中国:7月の主な指標は経済成長の鈍化を示唆、インフラ投資拡大に期待 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国:7月の主な指標は経済成長の鈍化を示唆、インフラ投資拡大に期待 アジア 中国 新興国

2016/08/15新興国

ポイント

2016年7月の中国の主要経済指標は、不動産投資の減速などにより、下期の経済成長の鈍化傾向を示唆するものとなりました。今後は、インフラ投資を中心とした財政支出の拡大が期待されます。

不動産市場の減速が経済成長の足かせに

中国の直近の経済指標は、2016年下期の経済成長が鈍化するとの見方を裏付けるものとなりました。8月12日に中国国家統計局(NBS)が発表した7月の固定資産投資は、前年同月比+3.9%と6月の同+7.3%を大きく下回り、伸び悩みが際立ちました。また、年初来(1-7月)でも前年同期比+8.1%となり、上期(1-6月)の同+9.0%を下回りました(図表1参照)。

固定資産投資の伸び悩みは予想されていたものの、減速の度合いは予想を大きく超えるものとなりました。もっとも、7月の数値には、南部の洪水と7月の異常気象という特殊要因が反映されていることには留意が必要です。

固定資産投資の内訳では、不動産投資ならびにインフラ投資の伸びの鈍化が注目されます。不動産市場は、需要のテコ入れを図った政府が投資規制を緩めた2015年後半以降、回復が際立っています。ただしその結果、一級都市を中心に住宅価格が高騰して資産価格バブルが懸念されていることから、一部の地方政府は、価格抑制のため規制の再強化を検討しているもようです(図表2参照)。不動産市場は減速し始めており、今後数ヵ月は伸び率の鈍化が続くと予想されます。

7月の工業生産は、前年同月比+6.0%と6月の同+6.2%を僅かに下回ったものの、上期の前年同期比+6.0%に並び、概ね安定しました。セクター別では、製造業セクターが持ち堪え、公益セクターが好調だった一方で、鉱業セクターは引き続き低調でした(図表3参照)。年初来の資源価格の反発が、中国の鉱業セクターの状況改善にはつながっていないことが確認されました。

7月の小売売上高は、前年同月比+10.2%と6月の同+10.6%を僅かに下回ったものの、目安とする10%前後で概ね安定推移しています(図表4参照)。地域別売上では、農村部が同+10.7%と都市部の同+10.1%を上回っており、2008年以降顕著な農村部の所得の伸びが反映されていると思われます。

貿易統計については、ベース効果の恩恵で改善の兆しが見られるとはいえ、輸出の不振が続く状況が確認されます。輸出先では、7月の対米輸出が前年同月比-2.0%となりましたが、6月の同-11.0%から減少幅が縮小したことは改善の兆しとも見て取れます。欧州向けは概ね安定推移の一方、日本ならびにASEAN(東南アジア諸国連合)向けは引き続き低調でした(図表5参照)。

2016年下期は低調なスタートとなるも、通年では従来予想を維持

中国の直近の経済指標は、固定資産投資の減速を背景に、経済成長率の鈍化が2016年下期を通じて続くとの見方を裏付けるものとなりました。不動産市場の伸びの鈍化により、固定資産投資の減速が継続すると予想されますが、インフラ投資を中心とした財政支出の拡大が投資全体の伸びの鈍化を和らげると期待されます。したがって、2016年通年の中国のGDP(国内総生産)成長率予想は、従来予想を維持します。

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