2017年11月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2017年11月のバイオ医薬品市場 バイオ医薬品 グローバル

バイオ医薬品関連企業の株価動向

11月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は小幅に上昇しました。

2017年11月のバイオ医薬品市場は、価格変動が大きくなる中、小幅な上昇にとどまりました。月初は、がん免疫治療の発展に伴って、ここ数年、重要性が増す一方の米国がん免疫療法学会(SITC)が注目されました。また、米国血液学会、サンアントニオ乳がんシンポジウムなど、その他の主要ながん学会の講演要旨も注目されました。

米国では、上院予算委員会が税制改革法案に合意しました。希少疾病治療薬に対する税額控除の縮小がバイオ医薬品企業に負の影響を及ぼすことは明らかですが、これを十分に補うのが、海外滞留資金の本国還流に際して適用される一度限りの低税率(10%)です。大手医薬品企業は、事業開発資金として、巨額の流動資産(現金)を短期間で調達することが可能となります。

株価が上昇した銘柄では、産後うつ病治療薬候補の良好な治験結果を発表したセージ・セラピューティクス(米国)が挙げられます。同社の画期的な治療薬候補は、産後の米国女性のおよそ10-20%が苦しむとされる衰弱性疾患に迅速な効果をもたらすことが確認され、株価は発表後に一日で+54%と大幅に上昇しました。遅発性ジスキネジア治療薬バルベナジンの好調な売上で市場を驚かせたニューロクライン・バイオサイエンシズ(米国)の株価も大きく上昇しました。

一方、株価が下落した銘柄には、期待外れの第3四半期決算を発表し、卵巣がんの治療薬であるPARP阻害剤ゼジュラの販売状況が疑問視されたテサロ(米国)が挙げられます。インサイト(米国)は、月末、予想を上回る第3四半期売上と通年の業績見通しの上方修正を発表したにもかかわらず、株価は下落しました。がん免疫治療分野の有望な新薬候補である進行黒色腫治療薬候補IDO1酵素阻害剤を巡る競合他社の良好な治験結果の発表が嫌気されました。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターについては、良好な新薬承認動向 や研究・開発(R&D)の生産性の改善といったファンダメン タルズ(基礎的条件)に変わりなく、米国における規制環境 も良好であることから、今後数年間、不測の事態を除き、 相対的に高い売上高や利益の成長が期待されます。また、有望なパイプラインや治療薬の獲得を目的とした大手の医 薬品企業やバイオ医薬品企業によるM&A(合併・買収)の 動きについても継続するものと考えられ、株価の上昇要因に なると見られます。

一方、米国における薬価引き下げ懸念は残っており、また治 験結果や新薬の承認動向などの影響を受け、個別企業の 株価が大きく変動する傾向がある点にも引き続き注意が必 要と考えます。ただし長期投資の観点では、株価の調整は 魅力的な投資機会を提供する可能性があると見ています。

 

バイオ医薬品関連企業の売上高は 相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上 回って堅調に成長してきました。(図表5参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補 の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新 薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企 業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込ま れています。(図表6参照)

 

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参 照)

 

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇 したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーショ ン(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株 価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

 

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更さ れる場合があります。)

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