市場編:世界経済はマイナス成長、感染拡大の状況に注視 | ピクテ投信投資顧問株式会社

市場編:世界経済はマイナス成長、感染拡大の状況に注視

2020/04/23新興イン
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ポイント

国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済は大恐慌以来、最悪の景気後退となるとの危機感を示しました。2020年の新興国経済はマイナス成長が予想されていますが、先進国に比べるとマイナス幅は抑えられると予想されている点は相対的な優位点ですが、その後の回復局面で劣後の可能性があること、さらに新興国でも急速に感染が拡大しつつあることなど懸念材料も多く、当面は警戒を続ける必要があるとみています。

感染拡大で2020年の世界経済はマイナス成長予想

国際通貨基金(IMF)は2020年4月14日、最新の世界経済の見通しを発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大の悪影響を反映したことで、2020年の世界全体の実質GDP(国内総生産)成長率が-3.0%に落ち込むと予測し、1月時点の予想(+3.3%)から大きく下方修正しました。成長率がマイナスになるのはリーマン・ショック後の2009年(-0.1%)以来です。

IMFは、2020年の世界経済は1929年以降に世界を深刻な不況に陥れた大恐慌以降では最悪の景気後退になる可能性が非常に高いと危機感を示しています。特に、感染拡大を受けて、都市封鎖や人の移動制限が長引き、生産活動の低下や消費減速の影響が大きいとみられるユーロ圏や米国などの先進国は、経済の落ち込みが大きくなるとみられています。

一方、新興国についても2020年はマイナス成長となるとの予想が示されました。特に需要の落ち込み等を受けて原油などの資源価格の下落が経済に打撃となるとみられる資源国については、通貨も大幅に下落しており、景気が大きく落ち込むことが懸念されています。こうした国々のマイナス成長幅は相対的に大きくなると予想されています。

新型コロナウイルスの感染が最初に確認された中国については、通年ではプラス成長が維持されると予想されています。生産活動が徐々に再開され、3月後半には特に感染拡大が深刻であった湖北省で段階的な封鎖解除、そして4月8日にはその中でも感染の中心地であった武漢市の封鎖が解除されました。2020年4月17日に中国国家統計局から発表された1-3月期の実質GDP成長率は、前年同期比-6.8%と、市場予想(-6.0%)を下回りましたが、年後半に向けて緩やかに回復に向かうと予想されています。

また、IMFの現時点での基本シナリオによると、世界経済は2020年4-6月期を底として、その後徐々に回復し、2021年には2020年比+5.8%の急回復が見込まれています。2021年の新興国についても回復が見込まれ、引き続き先進国を上回る成長が予想されています。しかし、新興国(2020年-1.0%→2021年+6.6%で7.6%ポイントの改善)に比べると、先進国(2020年-6.1%→2021年+4.5%で10.6%ポイントの改善)の方が改善ペースに勢いが出ると予想されています。

 

新興国と先進国の経済成長率の「差」

過去の実績では、新興国と先進国の経済成長率の「差」が拡大した局面では、新興国株式の株価パフォーマンスが先進国株式に比べて相対的に優勢となりました。一方で、経済成長率の「差」が縮小している局面では、新興国株式が先進国株式に対して相対的に劣勢となりました。

現時点の2020年の経済見通しでは、先進国の方が経済ショックが大きいと見込まれている分、新興国が相対的に優勢(こちらもマイナス成長ながら)となることが予想されています。この点は、過去の実績に照らすと、新興国株式の下支えとなる可能性があります。

しかし、今回は、ウイルスの感染拡大という、近年の経済危機とは全く異なる要因が引き金となっており、感染拡大の状況次第では、今後の経済見通しが大きく変更される可能性が高いと考えられます。そのため、今回のIMFの予想だけで判断することは極めて難しいところです。

また、仮にIMFの基本シナリオ通りとすると、前述の通り、2021年には先進国の方が新興国に比べて経済の改善ペースに勢いが出ると見込まれています。この場合には、先進国株式に、より多くの投資家の注目が集まる可能性も示唆されている点には留意すべきでしょう。

感染拡大の動向次第では、さらに厳しい見方も

ここまで、IMFの基本シナリオに基づく世界の経済見通しについてみてきましたが、この基本シナリオの一つの前提は、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)は、2020年下期には徐々に終息し、経済活動が回復していくというものです。

そこでIMFでは、この前提が崩れた場合、さらに厳しい3つのシナリオに基づいた世界経済についての見方も示しています。

シナリオ①:すべての国において、2020年に想定以上に感染拡大が深刻化し、封鎖措置などの期間がより長期化した場合
シナリオ②:2021年に新たなパンデミックが発生した場合
シナリオ③:2020年の封鎖措置長期化と2021年の新たなパンデミック発生(①+②)の場合

感染拡大が予想以上に深刻化・長期化し、封鎖措置など経済活動が停止する期間が長くなる中では、資金調達状況はさらに厳しくなり、新興国のソブリン・リスクや、先進国・新興国双方の企業における信用リスクの高まりなども懸念されます。
最悪のシナリオ③の場合では、2021年には前年比-8%近い一段のマイナス成長の予想も示されており、世界経済の先行きについては慎重にみておく必要があるでしょう。

新興国の新型コロナウイルスの感染状況

とかく欧米の感染拡大状況が足元では注目されていますが、新興国でも感染者数が急増していることは懸念されます。たとえば、ブラジルなどでは州単位で移動制限や都市封鎖を実施しているものの、ボルソナロ大統領はこうした動きに否定的で、経済を動かし続けることを主張し続けています。こうした混乱の中で、ブラジルの感染拡大ペースは、いまや世界最大の感染拡大国となった米国を上回る勢いです。

新興国は一般的に先進国に比べると、医療体制等の面でも懸念されることが多いため、新興国国内の感染拡大の状況にも注意を払ってみていく必要があるでしょう。

当面は警戒が必要

中長期的にみると、新興国は若い人口を多く抱えるなど労働力が豊富で、こうした人々が所得を増やし消費を拡大させることで、経済成長をけん引すると期待されます。こうした点から、新興国は先進国を上回る潜在的な経済成長力を有しているとの見方には変わりがありません。

また、足元の新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は先進国株式に比べると、相対的に魅力的な水準にあります。新興国株式の株価純資産倍率(PBR)の水準は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたリスク回避の動きで株価が大きく下落した局面では、過去平均(期間:95年9月~20年3月末)を大きく下回り、過去のリーマン・ショック後の底値(2009年2月末)の水準前後まで低下するなど、現時点での悪材料をある程度は織り込んでいとも考えられます。このため、相対的に高い成長性を勘案すると、中長期的にみれば、投資の好機となる可能性があります。

ただし、これまで述べてきたとおり、感染拡大の状況が想定以上に深刻化、長期化するとの懸念が高まった場合には、世界経済の見通しはより厳しくなり、リスク回避の動きが再び強まることで、新興国株式・新興国通貨は一段の下落の可能性があります。当面は警戒を続けるべきとみています。

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内 容が変更される場合があります。)

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