米国の国民皆保険法案が影響しヘルスケア株が下落 | ピクテ投信投資顧問株式会社

米国の国民皆保険法案が影響しヘルスケア株が下落 グローバル バイオ医薬品

ポイント

米国の国民皆保険「メディケア・フォー・オール」が注目を集める中、ヘルスケア株式は「メディケア・フォー・オール」が業界全体の先行き不透明感を高める政治的なリスクと捉えられ、株価が大きく下落しています。現時点では実現可能性は低いと考えます。短期的には政治的リスクが注目され、株価の変動が大きくなる可能性があり、注視する必要があると考えます。

 

政治的なリスクが懸念されヘルスケア株式が下落

足元、ヘルスケア株式は米国の政治的なリスクが意識され、下落基調にあります(図表1参照)。

2019年4月12日から4月17日にかけて米国ヘルスケア株式(S&P500ヘルスケア株式)が-5.5%、バイオ医薬品株式(ナスダック・バイオテクノロジー株式)が
-6.1%、それぞれ下落しています(同期間、米国株式(S&P500株価指数)は+0.4%の上昇)(図表2参照)。中でも、ユナイテッドヘルス・グループ(米国)やシグナ(米国)などの医療保険関連銘柄の下落率が大きくなっています。

 

 

2020年の米大統領選挙に向け、ヘルスケア株式の政治的なリスクが高まる

2020年に実施される米大統領選挙は、多くの候補者が出馬表明を行い、既にスタートしています。このような中、政治的な話題のひとつとして米国の国民皆保険「メディケア・フォー・オール」が注目を集めています。

現在、米国の医療保険制度は「メディケア(主に65歳以上の高齢者と身体障害者向け)」、「メディケイド(低所得者向け)」などの公的医療保険と、民間医療保険で成り立っていますが、「メディケア・フォー・オール」は、それをすべて公的医療保険にすることを目指すもので、現在の米国の医療制度を大きく変えるものになることから、ヘルスケア株式の先行き不透明感を高めるリスク要因として捉えられています。

国民皆保険「メディケア・フォー・オール」の導入は難しい課題が多い

新しく国民皆保険「メディケア・フォー・オール」のような制度を導入することは容易ではなく、また導入には多くの抵抗を受けると思われます。
米国では約半数の人が雇用主が提供する民間の医療保険に加入しており、現在、受けている民間の健康保険の補償を手放すことには同意しない可能性がありま
す。

また導入には膨大な費用がかかることから、納税者が負担が増えることに納得しないことも考えられます。

「メディケア・フォー・オール」は短期的に株価の変動要因に

2020年に大統領選挙を控える中、「メディケア・フォー・オール」だけでなく、ヘルスケア関連が政治的なトピックとして浮上し、短期的に株価の変動を大きくする可能性があります。前回(2016年)の米大統領選挙では、薬価の問題が注目を集め、バイオ医薬品株式などの株価が大きな影響を受けました。

「メディケア・フォー・オール」については、現在の医療保険制度との差が大きく、納税者の負担も大きくなることから、現時点では実現の可能性は低いと思われますが、注目を集めることで、ヘルスケア株式の先行き不透明感を高め、株価にとってはマイナス要因となる可能性があります。

また、民間医療保険が薬剤給付管理会社(PBM)を通じて行っているように、メディケアなどの公的医療保険にも同様な価格交渉が出来るような制度改革が実施された場合には、株価への影響が大きくなる可能性があり、注意深く見ていく必要があると考えます。

公的医療保険が医薬品の価格交渉ができるようになれば、他社の製品とあまり効果などの面で差異のない治療薬を作っている医薬品企業にとっては(すでに同様の薬価引き下げ圧力を民間医療保険会社から受けていますが)、脅威となり、薬価の下落に直面する可能性があります。

このような中では、医薬品市場では差別化(他社を上回る効果が得られるような革新的な医薬品を提供すること)が非常に重要であるとピクテは考えています。 

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