2017年10月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2017年10月のバイオ医薬品市場 バイオ医薬品 グローバル

バイオ医薬品関連企業の株価動向

10月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は下落しました。

指数を最も大きく押し下げたのは、二つの悪材料に見舞われたセルジーン(米国)です。薬効が見られないことを理由に、クローン病治療薬候補モンジャーセン(GED-301)の開発中止を発表したことに加え、数日後には、期待外れに終わった第3四半期決算と2020年度業績見通しの下方修正を発表しました。当初見通しは楽観的過ぎると見られてはいたものの、修正後の見通しは、主力の治療薬「レブラミド」に対する依存度を高めることになるとの見方が強まって、株価は大幅安となりました。もっとも、同社はバイオ医薬品大手の中でも、最も豊富なパイプライン(新薬候補)を有しているとの見方は変わりません。アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)は、主力の「ソリリス」が米食品医薬品局(FDA)から適応拡大の承認を受けたものの、今後、同薬の競争優位性が脅かされるとの見方が強まって、株価は軟調に推移しました。アムジェン(米国)がソリリスのバイオ後続品(バイオシミラー)の治験を最終段階に進めていること、また、ロシュ(スイス)が12月初旬にも、競合製品の治験結果を発表することが予想されるためです。一方、上昇した銘柄では、シアトル・ジェネティックス(米国)が挙げられます。血液がんの一種である進行性ホジキンリンパ腫の治療薬候補「アドセトリス」(ブレンツキシマブ・ベドチン)が、12月に予定される最終データの提示に先立って、FDAの画期的治療薬に指定されたことから、当該適応の承認は、2018年中に得られるものと見られます。第3四半期決算が事前予想を上回ったことも好感されました。サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック(米国)も事前予想を上回る第3四半期決算を発表しました。主要顧客である医療機関ならびに研究機関向けの製品需要は引き続き堅調でした。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターについては、良好な新薬承認動向 や研究・開発(R&D)の生産性の改善といったファンダメン タルズ(基礎的条件)に変わりなく、米国における規制環境 も良好であることから、今後数年間、不測の事態を除き、 相対的に高い売上高や利益の成長が期待されます。また 有望なパイプラインや治療薬の獲得を目的とした大手の医薬品企業やバイオ医薬品企業によるM&A(合併・買収)の 動きについても継続するものと考えられ、株価の上昇要因に なると見られます。

一方、米国における薬価引き下げ懸念は残っており、また治 験結果や新薬の承認動向などの影響を受け、個別企業の 株価が大きく変動する傾向がある点にも引き続き注意が必 要と考えます。ただし長期投資の観点では、株価の調整は 魅力的な投資機会を提供する可能性があると見ています。

 

 

バイオ医薬品関連企業の売上高は 相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上 回って堅調に成長してきました。(図表5参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補 の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新 薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企 業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込ま れています。(図表6参照)

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参 照)

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇 したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーショ ン(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株 価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更さ れる場合があります。)

 

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