業績見通し引き下げでセルジーンの株価下落、バイオ株の現状 | ピクテ投信投資顧問株式会社

業績見通し引き下げでセルジーンの株価下落、バイオ株の現状 グローバル バイオ医薬品

ポイント

2017年10月26日、米バイオ医薬品大手のセルジーンが2020年の業績見通し引き下げを発表しました。このニュースを受け、セルジーンの株価は大きく下落しました。またバイオ医薬品株式も全体的に下落しましたが、バイオ医薬品セクターのファンダメンタルズに変化はなく、引き続き治験結果の発表やM&Aの動向などが注目されます。

米セルジーン、2020年の業績見通し引き 下げ、株価は大きく下落

2017年10月26日、米バイオ医薬品大手のセルジーンは、 2020年の業績見通しの引き下げを発表しました。その中 で、売上高については210億ドルの予想から190-200億 ドルに、1株あたり利益(EPS)については13.00ドルから 12.50ドルに引き下げました。

業績見通し引き下げの背景には、免疫疾患領域やがん 領域で低い成長にとどまる見通しとなったことがあります。 一方で、主力の血液がんの領域では、見通しを引き上げ ています。

今回の業績見通し引き下げを受けて、セルジーンの株価 は前日比-16.4%と大きく下落しました(図表1参照)。また クローン病治療薬候補モンジャーセンの開発中止発表後 の株価下落とあわせると、10月19日から10月27日にか けて-27.8%の下落となっています。

 

 

バイオ医薬品の代表的な銘柄で、市場か らの信頼が高かったセルジーン

バイオ医薬品企業の中で、代表的な銘柄のひとつであ るセルジーンは経営陣に対する評価も高く、また2020年 までの長期の業績見通しを公表していたこともあり、市場 からの信頼が非常に高い銘柄でした。そのためセルジー ンの株式は、ヘルスケア関連専門の投資家だけでなく、 幅広い投資家に保有されていました。

クローン病治療薬候補の開発中止と2020年の業績見 通し引き下げの発表により、広範囲の投資家にわたり同 社に対する信頼感が喪失したことが、数日間で株価が 30%近く下落した要因となったと考えます。

依然として高い成長を維持、バリュエーショ ンは低下

セルジーンについては、2020年の業績見通しを引き下 げましたが、依然として高い成長が見込まれています。 2016年実績をベースとして、2020年の業績見通しを達 成した場合の成長率は、売上高は年率+14%(会社予想 の下限ベース)、EPSは年率+20%となっています。

バリュエーション(投資価値評価)を株価収益率(PER)で 見ると、実績では過去5年間で最低水準に今期予想では2016年3月以来の水準まで、低下している状況です (図表2参照)。

保守的な見方をしても、セルジーンのバリュエーションは 魅力的な水準まで低下してきている可能性があります。

 

セルジーンの今後の見方

短期的には、同社の主力領域である血液がん領域が業 績を牽引し、成長を下支えするものと考えます。一方で、 血液がん領域以外については、パイプラインを充実させる ことが必要といえます。そのため、今後、中小型で有望な パイプラインを持つバイオ医薬品企業の買収に動く可能 性があると考えます。このことは、中小型のバイオ医薬品 企業にとってはプラス要因となるでしょう。

中期的には、実績PERベースでは過去5年間でももっとも 低い水準、今期予想PERでも2016年3月以来の水準ま で低下している同社のバリュエーションが注目されるものと 考えます。

バイオ医薬品株式の見方:利益確定の可 能性、学会発表などがポイントに

代表銘柄であるセルジーンの株価急落を受けて、バイオ 医薬品株式も全体的に下落基調となりました。

ただし、バイオ医薬品業界のファンダメンタルズ(基礎的 条件)については、特に変化はないと考えます。それどこ ろか、足元、米食品医薬品局(FDA)が、バイオ医薬品 業界よりになってきている兆候すらあります。10月25日 に米国のアレクション・ファーマシューティカルズが、重症 筋無力症治療薬で主要目標に達しなかったにもかかわ らず(ただし、他の転帰が良かった(転帰:病気の経過))、 FDAから承認を受けたことが、FDAの姿勢の変化を示し ているとも考えられます。

バイオ医薬品株式については、年初来で堅調な動きと なってきたこともあり、2017年末に向けて利益を確定し た投資家による利益確定の売りは避けることができない と考えます。

一方で、技術的なイノベーションを背景とした、景気循環 に左右されず安定した成長を続けることが予想されるセ クターは他にはあまりなく、このような観点を持った投資 家にとってバイオ医薬品企業は魅力的な投資対象であ ると考えます。

研究開発関連では、11月の米国癌治療学会、12月の 米国血液学会と二つの重要ながん領域の学会を控えて おり、医薬品企業による治験結果の発表が注目されま す。

また大手の医薬品企業のみならず、大手バイオ医薬品 企業によるパイプライン拡充のためのM&A(合併・買収) について引き続き注目されます。

(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変 更される場合があります。)

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