米国GDP成長率: 2015年10-12月期は減速 | ピクテ投信投資顧問株式会社

米国GDP成長率: 2015年10-12月期は減速 北米 米国 先進国

2016/02/04先進国

ポイント

2015年10-12月期の米国の実質GDP(国内総生産)成長率は市場予想に僅かに届きませんでした。ドル高を受けた輸出の低迷と在庫調整が成長を下押しました。一方、雇用と所得の伸びを背景に個人消費や住宅投資には底堅さが残ります。 2016年の米国経済は、一年を通じて緩やかな成長を維持するとの見方に変わりはありません。

2015年10-12月期は減速

米国の2015年10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、在庫の取り崩しと個人消費の伸び悩みを受け、前期比年率+0.7%に留まりました。ピクテでは、2016年通年予想を下方修正する一方で、前年程度の緩やかな成長が維持されると見ています。

米国の2015年10-12月期の実質GDP成長率は、市場予想の前期比、年率+0.8%に僅かに届かず、前年同期比ベースでは+1.8%と、7-9月期の同+2.1%、2014年10-12月期の同+2.5%、更には、米国景気が底入れした2009年4-6月期以降の平均のすべてを下回りました(図表1参照)。 一方、2015年通年の成長率は、ベース効果が寄与し、前年比+2.4%と、2014年の水準を維持しました。

2015年10-12月期の減速は、一段の在庫圧縮と暖冬を受けた電力消費の落ち込みという一時的要因に起因するものであることから、過度の悲観は不要だと考えます。また、四半期のGDP成長率はぶれが大きいデータであることにも留意が必要です。

最終需要も伸び悩み

2015年10-12月期の個人消費支出は前期比、年率+2.2%と 7-9月期の同+3.0%には届かなかったものの、市場予想の同+1.8%を上回りました。もっとも、ガソリン価格が下落する環境下での消費の伸び悩みは期待外れでした。恐らく、(雨の多い)異例の暖冬による電力消費の一時的な落ち込みが伸び悩みの原因だと思われます。10-12月期の住宅投資が同+8.1%と相対的な堅調さを保った一方で、非住宅投資は同-1.8%と低調でした。知的財産投資は同+1.6%と増えたものの、7-9月期(同+9.9%)の反動で落ち込んだ機器投資(同-2.5%)がこれをすべて相殺しました。建設投資(同-5.3%)も不振が際立ちました。油田の稼働リグ数が激減したことからも示唆される通り、石油セクター開発投資は7-9月期に続き低調でした。

2015年10-12月期の政府支出は前期比、年率+0.7%と7-9月期の同+1.8%を下回り、10-12月期の最終需要も同+1.6%と 7-9月期の同+2.9%に及びませんでした。

世界的な需要の減退とドル高の進行から予想された通り、10-12月期の輸出は同-2.5%とマイナスに転じ、前年同期比でも-0.8%と低調でした。輸入は同+1.1%、純輸出は同-0.5%でした。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

2016年は緩やかな成長を予想

2016年の米国経済には懸念が残ると考えられます。先ず、前述の通り、2015年10-12月期の実質GDP成長率が伸び悩んだことです。また、直近2ヵ月発表の大方の月次経済指標は、雇用統計を除き、控えめに見ても堅調とは言えません。2016年の米国経済は勢いに欠けるスタートを切ったと言えるでしょう。次に、世界の金融市場の混乱と国内の金融引締めが、目先数ヵ月、米国の成長を下押す公算が極めて強いということです。米国の株価指数は年初来8%強の下げに見舞われていますが、一方、米ドル(実質貿易加重)は、足元の調整にもかかわらず、1.5%程度、上昇しています。製造業と輸出の不振が米国経済を下押す状況が続く公算は高いと考えます。

一方、明るい材料も散見されます。

(1) 足元の原油価格の急落は、金融市場の混乱を引き起こす一方で、家計の実質所得をもう一段押上げることが示唆されます。直近のガソリン価格の下落により実質可処分所得が押し上げられると見込んでいます。雇用の堅調な伸びを背景に、賃金上昇率は次第に勢いを増すことが予想され、一方、昨年末にかけて急上昇した貯蓄率はここ数ヵ月のうちに低下に転じる可能性があると思われます。したがって、個人消費の回復が見込まれます。

(2) 原油価格の低迷は、石油セクターの投資抑制要因ですが、前述の通り、当セクターがGDPに占める比率は一年前との比較で大きく低下しており、投資縮小のペースの鈍化も見込まれます。したがって、原油安の負の影響は、数四半期のうちにも薄れる公算が高いと考えます。一方、住宅投資は引き続き堅調です。雇用と所得の伸びが住宅需要を支える一方、売却可能住宅の在庫は低水準に留まっています。在庫積み増しのペースは2015年下期を通じて鈍化が顕著でした。在庫水準は相対的には高水準に留まるものの、2016年中の在庫調整による成長率押し下げ効果は、2015年に比べて遥かに限定的なものに留まることが予想されます。

(3) 10-12月期には、不規則ながらも、一時的に落ち込む傾向が見られる政府支出はようやく改善に転じており、今後も増加基調を維持する公算が高いと考えます。また、米議会が昨年末、予算案に合意していることから、2016年は財政政策が経済成長を多少とも下支えするものと期待されます。

このような状況で米国経済を過度に悲観するのは賢明ではないように思われます。足元、経済の下押しリスクが強まっていることは明らかで、仮に世界の株価指数が急落し、世界的な金融危機に発展するような事態に陥るとしたら、米国経済も影響を免れないでしょうが、その可能性は低いと思われます。2016年中に米国が深刻な景気停滞に陥る可能性は低いということです。米国経済は比較的堅調な成長を続けるとのピクテの見方は変わりません。

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