ここ最近の新興国株式市場と当ファンドのパフォーマンス状況 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ここ最近の新興国株式市場と当ファンドのパフォーマンス状況

2019/05/15新興イン
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ポイント

2019年1-3月期は米中通商協議の進展期待や中国の景気刺激策への期待、さらに米国の金融政策の転換などを受けて新興国株式は上昇しました。しかし、4月後半以降、米中貿易戦争懸念が再燃したことなどを受けて下落しています。こうした中で、当ファンドのパフォーマンスも、新興国株式市場の平均と同様な推移となっています。当面は米中通商協議を巡り、短期的には値動きが大きくなる可能性があり、動向には注視していく必要があると考えられます。

2019年1-3月期は新興国株式市場は 反発。ただし、足元では再び下落

2019年年初以降は、米中通商協議の進展期待が高まったことや、中国の景気刺激策への期待、さらに、米国の利上げ休止などの金融政策の転換が世界的な流動性縮小に対する懸念を後退させるなどにより、投資家のリスク資産に対するセンチメントは改善しました。こうした流れを背景に、2019年1-3月期の新興国株式市場は2019年年初から反転上昇しました。

2019年4月半ばまでは、こうした良好な基調が続いていたものの、4月後半に米トランプ大統領が、中国との通商交渉の進展状況における不満を示したことなどをきっかけに急落し、その後5月10日に米政府は、2018年9月に10%の制裁関税を課した2,000億ドル分の中国製品に対して関税率を25%へ引き上げると正式発表しました。

2019年4月半ばまでは、こうした良好な基調が続いていたものの、4月後半に米トランプ大統領が、中国との通商交渉の進展状況における不満を示したことなどをきっかけに急落し、その後5月10日に米政府は、2018年9月に10%の制裁関税を課した2,000億ドル分の中国製品に対して関税率を25%へ引き上げると正式発表しました。

さらに、それに続いて米国は現在は課税対象外となっている残りの中国製品3,000億ドル分に対しても最大25%の関税を課す制裁関税の計画を正式に発表しました。

こうした米中の関税合戦を受けて、米中の貿易戦争の深刻化懸念が再び高まり、足元の世界の株式市場は下落しています(図表1、2参照)。

今後の見通し:当面は米中通商協議の 行方をめぐり値動きが大きくなる可能性

当面は、引き続き米中通商協議の行方を巡る見方を受けて、市場の値動きが大きくなることも懸念されます。問題解決に時間がかかれば、実体経済に対する影響も大きくなることが懸念されます。

足元で発表されている経済指標からは堅調な米国経済、改善の兆しがみられる中国経済を中心に世界経済は緩やかながらも拡大が予想されていますが、通商協議の行方や各国の政策対応等には今後も十分注視していく必要があると考えられます。こうした問題が長引けば、世界経済に下押し圧力がかかることは免れない可能性があるためです。2018年10月に国際通貨基金(IMF)が発表した米中貿易戦争問題の経済成長への影響分析では、最悪のシナリオで米国では-0.9%ポイント、中国では-1.6%ポイントの成長率の下振れの可能性を示しています(図表3参照)。

しかし、現時点では、依然として新興国株式市場を取り巻く状況として、ポジティブな要素もあります。

まずは、米中の通商協議が継続している点です。過去においても、貿易摩擦問題の解決には時間を要しており、短期的に解決する問題ではないと考えられますが、米中の関税合戦激化を回避するための対話は継続しており、6月末に大阪で開催されるG20会合で米トランプ大統領と中国の習近平国家主席が直接会談する可能性も示されています。

また、新興国株式市場の動向に影響がある米ドル相場の動向については一段のドル高懸念は後退していることがあります。過去において、米ドル相場と新興国株式の対先進国株式の相対パフォーマンスは逆相関の関係がみられました。米国は利上げ休止などの金融政策を転換しており、こうした動きは一段のドル高懸念を後退させる可能性が高いと考えられます。さらに、世界的な流動性縮小懸念の後退にもつながっています。一段の米ドル高懸念や世界的な流動性縮小懸念の後退は、新興国株式を下支えする要因となると考えられます(図表4参照)。

 

また、中国では預金準備率の引き下げや減税など景気下支え策を打ち出し、足元の経済指標では中国経済の安定化の兆しも見え始めていることはプラス材料です。他の主要新興国においてもインフレ率等の状況をみると金融緩和余地が残されている国も多く、景気の下振れに対する対策余地は残されていると考えられます(図表5参照)。

また、バリュエーション(投資価値評価)水準については、新興国株式には相対的な魅力が残されていると考えられます。こうした魅力的なバリュエーション水準も新興国株式の下支えになるものと考えられます(図表6参照)。

当ファンドの足元のパフォーマンス: 市場平均とほぼ同ペースで推移

ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型/1年決算型)(以下、当ファンド)のパフォーマンスは、新興国にとって厳しい年となった2018年の年間では下落となりましたが、新興国株式市場の平均に比べると、下落幅はやや小幅に留まりました。

2019年1-3月期の市場全体の反発局面においても、当ファンドのパフォーマンスは新興国株式市場の平均とほぼ同ペースで上昇しました。また、4月以降、足元(2019年5月14日)まででは、当ファンドのパフォーマンスも市場全体が調整する中で、下落しています(図表7、8参照)。

2019年1-3月期の当ファンドのパフォーマンスにおいては、特に、中国の不動産セクター、台湾のハイテク関連セクターの株価の反発のパフォーマンスへのプラス寄与度が大きくなりました。また、2019年1-3月期において、堅調な原油価格や米国の追加的な経済制裁の懸念の後退などを受けて、ロシア株式の上昇率が相対的に大きくなりましたが、当ファンドではロシア株式の組入比率が比較的高位であったことも、パフォーマンスへのプラス寄与となりました。

2019年1-3月のプラス寄与要因 ①中国・不動産:大手優良企業に注目

我々は中国の消費者のパワーが今後も増大するものと予想しています。
2018年、中国の人々の富のベースの1つである不動産市場は低迷しました。こうした市場の低迷を背景に、中国の不動産セクターの株価は大幅に下落し、バリュエーション(ここでは12ヵ月先予想株価収益率(PER))も大きく低下しました(図表9参照)。中国の不動産セクターのバリュエーション水準の低下の背景には、①簿外資金調達抑制を意図した政策的な流動性供給の引き締め、②市場参加者のセンチメントの悪化などがあると考えられます。

流動性供給の引き締めによる影響は不動産セクターの企業間で異なっていたと考えられます。これは債券の発行市場において明らかになっているとみています。
例えば、大手企業の一角である万科企業は、2番手以降のグループに属する企業に比べて極めて有利な条件で債券発行が可能でした。こうした状況を勘案すると、相対的に有利に資金調達が可能な企業については、同業界における優位な収益性の確保につながると考えられ、生き残り競争では優位なポジションにあると考えられます。

2019年には、中国の不動産市場を取り巻いていた不安要因はやや後退していますが、手元資金をしっかり確保している企業の優位性には変わりありません。ピクテでは、業界内での再編・統合(中小企業が大手企業に買収される)ストーリーを支持しています。当ファンドの運用に際しては、中国の不動産セクターの中では大手優良企業に注目し、銘柄選別した上で投資を行っています。

2019年1-3月のプラス寄与要因 ②台湾ハイテク関連:昨年から一転、反発

2018年、米中貿易戦争や世界的な景気減速懸念の高まりなどから、台湾のハイテク関連銘柄は大きく下落し、当ファンドのパフォーマンスへのマイナス寄与度も大きくなりました。

しかし、2019年1-3月期は一転して上昇となりました。この背景には、2019年年末に向けてDRAMサイクル(DRAM需要の好・不況のサイクル)は改善するとみられています。米アップルのiPhoneの新製品ラインアップは出揃い、「過剰感」はやや解消するものとみられるほか、米中通商協議でもなんらかの解決策が示されるものと期待されていたことなどが挙げられます。
このような前提にたてば、今後もDRAMをはじめ半導体関連セクターについては、ポジティブな見方ができると考えています。5G(第5世代移動通信システム)の立ち上がりや、自動運転、IoT(モノのインターネット)といった新たな技術が半導体需要を支えるものと期待されるからです。

ウェーハや半導体業界においても再編・統合の動きはこれまでにもみられてきました。その結果、過去の半導体サイクルとは異なり、低迷局面でも収益性の改善もみられています。
こうした企業における強力なキャッシュ・フロー創出力と高い収益性は今後も続くとみられています。特に、キャッシュ・フロー創出力については、当ファンドが着目する「高配当」にもつながることから注目しています。半導体企業としては、韓国のサムスン電子、ウェーハでは台湾のグローバルウェーハズなどが足元でも高いキャッシュ・フロー成長を達成しており、注目しています(図表10参照)。

一方、米アップルへ製品を提供する企業については、引き続き慎重に動向を見極める必要があると考えています。

2019年1-3月のプラス寄与要因 ③ロシア株式:制裁リスクと原油価格がカギ

米トランプ政権による外交政策を巡っては様々な動きがあります。こうした政策動向が、新たなリスクを生み出す可能性も残されており、今後も注視していく必要があると考えます。

新興国市場へ投資する投資家にとっては、特に①米中貿易問題の行方、②ロシアに対する制裁強化と今後の動きなどは特に重要となるでしょう。

②のロシアへの制裁問題については、2019年4月に米司法省が2016年の大統領選へのロシア介入疑惑をめぐるミュラー特別検察官の捜査報告書を公開しました。
ここでは、トランプ大統領の選挙陣営とロシア政府が共謀したり連携したことは証明されなかったとされ、これを受けて米国のロシアに対する経済制裁強化を懸念する見方は後退しました。
ロシア株式はバリュエーション水準が相対的に割安であったことなどもあり、制裁リスクの後退は株価にとって大きな上昇要因となりました。

さらに、原油価格が堅調に推移していることもロシア株式にとって追い風となったと考えられます。2018年にはロシアのエネルギー企業の株価が良好なリターンを実現しましたが、足元では、ロシア経済全体の改善の兆しもみられています。

当ファンドの運用においては、ロシアの優良企業を長期的に保有しています。例えば、ロシア最大の銀行であるズベルバンクなどは、配当利回りは相対的に高水準で魅力があります(2019年4月末時点の予想配当利回りは約10%前後)。同銀行はロシアの消費拡大トレンドを大いに享受できるポジションにあるとみられ、株主資本利益率(ROE)は20%超と高い収益性を維持しています。

また、エネルギーセクターの中では、2019年1-3月期において、ここまでの株価上昇率が大きい銘柄について一部を売却して利益確定を行った一方、同セクター内でも出遅れ感があり、配当利回り水準により魅力がある銘柄の組入比率を高めるなど銘柄入れ替えを行いました。

引き続き、魅力的な配当利回り水準かつ 「質」の高い企業に注目

引き続き、当ファンドにおいては新興国株式の中でも、配当利回りに魅力があり、企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)が健全な優良企業を選別し、個別銘柄のボトム・アップにより投資を行っていく方針です。

米中の貿易戦争問題や地政学的なリスクなどは短期的には市場の下落要因となりますが、中長期的には新興国経済は今後も先進国経済を上回る成長力を有しているとの見方に変わりはないと考えます。

潜在的な成長力の高い新興国の中でも優良な企業の株価が、市場の調整局面で市場全体の流れを受けて下落した場合には、投資の好機となると捉えています。

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