投資戦略~防衛的な投資スタンスを継続(短縮バージョン) | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~防衛的な投資スタンスを継続(短縮バージョン)

2019/08/16クアトロ
※投資リスク、手続・手数料等は、PDF版をご覧ください。

ポイント

FRBやECBなど主要国の中央銀行による金融緩和期待が相場を押し上げたものの、足下では再び米中間の貿易戦争が激しさを増しており、金融市場は一転して波乱の兆しが見え始めています。当ファンドでは従前からの防衛的な投資スタンスを継続し、下落リスクを抑えた安定的な運用を目指していく方針です。

クアトロの2019年7月31日の基準価額は、前月末比で +97円(+0.88%)の11,086円となりました。 (図表I参照)2019年7月の基準価額変動要因の内訳は、株式+48円、債券+28円、オルタナティブ+31円、先物・オプション+7円などとなりました。

世界の株式市場は上昇しました。6月末の大阪サミットの際に米中通商協議の再開が合意されたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)による利下げ観測が強まったことがプラス要因となりました。一方、企業業績の減速はマイナス要因でした。業種別では、情報技術やコミュニケーション・サービス、生活必需品などが市場平均を上回って上昇した一方、エネルギーは下落、ヘルスケア、素材、公益などは小幅な上昇にとどまりました。

米国債券市場は、6月の雇用統計が市場予想を上回る好調な結果だったことや、FRBの利下げ幅の予想が縮小したことなどから、月を通じては債券相場は小幅に下落(利回りは上昇)しました。欧州債券市場は、ECBの次期総裁候補に国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が指名されたことへの期待感や、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱観測が強まったことなどから、債券相場は上昇(利回りは低下)しました。

ドル・円為替市場は、米国の重要な経済指標が堅調だったことや、FRBの予防的な利下げによって米国経済が再び加速するとの期待感などから、円安・ドル高が進行しました。その反面、イラン情勢の緊迫化や米中協議で目立った進展が見られなかったことは円高・ドル安要因となりました。ユーロ・円為替市場は、ECBの次期総裁にIMFのラガルド専務理事が指名されたことで緩和的な金融政策が継承されるとの思惑や、ユーロ圏の経済指標が総じて軟調だったことなどから、円高・ユーロ安が進行しました。

運用状況と今後の運用方針

当月の投資行動としては、株式、債券ともに組入れ比率をやや削減し、現金比率を引上げました。株式部分ではディフェンシブセクターを中心とする保守的な運用としましたが、割高感が高まったヘルス関連株式を売却し、スイス株の先物を増やしました。債券部分ではFRBへの金融緩和期待が過剰との判断から、米10年国債先物の買建てを一部削減しました。オルタナティブ部分では、概ね前月と同様の組入れを継続しました。(図表IV、V参照)

当月の基準価額は前月末比97円の上昇となりました。株式では世界優良株式やセキュリティ株式をはじめとして幅広い戦略がプラス寄与しました。オルタナティブでは東証REITや金など金利低下の恩恵を受ける戦略や、市場中立型欧州株式ロング・ショート戦略がプラス寄与となりました。債券ではユーロ建て債券や米ドル建て新興国債券がプラス寄与する一方、米ドル建て公共債は僅かながらもマイナス寄与となりました。

今後の方針としては、米中貿易戦争に起因する世界経済の減速傾向は中央銀行の金融緩和だけで改善できるものではなく、引き続き株式に対して警戒的なスタンスとします。具体的には、ディフェンシブ性の強いセキュリティ株式やスイス株などを選好すると同時に、バリュエーションが魅力的なインド株の組入れを高める方針です。一方、債券相場はFRBの利下げを過度に織り込んでいるように思われるため、利回りが極端に低下した局面では米国債への配分をやや引下げることも検討します。

株式:企業の利鞘には世界的に下押し圧力

世界経済が減速し、企業の利益成長率が悪化する状況では、引き続き、バリュエーションが妥当な水準から割安な水準で推移するセクターを選好します。

地域別に見て最も割高な米国をアンダーウェイトとしているのは、バリュエーション面でも利益成長面でも先行きが暗い、最悪の組み合わせの市場の一つとなっているからです。

また、S&P500種株価指数先物の投資家のネットのポジションが相当高位に留まっていることを考えても、市場急落の公算が一段と大きくなると見ています。

MSCI世界株価指数構成銘柄の利益予想のネットの上方修正の比率、つまり予想の修正全体に占めるネットの上方修正の比率で測った利益の伸びの勢い(アーニングズ・モメンタム)は、大幅に悪化しています。

企業の利鞘には世界的に下押し圧力がかかっていますが、このような状況は、株式アナリストの予想に反映されていないと考えます。企業利益の伸びの鈍化は今後も続き、株式アナリストの市場予想を下回ると思われます。ピクテのモデルは、今後12ヵ月の一株利益成長率をおよそ1%と予測しており、株式アナリストの市場予想のおよそ8%前後を大きく下回ります。

一方、見通しが明るいのは、景気の先行きが著しい改善を見せつつあるユーロ圏です。ピクテの景気先行指数は、前月比で4ヵ月連続の上昇を記録し、フランスとスペインをけん引役にプラス圏に入りました。良好な消費者心理と改善基調の労働市場は、個人消費による景気の下支えを示唆しています。企業利益の見通しも良好です。4-6月期の決算発表は、ユーロ圏企業の90%以上が年内の利益予想を維持または上方修正しています。

新興国株式市場では、バリュエーション面での割安感に加え、ここ数週間、先進国市場を上回る利益成長率を予測する株式アナリストが増えています。

債券・為替:ディフェンシブ性資産の供給不足

これまでには、投資ポートフォリオのボラティリティ(変動率)を抑えるために先進国債券に頼ることが可能だった時期がありましたが、足元の状況は一変しています。13兆ドル相当の先進国債券の利回りがマイナス圏に沈んでいるからです。JPモルガン世界国債指数の実質利回りは過去最低でマイナスを付けており、今後3~6ヵ月については、投資適格債市場を構成するいかなる債券にも、ベンチマークの組入比率を上回る保有は正当化されないと考えます。債券市場の上昇相場の基盤は、脆弱さを増しているように思われます。

理由の一つは、利下げ期待が過度に楽観的なことです。米国では、フェデラルファンド金利(FFレート)先物に、今後12ヵ月で各25ベーシスポイント(0.25%)の3回の追加利下げが織り込まれていますが、このような期待はFRBが講じた予防的利下げをはるかに上回るものであり、行き過ぎだと考えます。FRBが100ベーシス・ポイント以上の利下げを行うのは、景気後退局面に限られることは、歴史が証明しています。さらに、米国のインフレ圧力が高まりつつあります。

ピクテが注視するテクニカル指標も警戒信号を発しています。とりわけ、投資家の国債のポジションから示唆されるのは、中短期的な市場急落の確率が増し、当該資産クラスが「買われ過ぎ」の状況にあることです。バリュエーション指標も市場の支えにはなっていません。ピクテのモデルが算出するバリュエーション・スコアのランキングでは、最も割高な4つの資産クラスのうち3つが債券です。また、世界国債ならびに米国の国債および投資適格社債は、いずれも長期的な傾向を1.5標準偏差上回る割高な水準で推移しています。

英国国債は、「合意なき」ブレグジットが現実のものとなるリスクが増しつつあり、市場の下支えになると考えます。 国債および投資適格社債全般について正しいと言えることは、ユーロ圏および米国のハイイールド債にも該当すると考えアンダーウェイトとしています。信用格付けは悪化、レバレッジは上昇基調で、金融セクターを除く社債の発行残高はGDP(国内総生産)比47%と過去最高水準に達しており、ITバブル崩壊時の2000年或いはグローバル金融危機発生時の2008年に付けた水準を上回ります。

英国国債は、「合意なき」ブレグジットが現実のものとなるリスクが増しつつあり、市場の下支えになると考えます。 国債および投資適格社債全般について正しいと言えることは、ユーロ圏および米国のハイイールド債にも該当すると考えアンダーウェイトとしています。信用格付けは悪化、レバレッジは上昇基調で、金融セクターを除く社債の発行残高はGDP(国内総生産)比47%と過去最高水準に達しており、ITバブル崩壊時の2000年或いはグローバル金融危機発生時の2008年に付けた水準を上回ります。

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(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

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