ドイツ経済:足元の指標は強弱交錯 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ドイツ経済:足元の指標は強弱交錯 先進国 欧州/ユーロ圏 ドイツ

2015/08/11先進国

ポイント

2015年6月のドイツの経済指標は強弱まちまちとなりました。鉱工業生産が予想外の減少となった一方、製造業受注は外需の増加を背景に急増し、ドイツ経済の先行きを期待させるものとなりました。また、6月の輸入が輸出以上に減少したことから、貿易収支は過去最高額を更新しました。

6月の鉱工業生産指数:市場予想に及ばず

72015年6月のドイツ鉱工業生産指数(建設を含む)は前月比-1.4%となり、市場予想の同+0.3%を大きく下回って、月次ベースでは、2014年8月以来、最大の低下率を記録しました。一方、5月改定値は同+0.2%と、速報値から0.2ポイント上方修正されました(図表1参照)。

図表1:ドイツ鉱工業生産指数、製造業受注指数
Ifo企業景況感指数の推移
(月次、期間:2002年1月~2015年6月)

 

出所:ピクテグループ 当指数を構成するサブ指数では、製造業指数が前月比-1.3%、建設指数が同-4.5%(3ヵ月連続の低下)といずれも低下する一方、エネルギー指数は同+2.3%と好調で、前月の低下分をほぼ相殺しました。

この結果、2015年4-6月期の鉱工業生産指数は前期比+0.1%に留まり、2014年10-12月期の同+0.8%、2015年1-3月期の同+0.5%をともに下回りました。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

6月の製造業受注:外需の寄与により急増

2015年6月のドイツ製造業受注指数は前月比+2.0%となり、市場予想の同+0.3%を大きく上回りました。一方、5月改定値は同-0.3%と、速報値から0.1%下方修正されました。(月次の変動の大きい輸送機器等の項目を除いた)6月のコア新規受注サブ指数は同-1.1%と低下しましたが、4月の同+3.4%、5月の同+1.9%と、2ヵ月連続の大幅上昇の反動の影響が出たものと考えます。この結果、2015年4-6月期の製造業受注指数は前期比+3.1%となり、1-3月期の落ち込み分(前期比-1.5%)を帳消しにしました。4-6月期のコア製造業受注指数も、前期比+2.9%と好調でした。

2015年6月の製造業受注指数の地域別内訳では、輸出受注(外需)が前月比+4.8%となり、指数をけん引しました(図表2参照)。また、4-6月期については、2014年10-12月期、2015年1-3月期と2四半期連続で期待外れに終わったのとは対照的に、改善が際立ちました。6月の外需の内訳を見ると、ユーロ圏からの受注が前月比+2.3%、非ユーロ圏からの受注が同+6.3%と、いずれも好調でした。


図表2:ドイツ製造業受注指数の国内外別推移
(月次、期間:1999年1月~2015年6月)

 

出所:ピクテグルー

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

ドイツ貿易収支:過去最大の黒字

2015年6月のドイツの輸出は前月比-1.0%となり、同-0.3%と見ていた市場予想に届きませんでした。また、6月の輸入は同-0.5%となり、輸出同様、市場予想を下回りました。この結果、6月の貿易収支は240億ユーロとなり、5月の195億ユーロを上回って過去最高額を更新しました。

4-6月期の輸出は前期比+3.6%と1-3月期の同+0.6%を大きく上回り、2011年1-3月期以来最大の伸びを記録したことが注目されます。

ドイツ経済:今後の見通し

2015年6月のドイツ鉱工業生産指数は、国内経済への寄与度が低位に留まる状況を示唆するものでした。しかし一方で、新興国経済が減速基調を脱せず、先進国経済も未だ回復途上という環境にもかかわらず、好調な外需によって6月のドイツ製造業受注指数が大幅上昇したことは、明るい材料となりました。

当面の間、強い外需がドイツ製造業を下支えすると見られることから、ドイツ経済の見通しは明るいと考えます。

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