4月のユーロ圏PMI:デフレ圧力は弱まったものの、当面は金融緩和策頼み | ピクテ投信投資顧問株式会社

4月のユーロ圏PMI:デフレ圧力は弱まったものの、当面は金融緩和策頼み 欧州/ユーロ圏 先進国

2016/04/26先進国

ポイント

2016年4月のユーロ圏購買担当者景気指数(総合指数、PMI)は、前月とほぼ変わらず、市場予想を僅かに下回りました。サブ指数では、雇用環境や新規受注が改善し、デフレ圧力の緩和が示唆されました。一方、国別指数では、ドイツPMIが低下する一方、フランスPMIが改善しました。

2016年4月のユーロ圏PMI:前月からほぼ変わらず

2016年4月のユーロ圏購買担当者景気指数(総合指数、PMI)速報値は53.0となり、3月の53.1、市場予想の53.3をいずれも下回りました。製造業PMIは前月比 -0.1ポイントの51.5、サービス業PMIは同+0.1ポイントの53.2とほぼ変わらず、両指数ともに、雇用サブ指数が改善しました(図表1参照)。

4月の総合指数は、4-6月期の域内経済の成長のペースが、1-3月期の平均を僅かに下回る公算が高いことを示唆していると考えられます。もっとも、1-3月期のGDP成長率が市場予想を上回る可能性も排除できず、 4月29日の発表が待たれます。

ユーロ圏の2016年通年の経済成長については、内需主導の小幅の上昇が見込まれます。個人消費の底堅い推移が予想されることに加え、信用の拡大を背景とした設備投資の回復が総需要を支えるものと思われます。特に設備投資については、銀行貸出調査(BLS)等、銀行の信用供与の動向を示す指標が良好なことから、先行きが期待されます(2016年4月21日発行のピクテ・マーケット・フラッシュ「ユーロ圏銀行貸出調査:信用サイクルは拡大傾向が継続」をご参照ください)。

後述するドイツ製造業PMI等、経済指標からは貿易の低迷による外需の下振れリスクがやや改善したように思われます。とはいえ、政治情勢の不透明感が経済の先行きを左右するリスクは、いまだ払拭されません。

物価を示すサブ指数からは、デフレ圧力の改善傾向が見てとれます。4月の(卸売物価)投入価格指数は、原油価格の上昇に伴って前月を上回り、算出価格指数も前月比で小幅に上昇しました。ピクテのモデルも、(ディス)インフレ圧力が4ヵ月ぶりの水準を回復したことを示唆しています。ただし、本格的な回復に至る道のりは遠いのが実情です。したがって当面のところ、欧州中央銀行(ECB)の金融政策が変更される公算は低く、金融緩和策が維持されると考えます。

国別PMI:ドイツは低下、フランスは上昇

2016年4月のドイツPMI(総合指数)速報値は53.8となり、市場予想の54.2を下回って9ヵ月ぶりの水準に低下しました。サービス業PMIが前月比-0.5ポイントの54.6と低調だった一方で、製造業PMIは予想に反し同+1.2ポイントの51.9と、2ヵ月連続で上昇しました。新規輸出受注指数は、中国、南欧、米国等の強い需要を背景に、4ヵ月ぶりに上昇しました。ドイツの輸出の先行きが厳しい状況に変わりはありませんが、4月のPMIは、 4-6月期のドイツの実質GDP成長率が、伸び悩みながらも底堅さを維持することを示唆していると考えます。

一方、2016年4月のフランスPMI(総合指数)速報値は50.5となり、3月の50.0、市場予想の50.2をいずれも上回りました。サービス業PMIが前月比+0.8ポイントの50.8と、景気判断の分かれ目となる50を3ヵ月ぶりに回復したことが貢献しました。これに対し、製造業PMIは同-1.3ポイントの48.3となり、8ヵ月ぶりの水準に低下しました。製造業PMIのサブ指数では、新規受注指数が同-2.4ポイントの45.7と2015年2月以来の落ち込みを記録し、国内、海外ともに受注の低迷ぶりが際立ちました。4月のPMIは、4-6月期のフランスの実質GDPが緩やかな伸びに留まることを示唆するものとなりました。

なお、ユーロ圏周縁国のPMI速報値は発表されませんが、公表元であるマークイットは、「ユーロ圏周縁国の経済成長は幾分鈍化した」とコメントしています。

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