ここ最近の中国株式市場の下落の影響について | ピクテ投信投資顧問株式会社

ここ最近の中国株式市場の下落の影響について 新興国 アジア 中国

2015/07/09新興国

ポイント

中国本土市場が下落する中、2015年7月8日には香港市場や周辺アジア市場も大幅下落となりました。当面は、中国および新興国株式全体に対して慎重に見る必要があると考えますが、今後、中国当局を中心とした株式購入額の拡大やさらなる金融緩和が打ち出されれば、年後半にむけて市場は徐々に安定化に向かう可能性もあるとみられます。

中国本土株式市場における不安が波及

ここ最近の新興国株式市場は、ギリシャ債務問題に対する懸念の高まりや、米国の利上げ時期を巡る思惑などから、投資家のリスク回避の動きが強まっており、下落傾向が見られます(図表1参照)。 さらに、これまで急上昇してきた中国本土株式市場(上海・深セン)が一転して大きく下落していることを受けて、香港市場をはじめ他市場も連れ安の展開となっています。

図表1:2015年年初来からの新興国株式、先進国株式の株価推移
(日次、現地通貨、期間:2014年12月31日~2015年7月8日)

 

※新興国株式:MSCI新興国株価指数(配当込み)、先進国株式:MSCI世界株価指数(配当込み) 上海総合指数は配当含まず
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

中国本土株式市場の下落を受けて、中国当局は2015年6月後半以降、株価下支え策を相次いで発表していますが、これまでのところ株式市場の安定化にはつながっていません。さらに、7月8日には中国本土市場の時価総額にして4割近い銘柄が売買停止となったことから、残された売買可能な大型優良銘柄に売りが集中したことに加えて、中国本土のみならず日本、台湾、韓国などの周辺のアジア市場にも売りが広がり大きく下落しました。特に、香港市場の中国株式は引続き売買が可能で流動性が高いことなどから、中国株式の保有比率を減らしたい投資家による売り圧力の影響を大きく受け、7月8日には前日比で-5.8%の下落となりました。

今後の見方~当面より注視が必要だが年後半に安定化に向かう可能性も

中国株式市場の不安定化が中国経済全体にマイナスの影響を及ぼす可能性については、株安などにより資産価格が下落することで中国の人々の購買力も低下し消費行動にマイナスの影響を及ぼす「逆資産効果」が考えられます。しかし、消費マインドを冷え込ませる可能性は大いにあるものの、現時点で中国の家計資産における株式資産の割合は20%以下と推定されていることから、実際の影響は市場で懸念されるほど大きくないと考えられます。

一方、中国株式市場で不安定な状況が続く場合、企業部門における効率化に向けた業界再編や株主の多様化などを含む、経済改革などの進展が遅れる懸念はあります。さらに、新興国株式、コモディティなどのリスク資産に対する投資家の投資意欲を減退させる可能性もあります。

こうしたことから、当面は中国株式市場の動向、さらには経済動向、企業業績動向に対してより注視が必要であると考えます。

さらに、新興国株式全体に対しても、中国株式市場の不安定化に加えて、ギリシャ債務問題、米国の利上げ時期を巡る思惑などが依然としてリスク回避の動きを強める要因となると考えられることから、当面はより慎重に見る必要があると考えられます。

ただし、7月4日に中国証券大手21社が1,200億元以上の規模で中国の優良銘柄中心に構成される上場投資信託(ETF)へ投資を開始すると発表されました。これについては、現状では規模が十分ではないとみられますが、今後こうした中国当局が主導する株価下支え策(株式購入など)が拡大される可能性はあります。また、7月8日には、中国人民銀行(中央銀行)が市場安定化に向けた無制限の資金供給を行うと発表しました。

中国のインフレ率は現状、低水準で推移しており、2014年11月以降足元までで4回の利下げが実施されているものの、依然として実質金利は高い水準にあります。このため、さらなる金融緩和余地は大いに残されており、追加的な金融緩和策が今後も打ち出される可能性は高いと考えられます。こうしたことから、年後半にかけて中国株式市場は徐々に安定化に向かう可能性もあるとみられます。

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