バイオ医薬品企業に対するM&Aの動きに注目 | ピクテ投信投資顧問株式会社

バイオ医薬品企業に対するM&Aの動きに注目 バイオ医薬品

ポイント

大手の医薬品企業やバイオ医薬品企業は将来の成長を確保するため、有望な新薬候補(パイプライン)を持つバイ オ医薬品企業に対するM&Aを実施してきました。この流れは今後も継続する見通しですが、米トランプ政権が提案し ているレパトリ(海外からの資金還流)減税が米国企業によるM&Aの動きを後押しする可能性があります。

大手の医薬品企業やバイオ医薬品企業 は、パイプライン充実のためM&Aを模索

有望な新薬候補(パイプライン)を有するバイオ医薬品 企業は、M&A(合併・買収)のターゲットとなっています。 既存の主力薬が特許切れに直面している大手医薬品 企業や、特定の主力薬への依存が高い大手バイオ医 薬品企業は、将来にわたって業績の成長を実現するた めに、有望な新薬候補(パイプライン)の充実につとめて います。パイプラインの充実には、もちろん自社での研 究開発も重要となりますが、医薬品業界では、有望な パイプラインを持つ企業に対するM&Aによりパイプライン の充実を図るケースも多く見られます(図表1参照)。

2017年をみても、ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)が スイスのバイオ医薬品企業アクテリオンを約300億ドル (約3兆3,000億円)で、武田薬品工業(日本)がアリア ド・ファーマシューティカルズ(米国)を約54億ドルで買 収するなどしており、バイオ医薬品企業に対するM&Aの 動きは継続しています。

多額の現金を保有する大手医薬品企業と大手バイオ医薬品企業

バイオ医薬品企業に対してM&Aを行う場合には、多額の資金が必要となりますが、大手の医薬品企業やバイオ医薬品企業は、M&Aを実現するために豊富な資金を持った企業が多く存在します。 先進国の代表的な株価指数であるMSCI先進国株価指数のうち、ヘルスケアセクターに分類される企業は131社ですが、この131社が保有する「現金・現金同等物および短期投資」は、約4,369億ドル(約48兆円)(2017年5月末時点集計)にのぼります。また代表的なバイオ医薬品の株価指数であるナスダック・バイオテック指数の構成銘柄のうち、時価総額上位20社が保有する「現金・現金同等物および短期投資」は、約763億ドル(約8兆4,000億円) (2017年5月末時点集計)となっており、大手のバイオ医薬品企業についても、有望なパイプラインを持つバイオ医薬品企業を買収する力があると言えます(図表2参照)。

米トランプ政権のレパトリ(資金還流)減税 がM&Aを後押しする可能性

パイプラインの拡充を目的とした大手の医薬品企業な どによるバイオ医薬品企業に対するM&Aは堅調に推移 すると考えられますが、米トランプ政権によるレパトリ減 税がM&Aの動きを後押する可能性があります。

レパトリ減税とは、米国企業が海外に滞留させている未 課税利益(海外留保利益)を米国内に還流する際にか かる税金に対する減税措置になります。現行では米国 では、海外での利益に対しても35%の法人税が課せら れることから、多くの米国企業は海外で稼いだ利益を海 外に留保しています。この額は推定で2兆6,000億ドル (約286兆円)と言われており、減税措置が決定した場 合は多くの資金が米国に還流することが予想されてい ます。

主要米国企業の海外保有現金の業種別内訳をみると、 ヘルスケアセクターは情報技術(IT)セクター(32%)に 次ぐ23%の比率を占めています(図表3参照)。

また企業別の海外保有現金をみても、ファイザーやメ ルクなどの大手医薬品企業やアムジェンやギリアド・サ イエンシズなどの大手バイオ医薬品企業など多くのヘル スケア企業が上位となっています(図表4参照)。

現時点では、トランプ大統領が提案している税制改革 案については、今後、議会での審議を控えており、その ままの内容で可決されるかどうかは不透明です。 しかし、レパトリ減税の法案が可決されれば、企業は M&Aにあたっての資金計画をしやすくなることから、金 額の大きなM&Aが成立する可能性が高まると考えられ ます。

バイオ医薬品関連株式については、薬価引き下げ懸念 などを背景に2015年半ばの高値(2015年7月20日) から2017年5月31日までに約-28%下落しており、一時 期の割高感は薄れた状況にあります(図表5参照)。 このように一時期に比べ株価の割高感が薄れた状況の 中、バイオ医薬品企業に対するM&Aの動きには引き続 き注目していく必要があると考えます。

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