米国:賃金動向の政策金利への影響 | ピクテ投信投資顧問株式会社

米国:賃金動向の政策金利への影響 北米 米国 先進国

2016/02/04先進国

ポイント

2015年10-12月期の米国の賃金上昇率はわずかに留まりました。2016年1月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は必ずしもハト派色が強かったわけではありませんが、3月の利上げは見送られる公算が高いと見ています。

 

2015年10-12月期の賃金上昇率はわずかに留まる

2015年10-12月期の米雇用コスト指数(ECI)は前期比+0.6%、年率+2.3%となり、市場予想と一致しました。また、前年同期比ベースでは、7-9月期の+1.9%から+2.0%にわずかながら上昇しました。雇用コスト指数は短期的には上下に大きく振れる可能性があること、また、2015年前半の賃金上昇率の変動が実際に大きかったことには注意が必要です。2015年通年のECIは前年比+2.1%に留まり、2013年の同+1.9%は上回ったものの、2014年の数値と変わりませんでした。

現在の米国の賃金上昇ペースは過去と比較しても非常に緩やかであり、インフレ要因になる公算は低いと思われます。

今後、米国の賃金が上昇するかどうかの分析は容易ではありません。米国のGDP成長率が伸び悩んでいることに加え、賃金データの多くも非常に緩やかな上昇にとどまっているためです。一方、失業率は急速に低下しており、労働市場の情勢を示す大方の指標にも大幅な改善が見られます。「労働市場の緩み」(未活用資源が多く、失業率の低下が示すほどに実際の雇用が改善していないこと)の程度については議論の余地が残りますが、緩みが急速に縮小しつつあり、米国経済が完全雇用に近づきつつあることについては、否定のしようがありません。したがって、将来、いずれかの時点で、失業率の低下が賃金上昇につながる可能性もあり、今後は賃金が緩やかに上昇すると見込んでいます。

米国の利上げ、3月は見送りか

2016年1月27日から28日にかけて開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り、「米国経済は昨年終盤、減速した」との認識が示され、「FOMCは、海外経済と市場環境を注視し、米雇用や物価ならびに経済見通しへのリスク・バランスに及ぼす影響を精査する」という文言が追加されました。

このことは、FOMCが経済見通しへのリスクはもはや均衡していないと考えていることを示唆しています。一方、今回の議事録はハト派一色という訳でもなく、「金融政策の緩やかなスタンスの調整によって、経済は緩やかなペースで拡大しており、労働市場関連指標も引き続き力強さを増していくだろう」との認識が繰り返し示されています。FOMCが、3月の利上げの可能性を排除しなかったことに意外感はありません。

とはいえ、賃金の伸びが明確でないことや足元の金融市場の混乱、最近の金融情勢のひっ迫を考えると、3月の利上げは見送られる公算が高いと見ています。

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