2017年6月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2017年6月のバイオ医薬品市場 バイオ医薬品 グローバル

バイオ医薬品関連企業の株価動向

6月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

トランプ大統領が署名した大統領令が医薬品業界に好意的であると受け止められ、買い意欲が強まりました。また、チャート面に着目する投資家の買いに加え、ハイテク、金融、エネルギー等のセクターからバイオ医薬品セクターに乗り換える「セクター・ローテーション」の動きも追い風となりました。世界最大のがん学会である米国臨床腫瘍学会(ASCO)が開催され、複数の中・小型のバイオ医薬品企業が発表したデータが注目されました。前述の大統領令が具体的に何を意味し、また、いつ、あるいはどのように施行されるかは未だ不明ですが、現政権は、今のところ、医薬品業界に対して好意的な姿勢を示しているように思われます。

個別銘柄では、セルジーン(米国)の株価が上昇しました。再発/治療抵抗性骨髄腫への抗BCMAキメラ抗原受容体T細胞治療において良好な治験結果が好感されました。一方、アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)は、新任の調査・開発(R&D)部門責任者やバイオジェン(米国)から引き抜いた最高財務経営責任者(CFO)等、新経営陣の布陣が市場の好意的な評価を受けました。また、主力製品のソリリスは、欧州医薬品庁(EMA)医薬品委員会から、難治性全身型重症筋無力症治療薬としての効能について肯定的見解を得たことから、2017年7-9月期中にも適応拡大の承認を得ることが予想されます。さらに米国食品医薬品局(FDA)の適応拡大承認も10月末までには得られるものと期待されます。一方、シャイアー(アイルランド)とテサロ(米国)は株価が下落しました。両銘柄ともに、競合薬候補の治験結果の影響を受けました。シャイアーは、ロシュ(スイス)が血友病治療薬候補について、一方、テサロは、競合するクロビス・オンコロジー(米国)が主力とする卵巣がん治療の分野で良好な治験結果を発表したことが嫌気されました。 

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターの騰落率は、2009年から2015年半 ばにかけて、他セクターを上回って推移してきました。1)革 命的な治療薬が市場に投入され、セクターのファンダメン タルズ(基礎的条件)が改善したこと、2)株価のバリュエー ション(投資価値評価)が2009年に付けた低水準から過 去の平均的な水準に上昇したこと、3)良好な新薬のパイプ ライン動向、4)パイプラインの有望な中・小型企業に対する医薬品大手やバイオ企業によるM&A(合併・買収)活動の 活発化等が背景にあったと考えます。ただし2015年半ば以 降は、米国における薬価引き下げ懸念が浮上し、株価は調 整しています。このような状況の中、業界再編の動きは、当 面変わらないと見ており、バイオ医薬品企業の利益成長率 は、今後数年間、不測の事態を除き、相対的に高い成長性 が期待されます。米国における薬価引き下げ圧力の高まり は引き続き注意が必要と考えますが、長期的投資の観点で は、魅力的な投資機会を提供する可能性があると見ていま す。良好な新薬承認動向や研究・開発(R&D)の生産性の 改善、M&Aの動き等が株価をけん引する状況は変わりませ んが、堅固な事業基盤を有し、優秀な経営陣を擁する企業を厳選することは、極めて重要です。ファンダメンタルズは 良好であり、バイオ医薬品関連企業が、未だ満たされてい ない医療ニーズへの対応を目標に革新を続ける限り、不 安要素は見当たらないと考えます。

 

記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・ 企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料におけるデータは将 来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

バイオ医薬品関連企業の売上高は 相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上 回って堅調に成長してきました。(図表5参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補 の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新 薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企 業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込ま れています。(図表6参照)

 

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参 照)

 

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇 したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーショ ン(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株 価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

当資料におけるデータは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものでは ありません。

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更さ れる場合があります。)

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