2018年9月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2018年9月のバイオ医薬品市場 グローバル バイオ医薬品

バイオ医薬品関連企業の株価動向

9月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

一部の企業は、良好なデータの発表が好感され、資金調達を成功させました。企業の潤沢な手元資金は、新薬の開発に優位な位置を確保しています。月中の大型IPO(新規株式公開)の全てが投資家の強い関心を集めたわけではありませんが、バイオ医薬品セクターを取り巻く環境は、総じて良好でした。

株価が上昇した銘柄としては、GWファーマシューティカルズ(英国)が挙げられます。既に米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている重度の小児てんかん発作治療薬で大麻に由来するエピディオレックスについて、米国麻薬取締局が分類を変更し使用可能になることへの期待を先取りし、株価が上昇しました。アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)は、希少疾患である視神経脊髄炎の治療薬としての同社注力医薬品ソリリスの良好な治験結果を発表しました。オブスエバ(スイス)は、体外受精に際する受容体遮断薬候補ノラシバンが注目されました。

株価が下落した銘柄としては、アルナイラム・ファーマシューティカルズ(米国)が挙げられます。米FDAが新薬の処方表示を限定したことが投資家を失望させましたが、ピクテでは、市場の懸念は行き過ぎだと考えており、同社の豊富なパイプライン(新薬候補)に改めて自信を強めています。セージ・セラピューティクス(米国)の株価は、8月の上昇率が大きかったことの反動から下落しました。年末に予定される産後うつ病治療薬候補のフェーズ3治験結果の発表が待たれます。アルジェンX(ベルギー)は希少血栓障害の治療薬候補について極めて興味深いデータを発表しましたが、服薬時の出血事例が懸念されており、12月初旬開催の米国血液学会議でデータの詳細が開示されるまで、懸念が払しょくされる可能性は低いと思われます。

 

今後のバイオ医薬品市場見通し

現在、医薬品に関連する医療費の議論で重要な転換が起こっています。いくつかの国では価値に応じた医療費の還付の制度が利用されており、処方薬で最大のマーケットである米国においても同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面におけるイノベーションの最高の機会となると見られます。米国の中間選挙期間中、薬価についての発言が増える可能性がありますが、大半の一般投資家は、このことには既に対応済みと考えられ、薬価に対する不透明感の解消やM&A(合併・買収)の活発化などは、バイオ医薬品関連市場への資金流入を促す可能性があります。一方で、そのような間でも、長期志向で、市場の非効率性に注目するアクティブ運用者にとっては、数多くの投資機会が存在するものと考えます。

 

バイオ医薬品関連企業の売上高は相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上回って堅調に成長してきました。(図表5参照)

 

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込まれています。(図表6参照)

 

 

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表7参照)

 

バリュエーション

2011年以降、バイオ医薬品関連企業の株価が大きく上昇したことから、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)は高い水準にありましたが、足元では株価の調整を受け低下しています。(図表8参照)

 

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)

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