2020年6月のバイオ医薬品市場 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2020年6月のバイオ医薬品市場 バイオ医薬品

バイオ医薬品関連企業の株価動向

6月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

6月のバイオ医薬品セクターは、前月に続いて堅調な展開となりました。経済のV字型回復期待を背景に株式市場全体が上昇基調となり、四半期末の株価指数ウェイト調整(リバランス)の結果、当セクターの組入れ比率は過去最高水準に迫りました。小型株が中・大型株を上回って推移し、株式新規公開(IPO)や流通市場での公募増資が極めて速いペースで行われました。一方、11月の米国大統領選については、共和党に対して民主党の優勢が増し始める状況が、株式市場全体、とりわけ、医療保険政策にどのような意味をもつのかを巡って、神経質な動きが散見され始めています。

株価が上昇した銘柄としては、バイオマリン・ファーマシューティカル(米国)、ネオロイキン・セラピューティクス(米国)、イノビア・ファーマシューティカルズ(米国)などが挙げられます。バイオマリン・ファーマシューティカルは、血友病A遺伝子治療の治験4年目の良好なデータの開示が好感されました。ネオロイキン・セラピューティクス(米国)は、治験に先立って行った抗がん剤のプレゼンテーションが好感され、株価の上昇基調が続きました。患者を対象とした治験の結果は、今年末の発表が予定されています。

イノビオ・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス・ワクチンの開発を期待する個人投資家の買いが続きました。ピクテでは、ワクチン関連銘柄の多くについて、治療面でも営利面でも効果が確信できず、投資は難しいとの見方を変えていません。

株価が下落した銘柄としては、バイオジェン(米国)、アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)、グローバル・ブラッド・セラピューティクス(米国)などが挙げられます。バイオジェンは、多発性硬化症治療薬テクフィデラが特許無効の判決を受けました。また、アルツハイマー症治療薬候補の米国食品医薬品局( FDA)への申請日程が疑問視されています。アレクション・ファーマシューティカルズとグローバル・ブラッド・セラピューティクスは目立った材料がない中、市場全体に出遅れました。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターについては、短期的には新型コロナウイルスの感染拡大の動向と、秋に実施される米国大統領選挙が株価に影響を与える重要な話題となっています。新型コロナウイルスに関しては、一部の製薬企業やバイオ医薬品企業は急ピッチで開発を行っており、比較的短期間に効果のある治療法が発見されるものとみています。一方、ワクチンの開発は他のコロナウイルスについても完成しておらず、開発までには時間がかかるものと考えますが、複数の企業が開発を進めています。

現在、医薬品に関連する医療費の議論で重要な転換が起こっています。いくつかの国では治療の有効性に応じて医療費を支払う制度(価値に基づく医療)が利用されていますが、処方薬で最大のマーケットである米国においても、従来の出来高払い方式ではなく、同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、治療薬の開発といった科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面においてもイノベーションを生む最高の機会となると考えます。株式市場の先行きには不透明感がありますが、そのような間でも、長期志向で、市場の非効率性に注目するアクティブ運用者にとっては、数多くの投資機会が存在するものと考えます。

 
 
 
 
 
 
 

※赤色は、FDAまたはEMAにて承認された治療薬
※ライセンス供与された治療薬も含みます
出所:各種資料を使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

バイオ医薬品関連企業の売上高は相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上回って堅調に成長してきました。(図表6参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込まれています。(図表7参照)

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)

バリュエーション

足元、新型コロナウイルスの治療薬およびワクチン開発への期待やバイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて株価が上昇しており、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇しています。(図表9参照)

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