2020年5月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2020年5月のバイオ医薬品市場 バイオ医薬品

バイオ医薬品関連企業の株価動向

5月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

5月のバイオ医薬品セクターは、良好な治験結果の発表が相次ぐ中、4月の堅調な地合いを維持する展開となりました。モデルナ (米国)は、新型コロナウイルス・ワクチンの投与を受けた被験者の一部から、(ウイルスの感染を予防する)中和抗体を確認したことを発表しました。初期治験ではあったものの良好な結果が発表されたことから、先行き期待が米国株式市場全体に波及しました。月初には、ギリアド・サイエンシズ(米国)もレムデシビルについて、致死率を低下させるトレンドが見られ、回復までの期間を30%短縮するとの良好な治験結果を発表しました。バイオ医薬品セクターは、2ヵ月連続で、米国株式市場全体を上回るリターンとなりました。

株価の変動が大きかった銘柄としては、サレプタ・セラピューティクス(米国)やニューロクライン・バイオサイエンス(米国)、モデルナ、ホライゾン・セラピューティクス(アイルランド)などが挙げられます。サレプタ・セラピューティクスは、競合するファイザー(米国)の治験結果から安全性が懸念されたことを受けて、同社の遺伝子治療市場での優位性が再確認され株価が大きく上昇しました。ニューロクライン・バイオサイエンスは、月初、遅発性ジスキネジア症治療薬イングレッサの好調な販売を受けた堅調な四半期決算を発表したことや、新型コロナウイルスの発生前から遠隔医療への投資を開始していたことなどが株価の上昇要因となりました。モデルナは、新型コロナウイルス・ワクチンの良好な治験結果や大型の公募増資の発表を受けて株価の上昇が続きましたが、同社の企業ファンダメンタルズを勘案すると、バリュエーション面では割高感があると考えます。ホライゾン・セラピューティクスは甲状腺眼症治療薬Tepezzaの承認後の販売が好調で、極めて堅調な四半期決算を発表しました。

 

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターについては、短期的には新型コロナウイルスの感染拡大の動向と、秋に実施される米国大統領選挙が株価に影響を与える重要な話題となっています。新型コロナウイルスに関しては、一部の製薬企業やバイオ医薬品企業は急ピッチ で開発を行っており、比較的短期間に効果のある治療法が発見されるものとみています。一方、ワクチンの開発は他のコロナウイルスについても完成しておらず、開発までには時間がかかるものと考えますが、複数の企業が開発を進めています。

現在、医薬品に関連する医療費の議論で重要な転換が起こっています。いくつかの国では治療の有効性に応じて医療費を支 払う制度(価値に基づく医療)が利用されていますが、処方薬で最大のマーケットである米国においても、従来の出来高払い方式 ではなく、同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、治療薬の開発といった科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面においてもイノベーションを生む最高の機会となると考えます。株式市場の先行きには不透明感がありますが、そのような間でも、長期志向で、市場の非効率性に注目するアクティブ運用者にとっては、数多くの投資機会が存在するものと考えます。

 

※赤色は、FDAまたはEMAにて承認された治療薬
※ライセンス供与された治療薬も含みます
出所:各種資料を使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

バイオ医薬品関連企業の売上高は相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上回って堅調に成長してきました。(図表6参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込まれています。(図表7参照)

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)

バリュエーション

足元、新型コロナウイルスの治療薬およびワクチン開発への期待やバイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて株価が上昇しており、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇しています。(図表9参照)

※データは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
※記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料におけるデータは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

※MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る