欧州と米国投資適格社債市場の比較 | ピクテ投信投資顧問株式会社

欧州と米国投資適格社債市場の比較 欧州/ユーロ圏

ポイント

欧州の投資適格社債市場の特色を指数(ICE BofA (バンク・オブ・アメリカ)メリルリンチ適格社債インデックス)をベースに振り返ります。ユーロ圏と英国を合計した欧州全体の規模は340兆円程度です(図表1参照)。米国投資適格社債市場の4割程度の規模となります。

欧州の投資適格社債市場:国債利回りの格差を反映して利回りに差はある

ユーロ圏の投資適格社債市場(ユーロ圏社債)の特色を指数ベースで見てゆきます。

◎ デュレーション:ユーロ圏社債のデュレーションは金融、非金融とも5.5年前後となっています。これは、英国社債や米国(図表1にはありませんが7年超)に比べると短かくなっています。

◎ 格付け別構成比:ユーロ圏、英国、そして米国とも格付け別構成比は似た数字となっています。ただ、ユーロ圏の除金融はBBB格が6割近くと大きな割合となっています。ユーロ圏の金融セクターで同比率(図表1には含まれていない)を見るとBBB格が34%、A格が53%程度と比較的高い比率となっています。

◎ 利回りはベースの国債利回りの差を反映:ユーロ圏社債の利回りが(現地通貨ベースで)1%を下回るのに対し、英国は2.7%程度、米国は3.2%程度となっています。米英投資適格社債の利回りがユーロ圏に比べて高くなっている理由は両国・地域の国債市場の利回りの違いを反映しています。

◎ ユーロ圏社債の主なセクター:セクター構成を見ると銀行(29.6%)を含む金融セクター(36.0%)が最大セクターで、以下、公益(11.2%)、通信(7.2%)となっています。

欧州と米国の投資適格社債市場比較:局面によるパフォーマンスの変動要因

ユーロ圏社債の市場規模を時系列(各年3月末)で見ると、時価総額(図表2青実線)、銘柄数共に増加傾向です。企業が低金利環境を受け、社債調達を増やしたと見られます。また、増加の内訳を見ると、非金融セクターが拡大傾向を下支えしています。

なお、社債市場の拡大が欧州から米国で見られる中、格付けの中でシェアを伸ばしたのはBBB格でした(ただし英国除く)。背景は景気回復を受け、ライジング・スター(ジャンク債から投資適格債へ格上げ)が多く見られたことなどによります。

 
 図表1:欧州投資適格社債市場(指数)の特性 (時点:2018年4月5日、ユーロはユーロ圏社債)、図表2:ユーロ圏投資適格社債の時価総額と銘柄数 (年次、期間:2013年3月末~2018年3月末)

ユーロ圏投資適格社債市場:過去のパフォーマンスの推移

ユーロ圏社債の過去3年のパフォーマンスを、ユーロ圏社債全体、金融、除く金融の3指数で見ると、金融セクター指数の騰落率が5.8%と最も高く、金融を除いた社債セクター(約4.2%)を上回りました(投資期間は図表3参照)。

但し期間別に見ると、2016年1年間では、金融が3.7%に対し除く金融は5.4%のパフォーマンスとなっています。欧州中央銀行(ECB)による社債購入プログラムが2016年3月の理事会で決定したことなどが除く金融がアウトパフォームした背景と見られます。

2017年の1年間で見ると、反対に金融が3.2%に対し、除く金融は2.0%のパフォーマンスとなっています。

欧州投資適格社債市場:ユーロ圏経済環境と今後の見通し

①ユーロ圏経済:
3月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値は55.2と、市場予想、速報値(共に55.3)、2月(57.1)を下回りました。ユーロ圏成長率加速のピークは過ぎた印象です。それでも欧州中央銀行(ECB)スタッフによる最新の18年の成長率予想は年率2.4%と堅調な水準を示唆しています。

②ユーロ圏インフレ率:
ユーロ圏のインフレ率は17年の予想外の軟調な推移(恐らくユーロ高などの影響)となった要因は、今後徐々に効果が低下すると見ています。ECBが最新の予想で18年のインフレ率を1.4%に据え置くも、19年は前回(17年12月)の1.5%から1.4%へ引き下げたのはサプライズでした。それでも、ユーロ圏のインフレ率は賃金上昇とアウトプット・ギャップの改善、失業率の低下傾向(イタリア除く)などを背景に、緩やかに上昇する可能性もあると見ています。

③ECBの金融政策:
ECBの金融政策は6月の金融政策理事会までに指針が示されると見ています。想定されるシナリオは、量的金融緩和については、インフレ率の上昇傾向を確認するならば、 18年9月に停止の可能性もあると見ています。また、その次のアクションとして、19年前半に政策金利の引き上げ(マイナス金利となっている預金ファシリティ)を見込んでいます。

図表3:ユーロ圏投資適格社債のトータルリターン指数 (日次、期間:2015年4月6日~2018年4月5日)、図表4:ユーロ圏総合PMIの推移 (月次、期間:2015年4月~2018年3月)

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