2016年8月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2016年8月のバイオ医薬品市場 グローバル バイオ医薬品

バイオ医薬品関連企業の株価動向

8月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は下落しました。世界の株式市場が月間で上昇となった一方、バイオ医薬品関連株式市場は、月末にかけて下落しました。

ファイザー(米国)によるメディベーション(米国)の買収発表(8月22日)は、優良なバイオ医薬品関連企業が買収対象として従来以上に注目される現状を確認するものとなりました。買収総額は140億ドルで、1株当たりの買収金額は、買収発表前日の終値を約20%上回ります。

バイオジェン(米国)の株価は、2016年7月以降、上昇基調です。同社は、アイオーニス・ファーマシューティカルズ(米国)と共同開発する乳児の希少疾患、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬候補のフェーズ3治験で初期目標を達成したことを発表しました(8月2日)。規制当局の判断次第では、発売時期が早まる可能性もあると思われます。

ポートラ・ファーマシューティカルズ(米国)の株価は下落しました。活性化第X因子阻害剤の抗凝固活性解消剤AndexXaの承認に向けて、米国食品医薬品局(FDA)から追加情報の提出を求められたことが発表されたためですが、治療法が見つかっていない主要疾患の治療薬であることを考えると、時期は後ずれしても、承認が得られる可能性は高いと考えられます(8月19日)。

インサイト(米国)は、がん免疫治療に関するデータの発表に関する経営陣の発言などを背景に株価が軟調な動きとなっていますが、主力の真性多血症治療薬ジャカフィの売上は好調に推移しています。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターの騰落率は、ここ数年、他セクターを上回って推移してきました。1)革命的な治療薬が市場に投入され、セクターのファンダメンタルズ(基礎的条件)が改善したこと、2)株価のバリュエーション(投資価値評価)が2009年に付けた低水準から過去の平均的な水準に上昇したこと、3)良好な新薬のパイプライン動向、4)パイプラインの有望な中・小型企業に対する医薬品大手やバイオ企業によるM&A(合併・買収)活動の活発化等が背景にあったと考えます。業界再編の動きは、当面変わらないと見ており、バイオ医薬品企業の利益成長率は、今後数年間、不測の事態を除き、相対的に高い成長性が期待されます。

しかしながら、2015年半ば以降、バイオ医薬品関連株式は米国における薬価引き下げ圧力に対する懸念などから大きく下落し、2016年に入っても株式市場が調整する局面で大きく下落する場面もありました。11月の米大統領選に向けて、候補者の薬価を巡る発言が散見され、今後も市場は値動きの荒い展開も予想されますが、長期の投資家にとっては足元、買いの好機を提供するものと考えます。良好な新薬承認動向や研究・開発(R&D)の生産性の改善等が株価をけん引する状況は変わりませんが、堅固な事業基盤を有し、優秀な経営陣を擁する企業を厳選することは、極めて重要です。ファンダメンタルズは良好であり、バイオ医薬品関連企業が、未だ満たされていない医療ニーズへの対応を目標に革新を続ける限り、不安要素は見当たらないと考えます。

(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)

バイオ医薬品関連企業の売上高は相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上回って堅調に成長してきました。(図表5参照)バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込まれています。(図表6参照)

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参照)

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連株式の株価が大きく上昇したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)

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