新興国株式:過去の上昇局面と足元の上昇局面を比較すると… | ピクテ投信投資顧問株式会社

新興国株式:過去の上昇局面と足元の上昇局面を比較すると… 新興国

2017/11/01新興国

ポイント

足元の新興国株式市場は月次ベースで2016年2月以降、上昇基調にあり、2017年7月にはリーマン・ショック前の高値を更新しました。過去の上昇局面と比較すると、足元の株価上昇は、それぞれ新興国が置かれた経済環境や、上昇期間などが異なるものの、緩やかなペースです。株価上昇によりバリュエーション水準の上昇もみられますが、依然として割高感はなく、新興国企業のファンダメンタルズの改善などが、今後も株価の下支えになると期待されます。

 

高値を更新した新興国株式、 過去の上昇局面と比較すると?

新興国株式(ドルベース、配当込み)は、2017年7月に リーマン・ショック前の高値を更新するなど上昇基調を たどっています(図表1参照)。足元の新興国株式の上 昇局面は、月次ベースでみると、2016年2月末よりス タートし2017年9月末時点で19ヵ月(1年7ヵ月)が経過 しました。

過去の新興国株式の上昇局面を振り返ると、①アジア 通貨危機やロシア危機など新興国発の経済危機をボト ムとした1998年8月末から2000年3月末(期間①)、 ②米国同時多発テロが発生直後の2001年9月末から 2007年10月末(期間②)、③リーマン・ショック後の 2009年2月末から2011年4月末(期間③)、④2011年 9月末から2014年8月末(期間④)、それに、⑤2016年 2月末以降(期間⑤)などがありました。

2016年2月末から足元まで(期間⑤)の新興国株式の 株価上昇ペースは、過去の上昇局面と比べて、これま でのところ、比較的穏やかなものといえます(図表3参 照)。

 

利益成長率や収益性を比較、 足元では利益成長と収益性改善の兆し

また、過去の上昇局面における新興国企業の業績動 向をみると、中国をはじめ新興国経済が本格的に立ち 上がってきた局面である期間②やリーマン・ショック後の 各国の大型景気対策などに支えられた反発局面であ る期間③では新興国企業利益は高い成長を示してい ました。足元(期間⑤)でも1株あたり利益成長率(EPS) は期間②や期間③に比べては低いものの、10%超の 成長を示しています(図表4参照)。

さらに収益性の指標である、株主資本利益率(ROE)に ついては、期間②の期間には大きく改善がみられました が、期間③は利益は高成長を達成したにもかかわらず、 収益性は悪化、期間④については世界的な景気低迷 の中で減益傾向となったことも重なり、収益性も悪化し ました。

一方、足元(期間⑤)ではリーマン・ショック後から長らく 続いた収益性の悪化傾向に歯止めがかかり、改善の兆 しもみられ始めています(図表4、5参照)。世界経済が 回復基調に向かう中で需要の回復が見込まれる一方、 新興国企業は不採算な事業の再編や設備投資削減 などを通して、収益構造を強固にするなどの努力を続 けてきました。こうしたことが足元でROEの改善の兆しに つながっていると考えられます。

 

実際の足元における新興国企業の利益成長率動向を 見ると、過去数年にわたって低迷を続けてきた利益成 長率はようやくプラスに転換しています。見通しについて も、世界的な景気回復見通しなどを背景に、先進国企 業を上回る成長が見込まれており、株価の下支え材料 になると期待されます(図表6参照)。

 

PBRは緩やかに上昇。 企業のファンダメンタルズの改善にも注目

足元の新興国株式のバリュエーション(投資価値評価) 水準は、株価の上昇を受けて、徐々に上昇しています。 2017年9月末時点の株価純資産倍率(PBR)は1.74倍 と過去平均(期間:1995年9月末~2017年9月末)に 比べると割高感はないものの、上昇基調にあります(図 表7参照)。

過去の上昇局面においても、減益基調で収益率も悪化 していた期間④を除いてはPBRの上昇が見られました (図表8参照)。

 

足元(期間⑤)では世界経済が回復基調にある中、新 興国企業の利益成長率が高まりをみせ、また、収益率 も改善の兆しがみられることなどを考慮すると、新興国 株式が再評価されていることなどが、緩やかなバリュ エーション水準の上昇につながっていると考えられます。

もちろん、今後も米国をはじめ主要国の金融政策など の政策動向や、地政学的リスクの発生などにより、金融 市場における値動きが短期的に大きくなるリスクも残さ れている点には注視が必要です。

しかし、新興国株式のPBRに現時点では特段の割高感 もなく、また、先進国株式との相対比較では依然として 割安感があります。バリュエーションの拡大だけでなく、 足元では新興国企業のファンダメンタルズ(基礎的条 件)の改善といったプラス材料が、今後も新興国株式の 上昇を支えるものと期待されます。

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