利益成長率が予想を下回る可能性が高いことを勘案すると、このような状況は先行きを警戒する危険信号のように思われます。同時に、信用格付けは悪化、レバレッジは上昇基調で、金融セクターを除く社債の発行残高はGDP(国内総生産)比47%と過去最高水準に達しており、ITバブル崩壊時の2000年或いはグローバル金融危機発生時の2008年に付けた水準を上回ります。(図表5参照)

景気変動の影響を受け難いディフェンシブ資産については、依然として、米国国債がユーロ圏国債を上回る利回りを提供しており、前者をオーバーウェイト、後者をアンダーウェイトとする根拠となっています。実際に、ドイツ10年国債利回りは-0.3%と、史上、最低水準を更新して最も割高な水準に達しており、ユーロ圏国債の45%は、利回りがマイナス圏に沈んでいます。

一方、現地通貨建て新興国債券の先行きは、域内のインフレ率の低下、金融緩和の可能性、割安な為替レート等を背景に、明るさを増しています。ピクテのモデルは、新興国通貨が米ドルに対して15~20%割安な水準にあることを示唆しています(14頁図表9-1、9-2参照)。

とはいえ、従来、値動きの荒い夏枯れ相場を控え、ドル建て新興国債券をオーバーウェイトからニュートラルに引き下げてリスク水準を落とすべきだとの判断に至りました。ピクテのモデルには、堅調なパフォーマンスの結果としての相対的な割高感が現れています。 金はオーバーウェイトを維持します。6月の月間騰落率は8.6%と全資産クラス中1位でしたが、割高感は全く見られません。また、季節要因やすう勢ともに金の支援材料となっています。

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