バイオ医薬品株式の状況、新薬承認とM&Aの動き | ピクテ投信投資顧問株式会社

バイオ医薬品株式の状況、新薬承認とM&Aの動き バイオ医薬品 グローバル

ポイント

年初来、バイオ医薬品関連株式は米国株式を上回る上昇率となっていますが、大手バイオ医薬品関連企業の株価 収益率(PER)は依然として米国株式を下回り、過去と比較しても低水準にあります。このような状況の中、新薬の承 認やM&Aの動きは継続すると見られており、引き続きバイオ医薬品関連株式の動きが注目されます。

年初来でナスダック・バイオテック指数は 17.1%上昇

バイオ医薬品関連株式の代表的な指数であるナスダッ ク・バイオテック指数は、年初から2017年6月30日まで に+17.1%上昇しており、同期間の米国株式(S&P500 種)の+8.2%上昇を大きく上回る上昇率となっています (図表1参照)。

特に2017年6月はバイオ医薬品関連株式が大きく上 昇しました。米国のトランプ大統領が進めている薬価改 定の取り組みの中で、製薬業界に対する規制が比較的 緩やかなものにとどまるとの見方がメディアの報道で示 されたことや、良好な治験結果の発表などを背景にが ん治療薬を開発する複数のバイオ医薬品企業に対す るM&A(合併・買収)期待が高まったこと、大手証券会 社が代表的なバイオ医薬品企業のひとつであるバイオ ジェン(米国)の投資判断を引き上げたことなどが、バイ オ医薬品関連株式上昇の要因となりました。

 

データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

米国株式と比べ、大手バイオ医薬品関連
企業のPERは依然として割安な水準に

年初来で株価が大きく上昇しているバイオ医薬品関連企業ですが、株価収益率(PER)の水準は歴史的に見ても割安な水準にあります。
大手バイオ医薬品関連株式のバリュエーションをS&P500 種 バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 指 数 の 株 価 収 益 率(PER)で見ると、2017年6月30日時点のPERの水準は16.5倍と1993年11月以降の中でも最低に近い水準に位置していることがわかります(図表2参照)。また現在は、米国株式(S&P500種株価指数)の21.5倍を下回っていますが、1993年11月以降で見ても、PERが米国株式を下回って推移した期間は今回を含めて4回しかありません。

 

データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

過去、PERが低水準になった後、
株価は大きく反発

1993年11月以降の実績をみると、2017年6月30日現在の大型のバイオ医薬品関連株式のPERの水準は16.5倍ですが、PERが15~20倍の水準をつけた後、株価は2年間で平均90%上昇していました(図表3参照)。

 

データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

新薬の承認、M&Aは継続

過去の水準からみて割安な水準にある大手バイオ医薬品関連株式ですが、2015年半ばにかけてバイオ医薬品関連株式の上昇の背景となっていた、新薬の承認と新薬候補の臨床試験/研究開発の進展、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの動きについては、今後も継続するものと考えます。

 

2017年の新薬承認件数は、半年で2016年を上回る

新薬の承認件数については、2017年は6月23日現在で23件の治療薬が承認されています(図表4参照)。

2016年は22件と、前倒し承認されたことなどが影響し2015年に比べ大幅減となりましたが、2017年については、半年間で2016年の件数を上回る早いペースとなっています。
2017年1月には、トランプ大統領はセルジーンやアムジェンなどのバイオ医薬品企業を含む大手製薬企業の経営陣と会談しましたが、その席でトランプ大統領は、同時に新薬の承認プロセスの迅速化を確約しています。また、2017年5月には新薬承認手続きの簡素化を提唱してきたスコット・ゴットリーブ氏が米食品医薬品局(FDA)長官に就任したことも、新薬の承認プロセス迅速化に対する期待を高めています。

データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

M&Aのための十分な資金をもつ大手医薬品企業

既存の主力薬が特許切れに直面している大手医薬品企業や、特定の主力薬への依存が高い大手バイオ医薬品企業は、将来にわたって業績の成長を実現するために、有望な新薬候補(パイプライン)を充実させる必要があり、M&Aの動きが継続しています。
先進国の代表的な株価指数であるMSCI先進国株価指数のうち、ヘルスケアセクターに分類される企業は131社ですが、この131社が保有する「現金・現金同等物および短期投資」は、約4,369億ドル(約48兆円)(2017年5月末時点集計 注1 )にのぼります。また代表的なバイオ医薬品の株価指数であるナスダック・バイオテック指数の構成銘柄のうち、時価総額上位20社が保有する「現金・現金同等物および短期投資」は、約763億ドル(約8兆4,000億円) (2017年5月末時点集計 注1 )となっており、大手のバイオ医薬品企業についても、有望なパイプラインを持つバイオ医薬品企業を買収する力があると言えます。

米トランプ政権のレパトリ(資金還流)減税 がM&Aを後押しする可能性

また米トランプ政権によるレパトリ減税がM&Aの動きを 後押しする可能性があります。レパトリ減税とは、米国企 業が海外に滞留させている未課税利益(海外留保利 益)を米国内に還流する際にかかる税金に対する減税 措置になります。現行では米国では、海外での利益に 対しても35%の法人税が課せられることから、多くの米 国企業は海外で稼いだ利益を海外に留保しています。 この額は推定で2兆6,000億ドル(約290兆円)と言わ れており、減税措置が決定した場合は多くの資金が米 国に還流することが予想されています。

主要米国企業の海外保有現金の業種別内訳をみると、 ヘルスケアセクターは情報技術(IT)セクター(32%)に 次ぐ23%の比率を占めています(図表5参照)。

また企業別の海外保有現金をみても、ファイザーやメ ルクなどの大手医薬品企業やアムジェンやギリアド・サ イエンシズなどの大手バイオ医薬品企業など多くのヘル スケア企業が上位となっています(図表6参照)。

現時点では、トランプ大統領が提案している税制改革 案については、今後、議会での審議を控えており、その ままの内容で可決されるかどうかは不透明です。

しかし、レパトリ減税の法案が可決されれば、企業は M&Aにあたっての資金計画をたてやすくなることから、 金額の大きなM&Aが成立する可能性が高まると考えら れます。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内 容が変更される場合があります。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所 有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。 またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を 有しています。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る