投資戦略~防衛的な投資スタンスを継続(短縮バージョン) | ピクテ投信投資顧問株式会社

投資戦略~防衛的な投資スタンスを継続(短縮バージョン)

2019/09/24クアトロ
※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

米中対立が激しさを増す中、受注や設備投資関連に弱い経済指標が見られます。しかし日米欧の中央銀行が景気の下振れ懸念を考慮して積極的な金融緩和を行えば、一時的にリスク資産が買い戻される可能性も否定できません。当ファンドでは防衛的な投資スタンスを継続するものの、金融政策次第では安全資産からリスク資産へ機動的にシフトすることも検討します。

8月の投資実績と市場環境

クアトロの2019年8月30日の基準価額は、前月末比で +151円(+1.36%)の11,237円となりました。 (図表I参照) 2019年8月の基準価額変動要因の内訳は、株式-47円、債券+81円、オルタナティブ+35円、先物・オプション+78円などとなりました。

世界の株式市場は下落しました。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け米国の追加利下げ期待が後退したことや、トランプ米大統領が9月1日より中国からの輸入品に対する追加関税賦課を発表したことが嫌気されました。業種別では、公益や生活必需品が上昇、ヘルスケアは市場平均よりも小幅な下落にとどまりました。一方、エネルギー、素材、金融などは市場平均よりも大きく下落しました。

世界の国債市場は上昇(利回りは低下)しました。トランプ米大統領が中国に対し制裁関税(第4弾)を公表し米中対立懸念が強まったことで緊張が高まり、安全資産である国債に資金が流入しました。7月の米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったこと、4-6月期のドイツGDP(国内総生産)成長率が前期比マイナスとなったこと、中国の小売売上高や鉱工業生産が市場予想を下回ったことなど、世界的に景気減速懸念が高まったことも債券相場を押し上げました。

ドル・円為替市場は、トランプ米大統領が中国に対し制裁関税(第4弾)を公表し米中対立懸念が強まったことや、米財務省が中国を為替操作国と判断を下したと発表したことなどからリスク回避姿勢が高まり、円高が進行しました。ユーロ・円為替市場は、米中間の緊張の高まりで円が買われやすい地合いとなったことに加え、4-6月期のドイツGDP(国内総生産)成長率が前期比マイナスとなったことで欧州中央銀行(ECB)の金融緩和観測が強まったことから、円高・ユーロ安となりました。

 

 

 

 

 

運用状況と今後の運用方針

当月の基準価額は前月末比+151円の上昇となりました。株式では生活必需品やグローバル公益事業など一部のディフェンシブセクターがわずかにプラスだった以外は、総じてマイナス寄与となりました。オルタナティブでは東証REITや金など金利低下の恩恵を受ける戦略や、マルチストラテジー型市場中立戦略がプラス寄与となりました。債券では大幅に金利が低下した米ドル建て公社債やユーロ建て債券など、幅広い戦略がプラスに寄与しました。

当月の投資行動としては、株式の比率をやや引下げる一方、債券の組入れを高めるなど、保守的な投資スタンスを継続しました。株式部分では日本の株式先物の売建てを増やすと同時に、デジタル・コミュニケーション関連株式から生活必需品株式へと一部の資金をシフトしました。債券部分では金利低下圧力が高まった米国や英国の長期債先物を買建てました。オルタナティブ部分は概ね前月の組入れ比率を維持しました。

今後の方針としては、米中貿易戦争の影響で新規受注や設備投資が落ち込むなど、各国の製造業に弱い動きが見られます。このため株式については、世界優良株式や生活必需品などを中心とした防衛的なポートフォリオを維持するものの、日米欧の金融政策次第では、機動的に株式の比率を高めることも検討します。債券部分では、景気の先行き不透明感が続くと思われるため、先進国の長期国債を中心に積極的な投資スタンスを継続する予定ですが、相場にやや過熱感が見られることから、一時的にデュレーションを短期化することも検討します。

 

 

 

 

 

 

株式:欧州株式が米国株式よりも有望

米中間の貿易摩擦が再び激化する環境では、経済や企業利益の先行きを楽観視することの難しさが一段と増しています。関税率の引き上げや追加の貿易障壁を巡る脅威が、世界的に企業や消費者心理の重しとなっているからです。加えて、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不確実性が増す環境を考えると、年内の見通しは明るいとはいえません。従って、グローバル株式は、アンダーウェイトを維持します。世界企業の利ざやは、株式アナリストの予想を大きく下回って推移しています。12ヵ月先の世界の企業利益成長率の市場予想7.6%は、ピクテの予想する世界景気先行指数の伸びの水準1.1%と大きくかい離しています(図表1参照)。

 

 

賃金上昇による企業業績悪化によって、今後企業利益が大きく落ち込む可能性に注意が必要です。株式市場に慎重な姿勢を維持しています。 米国株式市場は、他の世界の株式市場と比べて、とりわけ魅力に欠けるように思われます。S&P500種株価指数は過去最高値をわずかに下回る水準に留まっていますが、一方では、米国のリセッション入りを示唆する信号が点滅しています。国債利回り曲線(イールドカーブ)上では長短金利が逆転しました(図表2参照)。

 

 

 

 

株式アナリストは、過去3年で最も大幅な米国企業の利益予想の下方修正を行っています。金融データ大手のファクトセットによると、今年の利益成長率のコンセンサス予想は引き下げられています。企業の自社株買いが減少していることも、投資家にとっては懸念材料です。ピクテの分析は、過去10年間の自社株買いで、市場のリターンの20%前後に、また、米国市場の欧州市場に対する超過リターンの33%前後に寄与していることを示唆しています。

一方、先行きが期待される市場も散見されます。地域別の資産配分では、欧州市場のオーバーウェイトを維持します。ドイツは、2四半期連続のマイナス成長という定義上のリセッション入りも予想される一方、ユーロ圏の景気先行指数は、フランス、イタリア両国のモメンタムの改善を背景に、過去半年を通じて上昇基調を維持しています。ECBの追加刺激策も好材料です。また、ドイツの株式リスク・プレミアムが史上初の9%台を付けたことも注目に値すると考えます。

日本株は、円高にもかかわらず、底堅さを示しています。バリュエーション面では割安感が際立っており、ピクテの試算では、上値余地が20%に達します。英国株は、特に海外投資家にとって、魅力的だと考えます。ポンド安とバリュエーション面での割安感に加え、優良企業の利益の多くが海外で計上されているからです。また、5%を超える配当利回りは、市場のボラティリティ上昇の影響を一部遮断する効果を提供すると見ています。 新興国市場の先行きは、貿易戦争の影響で損なわれたものの、各国の相次ぐ利下げがその一部を相殺しています。アジア市場は特に有望です。

米中貿易戦争が中国からアジアの他の地域への事業移転を促し始めており、中国が損害を被る中、周縁国の中には漁夫の利を得る国も散見されます。 貿易戦争の影響を巡る懸念が強まる中、投資家は再びディフェンシブ銘柄を選好しています。生活必需品およびヘルスケアセクターは堅調な展開となり、ピクテは生活必需品セクターのフルオーバーウェイト、ヘルスケアセクターのオーバーウェイトを維持しています。一方、小型株は市場全体を大きく下回りました。米国の個人消費は、賃金の伸びと住宅ローン金利の低下を追い風に、これまでのところ堅調に推移し、リセッション入りを阻止する効果をあげていますが、このような状況がいつまでも続くとは限りません。

債券・為替:安全資産は供給不足

世界経済が減速する局面では、国債等、ディフェンシブ性の強い資産の投資配分を引き上げることが、通常理にかないます。ただし、現在問題となっているのは、ここ数ヵ月の債券利回りの急低下を受け、通常安全だと考えられる資産が高リスク資産に見えてしまっていることです。JPモルガン世界国債指数の平均利回りは、8月末までに史上最低の0.7%を付け、一方、米国30年国債利回りは8月末に2%を下回りました。マイナス利回りで取引されるグローバル債券が17兆米ドル程度となったことにも注意が必要です。

 

債券のバリュエーションは、中央銀行のハト派的スタンスで正当化されるとの見方も散見されます。ただし、追加緩和に対する市場の期待は、金融当局が実際に行うと予想される水準を超えているように見えます。ピクテの流動性分析は、名目GDP(国内総生産)比の金融刺激の現在の水準と市場に織り込まれた水準との格差が、過去に存在しないほどの幅に拡大しており、市場の期待が砕かれる可能性が高いことを示唆しています。

バリュエーション水準は、大方の国債市場をニュートラルからアンダーウェイトとするピクテの投資評価を支持しています。世界国債利回りはトレンドから大きく下方に乖離しています。また、世界国債利回りは、ピクテのモデルが試算する適正水準を大きく下回っています(図表3参照)。 ユーロ圏および米国のハイイールド債もアンダーウェイトとしています。信用格付けは悪化、レバレッジは上昇基調で、金融セクターを除く社債の発行残高はGDP(国内総生産)比47%と過去最高水準に達しており、ITバブル崩壊時の2000年或いはグローバル金融危機発生時の2008年に付けた水準を上回り、注視が必要とみています(図表4参照)。

 

債券市場が際立った上昇相場を展開したことから、ファンダメンタルズに対して割安だと見なしてきた現地通貨建て新興国債券も、短期的にはオーバーウェイトを維持することが難しくなり始めています。新興国債券の実質利回りは3%と、先進国債券と比べれば確かに魅力的です。とはいえ、新興国地域に及ぶ米中貿易戦争の負の影響が、ピクテの景気先行指数に明確に示されていることを勘案すると、特に目先は新興国通貨が売られる可能性があると考えます。

通貨についてはスイスフランを、金と同じくオーバーウェイトとしています。スイスフランも金も、地政学的な混乱やグローバル経済の悪化局面で、底堅さを発揮することが期待されています。

 

 

 

 

 

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(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。)

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