トランプ関税:米国の平均関税率はごく最近まで低位に留まっていた | ピクテ投信投資顧問株式会社

トランプ関税:米国の平均関税率はごく最近まで低位に留まっていた

2018/07/06先進国

トランプ政権発足後に起こった最も重要な体制変更(レジーム・シフト)は、恐らく、米国の通商政策にあると思われます。経済史家が、しばしば、19世紀に米国が世界の覇権国に昇り詰められたのは多分に保護主義のお蔭であると指摘しているように、トランプ大統領にとって通商政策は、税制改革以上に、最も明確な分岐点を記すことのできる分野のように思われます。

米国の輸入関税率(全品目の加重平均、%)

 

第2次世界大戦以降(というよりは冷戦終了以降と言った方がより正確かもしれませんが)、米国の輸入制限は大幅な緩和傾向を示してきました。世界銀行の統計によれば、米国で輸入品に賦課される関税の平均税率は、1990年代初めは4%程度だったのに対し、足元はわずか1.67%です。アジアから輸入する携帯電話には関税が課されていません。

トランプ政権は6月1日付で鉄鋼とアルミニウムに(それぞれ25%と10%の)追加関税を発動し、7月6日には、中国からの(総額5,050億ドル相当の)輸入品のうち340億ドル相当を対象とした25%の関税賦課を予定していることから、平均税率はわずかに上昇することが見込まれます。

これまでに発表された追加関税は、2017年の米国の輸入が3.3兆ドルに達したことを勘案すると、輸入全体のごく一部を対象に発動されるに過ぎず、経済全体に及ぼす影響は、今のところ、限定的なものに留まる公算が高いと思われます。従って、米国の輸入関税は、11月の中間選挙に向けたトランプ大統領の国内政治上の課題に係るもののように思われます。とはいえ、(「安全保障上の脅威」を理由とした)欧州車等、各種輸入品への追加課税の脅しを聞くと、トランプ大統領の真の狙いは何なのかを考えざるを得ません。輸入関税は、大統領が主張するように、従来以上に自由な貿易体制を実現するための手段の一つに過ぎないのでしょうか?

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