ユーロ圏のインフレ率低下は、金融政策に影響を与えるか | ピクテ投信投資顧問株式会社

ユーロ圏のインフレ率低下は、金融政策に影響を与えるか 先進国 欧州/ユーロ圏

2018/09/03先進国

ポイント

2018年8月のユーロ圏のインフレ率(前年同月比)は、総合もコアもそれぞれ0.1パーセントポイント低下して、2.0%と1.0%になりました。このインフレ率の下落が、金融政策の正常化に対して影響を与えるでしょうか。

欧州中央銀行(ECB)の主たる任務は、総合インフレ率の管理であり、現在の目標は過去数年間にわたって、年率2%かその近辺としています。それにもかかわらず、ECBは変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア・インフレ率を含む、消費者物価の変動により注目しています。将来を見据えると、金融政策の正常化に近づくと総合インフレ率の変動がより重要であることが分かります。特に、賃金の上昇は過去のインフレ期待を踏まえれば、ECBの中期的な物価安定という楽観的な見通しをゆり動かしつつあります。

ところが、インフレ率を支えている高いエネルギー価格は、再び下落に転じたようです。下記のグラフによると、EU基準消費者物価指数(HICP)のエネルギー指数は、原油価格が再び上昇するか、もしくは対米ドルのユーロ為替レートが下がらない限り、2018年7月の前年同月比プラスの9.5%でピークをつけた可能性があります。一方食品指数も、ここ数ヵ月で下落しています。

ユーロ圏:HICPエネルギー指数(赤、左軸、前年同月比、%)と原油価格先物(灰色、右軸、ブレント、ユーロベース、前年同月比、%)

  

総合インフレ率を2%近辺で維持するためには、前述したように食品とエネルギー価格が下落していることから、サービスと非エネルギー部門から構成されるコア・インフレ率が、中期的に2%を超える高いレベルを維持する必要があります。ECBの2018年のコア・インフレ率について、現状の1%から2019年に1.5%以上に上昇するとの見通しのため、2018年第4四半期に1.3%に引き上げる可能性があります。ところが、8月現在のコア・インフレ率は前年同月比0.96%に留まっていて、ECBは9月の定例理事会において、コア・インフレ率の見通しを引き下げる必要がありそうです。特に2019年の見通しの中心値が1.6%なのは、修正される可能性があります。ただし、このようなインフレ率の見通しの修正が、2018年12月と予想されているECBの債券購入プログラムの終了には影響は与えないものの、2019年に予想されている金融政策の正常化を遅らせるリスクが想定されます。

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