2017年12月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2017年12月のバイオ医薬品市場 バイオ医薬品 グローバル

バイオ医薬品関連企業の株価動向

12月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

12月に注目を集めたのは、主要ながん学会である米国血液学会(ASH)とサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)の開催です。ASHでは、セルジーン(米国)ならびにジュノ・セラピューティクス(米国)がキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法に関する良好な治験結果を発表しました。また、ブループリント・メディスン(米国)は、進行性全身肥満細胞症(SM)治療薬候補に関する良好な治験結果を発表しました。一方、SABCSでは、ラディウス・ヘルス(米国)が、同社の乳がん治療薬候補が高い奏効率を示す可能性のあることを発表しました。

株価が上昇した銘柄では、大うつ病(MD)治療薬候補の良好な治験結果を発表したセージ・セラピューティクス(米国)が挙げられます。同社の画期的治療法は、MDの衰弱性疾患に苦しむ患者に迅速な効果をもたらすことが確認されています。株価は、産後うつ病(PPD)治療薬候補のフェーズ3治験の良好な結果が発表された11月中旬に既に大きく上昇していましたが、12月は更に大幅な上昇となりました。また、アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)も株価が大きく上昇しました。主力の「ソリリス」の競合製品の治験結果が芳しくなかったことや、ソリリスの次世代製品の良好な治験結果の発表、日本でソリリスの適応拡大の承認を得たことなどが好感されました。

一方、株価が下落した銘柄では、シアトル・ジェネティックス(米国)が挙げられます。ASHでの発表の効果が株価に反映されなかったのは、血液がんの一種である進行性ホジキンリンパ腫の治療薬候補「アドセトリス」のフェーズ3治験についての研究要旨が11月のうちに発表され、株価が既に上昇していたためです。プロセナ(アイルランド)は、アミロイド症治療薬候補の臨床研究のデータ回収が一年遅れる旨の発表を11月に行っており、株価の下落が続きました。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターについては、良好な新薬承認動向 や研究・開発(R&D)の生産性の改善といったファンダメン タルズ(基礎的条件)に変わりなく、米国における規制環境 も良好であることから、今後数年間、不測の事態を除き、 相対的に高い売上高や利益の成長が期待されます。また 有望なパイプラインや治療薬の獲得を目的とした大手の医薬品企業やバイオ医薬品企業によるM&A(合併・買収)の 動きについても継続するものと考えられ、株価の上昇要因に なると見られます。

一方、米国における薬価引き下げ懸念は残っており、また治 験結果や新薬の承認動向などの影響を受け、個別企業の 株価が大きく変動する傾向がある点にも引き続き注意が必 要と考えます。ただし長期投資の観点では、株価の調整は 魅力的な投資機会を提供する可能性があると見ています。

 

 

バイオ医薬品関連企業の売上高は 相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上 回って堅調に成長してきました。(図表5参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補 の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新 薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企 業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込ま れています。(図表6参照)

 

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参 照)

 

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇 したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーショ ン(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株 価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

 

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更さ れる場合があります。)

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