3月の米国小売売上高: 前月に続き低調 | ピクテ投信投資顧問株式会社

3月の米国小売売上高: 前月に続き低調 米国 先進国 北米

2016/04/18先進国

ポイント

2016年3月の米国の小売売上高統計は、2月に続き、期待外れの内容となり、コア小売売上高は前月比小幅の伸びに留まりました。1-3月期の個人消費は伸びの鈍化が予想されますが、今後は年内を通じて良好に推移する可能性があると見られます。

名目小売売上高は予想外の減少、コア小売売上高も低調

米国の2016年3月の名目小売売上高は、前月比 -0.3%と市場予想の同+0.1%を大きく下回りました(図表1参照)。なお、2月改定値は、速報値の同-0.1%から同+0.0%に上方修正されました。

内訳を見ると、自動車売上の落ち込み(同-2.1%)が影響したことがうかがえますが、既に発表済みの3月の自動車販売統計(同-5.5%)から想定された範囲内の数値でした。建設資材及び園芸関連売上は、同+1.4%と好調でした。また、ガソリンスタンド売上もガソリン価格の上昇を受け、前月比+0.9%と反発しました。

名目小売売上高から、最も変動の大きい項目を除いたコア小売売上高(GDPの個人消費の算出に使われる数値)も低調でした。2016年3月のコア小売売上高は、前月比+0.1%と市場予想(同+0.4%)に届きませんでした。一方、2月改定値は、速報値の同+0.0%から同+0.1%に、また、1月改定値は同+0.2%から同+0.3%に、いずれも上方修正されました(図表2参照)。

1-2月の上方修正分は合せて0.3%と無視できない数字ですが、とはいえ、1-3月期のコア小売売上高は、前期比、年率で僅か+1.9%に過ぎず、2015年10-12月期の同+1.6%に続いて期待外れの水準に留まりました。

予想外に低迷した1-3月期の個人消費

入手可能な統計によれば、2016年1-2月の実質個人消費は、2015年10-12月期比で+1.5%に留まっています。小幅の上方修正の可能性は残るとしても、上述の通り、3月のコア小売売上高は僅かの伸びに留まり、自動車売上は大きく落ち込んでいます。したがって、1-3月期の米国個人消費については、予想を下方修正する市場関係者も見られるかもしれません。

また、(4月13日発表の)2月の企業在庫が前月から減少したことを勘案すると、2016年1-3月期のGDP(国内総生産)成長率見通しも下方修正される可能性があります。4月28日発表予定の米GDP統計の内容によっては、通年予想への影響も考えられます。

2016年1-3月期に米国の個人消費が伸び悩んだことは予想外でした。この間の雇用の伸びは前期比、年率+1.9%と底堅く、1-2月の実質可処分所得も、ガソリン価格の急落を背景に、前期比+3.4%に達しているからです。

個人消費の低迷は必然的に貯蓄率の上昇を意味しますが、実際に、可処分所得に占める貯蓄の比率は、2015年11月の4.9%から2016年2月には5.4%に上昇しています。貯蓄率の上昇は、世界経済の不透明な先行きや年初の金融市場の緊張を反映したものと思われます。ただし、過去の例を見ると、貯蓄率のデータは大きく下方修正されることがあり、注意が必要です。

実質可処分所得の伸びが好調であることや、消費者信頼感を測る大方の指標が2016年1-3月期と2015年10-12月期の間でほぼ変わりないことなどから、1-3月期の個人消費が上方修正されたり、4-6月期に顕著な改善が見られる可能性があると考えます。

4-6月期以降の個人消費の見通し

米国の家計の消費は、年内、良好に推移すると思われます。雇用の伸びは若干鈍化するとしても堅調さを維持し、賃金の伸びも次第に勢いを増していくことが予想されるからです。

足元の原油価格の際立った上昇は、ガソリン価格の上昇をもたらしています。季節要因調整後のガソリン価格は、3月中に4%程度上昇したとみられ、4月には更に5%程度の上昇が見込まれます。もっとも、1月には4.8%、2月には13.0%下落したことには留意が必要です。また、エネルギー価格の下落が家計の消費にプラスの影響をもたらすまでには時間のズレが生じ、影響は徐々に現れるのが通例です。2015年中に発生した原油安の恩恵(実質所得の押し上げ)の多くが消費に回っておらず、貯蓄率は今のところ高位に留まっているように見えても、今後数ヵ月のうちに低下し始めることもあり得ます。したがって、4-6月期以降の米国の個人消費は良好に推移すると思われます。

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