2017年9月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2017年9月のバイオ医薬品市場 グローバル バイオ医薬品

バイオ医薬品関連企業の株価動向

9月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

米国共和党は、医療保険制度改革法(オバマケア)の改廃を目指し、今期最後の試みとして提示していた法案を成立させることが出来ませんでした。現時点では、オバマケアの撤廃あるいは改正を図るには、それがどのようなものであれ、超党派による解決策が必要となります。一方、バイオ医薬品セクターにとって、オバマケア以上に大きな恩恵をもたらすと期待される税制改革案の詳細は未だ不明であることから、今後のM&A(合併・買収)活動の追い風となり得る海外留保金の国内還流の効果についても見通しが立ち難い状況です。もっとも、買収を模索する企業の多くが、適切な対象が見つかれば、海外資金の還流を待たずに案件を進めたい旨、明言しています。

 個別銘柄では、セルジーン(米国)の株価が上昇しました。 主力の抗がん剤「レブラミド」の特許が今後、失効したとして も、豊富なパイプライン(新薬候補)が長期の利益成長を 担保するとの見方について、市場の確信が一段と強まって います。ニューロクライン・バイオサイエンシズ(米国)は、遅 発性ジスキネジア治療薬イングレッサの販売が、適応拡大 の承認を受けて好調なこと、好意的な医師の見解が得ら れたことなどが好感されました。

一方、セージ・セラピューティクス(米国)は株価が下落しま した。超難治性てんかん重積症治療薬候補Brexanolone のフェーズ3治験が期待外れに終わりました。今後につい ては、数週間のうちに複数の治験結果の発表が予定され ていますが、複数の適応症を申請しているBrexanoloneの 治験のうち、中等・重度の産後うつ病(PDP)治験について は、過去の研究結果から得られた良好なデータやフェーズ 3治験の内容から判断して、良好な結果が得られる公算が 比較的高いように思われます。その他の新薬候補では、産 後うつ病ならびにパーキンソン病に伴う震えに起因する中 等・重度のうつ病患者を対象とした抗うつ薬候補SAGE- 217の治験結果が注目されます。インサイト(米国)は、進 行黒色腫治療薬候補IDO1阻害剤epacadostatを巡るがん 免疫治療分野の競争激化が懸念されました。

記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・ 企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料におけるデータは将 来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターの騰落率は、2009年から2015年半 ばにかけて、他セクターを上回って推移してきました。1)革 命的な治療薬が市場に投入され、セクターのファンダメンタルズ(基礎的条件)が改善したこと、2)株価のバリュエー ション(投資価値評価)が2009年に付けた低水準から過去 の平均的な水準に上昇したこと、3)良好な新薬のパイプラ イン動向、4)パイプラインの有望な中・小型企業に対する医 薬品大手やバイオ企業によるM&A(合併・買収)活動の活 発化等が背景にあったと考えます。ただし2015年半ば以降 は、米国における薬価引き下げ懸念が浮上し、株価の変動 が大きくなっています。このような状況の中、業界再編の動 きは、当面変わらないと見ており、バイオ医薬品企業の利益 成長率は、今後数年間、不測の事態を除き、相対的に高い 成長性が期待されます。米国における薬価引き下げ圧力の 高まりは引き続き注意が必要と考えますが、長期投資の観 点では、魅力的な投資機会を提供する可能性があると見ています。良好な新薬承認動向や研究・開発(R&D)の生産 性の改善、M&Aの動き等が株価をけん引する状況は変わり ませんが、堅固な事業基盤を有し、優秀な経営陣を擁する 企業を厳選することは、極めて重要です。ファンダメンタルズ は良好であり、バイオ医薬品関連企業が、未だ満たされて いない医療ニーズへの対応を目標に革新を続ける限り、不 安要素は見当たらないと考えます。

 

 

バイオ医薬品関連企業の売上高は 相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上 回って堅調に成長してきました。(図表5参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補 の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新 薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企 業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込ま れています。(図表6参照)

 

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参 照)

 

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇 したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーショ ン(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株 価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更さ れる場合があります。)

 

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