新興国市場モニター:中国を考える | ピクテ投信投資顧問株式会社

新興国市場モニター:中国を考える 新興国 中国

2017/12/06新興国

ポイント

中国の製造業がいかに巨大かというトピックは定番ですが、世界中で生産される製品のほぼ4分の1が中国製となった今、このテーマは新味のない、つまらないものになってしまいました。現在、中国当局は、債務の削減と国内経済の転換(投資主導型経済から消費主導型経済へ)という二つの課題の解決に向けて綱渡りをしている状況です。中国について今、議論されるべき大きな問題は、その過程で経済成長がどの程度犠牲にされるのかということです。

財政・金融のポリシー・ミックスは、中国の 経済成長にとって何を意味するか?

2017年10月開催の第19回中国共産党全国(代表) 大会で概要が示された、中国経済と人民のための「よ り良い生活」の実現に必須だとして習近平首相が掲げ る政策は、経済成長の減速を示唆してはいるものの、 全体として見ると、中国のより持続的な将来を示すも のとなっています(図表1参照)。二つの景気刺激策 は、野心的に見えたとしても、景気引き締め策のマイ ナスの影響を相殺するのに十分だとは思われません。

政策の詳細は、12月に開催される中央経済工作会 議で発表される見通しです。

政府債務の増加は金融危機の 引き金になるか?

対GDP(国内総生産)比250%に達する中国の政府 債務残高は、巨額ではあっても、制御可能な水準に 留まっていると考えます。最も懸念されるリスクは、金 融の自由化と、前回の新興国金融危機の引き金と なった資本の流出です。一方、当該リスクを軽減す る要因のうち、最も重要なのは以下の二点です。

1:中国政府が、主要債権者(大手銀行)と債務者 (企業債務の3分の2は国有企業債務)の双方を傘 下に収めていること。

2:中国の債務は、基本的に、国内の債権者が保有 していること。

債務水準を管理するために、中国当局 が講じている対応策とは?

金融引締め策は、中国の債務負担が引き起こすリス クを軽減する一助となってきました。金融当局は、昨 年後半にかけて、マネー・マーケット金利の一貫した 上昇を容認してきており、その結果、金利水準は、 2016年10月の底から反発に転じています(図表3参 照)。

このような引き締め策は、米国の金融引き締めに先 行して米中の利回りスプレッド(利回り格差)の拡大を 抑えることにより、人民元の安定推移に対する期待を 促しています。

 

今後10年では、どの程度の経済成長が 期待されるか?

中国経済は成熟しつつあります。債券市場では世界 3位、経済規模は世界2位となり、製造業セクターは、 2010年以降、世界最大です。一方、民間セクターは 巨額の過剰債務を抱えていますが、このような状況 が将来の成長率の低下につながることは歴史が証明 しています。では将来、どの程度の成長率が想定され るでしょうか?

ピクテでは、特定の変数(債務がピークに達した時点 の前・後7年間の債務水準、一人当たりのGDP、生産 要素)に着目した3つの異なるモデルを用いて、中国 経済の成長軌道を予測しました(図表4参照)。

3つのモデルは、いずれも、今後5-7年間の中国経済 が前年比4-5%程度の成長に留まることを示唆してい ます。

従って、来年以降については、投資主導型経済から 消費主導型経済へのシフトが継続する一方で、目標 成長率の引下げが行われると見ています。

中国の国営企業(SOE)改革は「終りよ ければ全てよし」となるか?

これまでには幾度となく見せかけの改革の着手に惑 わされてきたものの、国営企業(SOE)改革が株主リ ターンを高めるであろうとの見方については、従来以 上に楽観視しています。

国営企業改革は、複雑極まるものであったとしても、 資本の効率性を高め、増配とキャピタルゲインを通じ た株主リターンの改善をもたらすであろうことは確実に みえます。

注目点は、高水準の債務を相殺する、国営企業のバ ランスシートの余剰キャッシュの水準です。中国A株(中国本土上場の人民元建て株式)は、来年以降、 MSCI新興国株価指数に徐々に組入れられることに なっていますが、このことは、新興国市場に資金を投 じる全ての投資家にとって、極めて重要な展開です。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

 

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

ページの先頭へ戻る