世界的な貿易戦争への懸念の高まりを受けた世界株安 | ピクテ投信投資顧問株式会社

世界的な貿易戦争への懸念の高まりを受けた世界株安 新興国

2018/03/28新興国

ポイント

2018年3月23日(金)、米トランプ政権による保護主義的な通商政策が世界的な貿易戦争につながるとの懸念などから世界的な株安となり、また、リスク回避の動きから円高も進行しました。今後の各国の政策動向には十分注視する必要はありますが、現時点では実体経済の影響は限定的とみられ、また、対話による貿易摩擦解消の可能性もあるとみられます。

3月23日(金)、米国の保護主義的な 通商政策を受けて世界的な株安に

2018年3月23日(金)、米トランプ政権は米国の安全保障上の脅威になっているとして鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動しました。これにより、米国に輸入される鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の高関税が課されることとなりました。
さらに、その前日22日(木)には、中国による知的財産権侵害への制裁措置として、中国製品に対し少なくとも500億ドル(約5兆2800億円)相当に関税賦課を命じる大統領令に署名しました。米通商代表部(USTR)のファクトシートによると、航空宇宙や情報・通信技術、機械などを含むと見られる(一部の)中国製品に25%の関税が課される可能性が示唆されました。

今回の米国の保護主義的な通商政策の主要なターゲットは中国であるものの、二大経済国の貿易摩擦問題にとどまらず、世界的な貿易戦争につながるとの懸念が高まったことから、3月23日(金)には世界的な株安となりました。
さらに、投資家のリスク回避から主要通貨に対して円が買われる(円高/他国通貨安)動きが強まりました(図表1および2の期間①参照)。

経済への直接的な影響は現時点では限定的とみる

鉄鋼、アルミニウムの輸入制限では、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉中のカナダやメキシコが除外されたことに加えて、報復措置をとる構えを示していた欧州連合(EU)のほか、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、韓国の計7ヵ国・地域が当面、輸入制限の対象から除外されました。米国の鉄鋼輸入先上位のカナダ、ブラジル、韓国、メキシコが対象から除外されたことなどから、この輸入制限措置の世界貿易に対する影響は限定的と考えられます。

米国からみた貿易相手の中国は確かに大きな存在となっていますが、一方、中国からみると、国内総生産(GDP)に対する対米輸出額は約4%と大きな比率ではありません(図表3参照)。
また、仮に、米国が中国製品の500億ドル相当に対して25%の追加関税を賦課した場合、中国側の追加的な関税負担は約125億ドルとなり、この額は中国のGDPの約0.1%に過ぎないため、こちらも実体経済への影響は現時点では限定的と考えられます。

今後の動向にも注視

こうした米国の保護主義的な通商政策に対して、中国は米国産豚肉やワインなど128品目について最大25%の関税を上乗せする報復案を公表しました。報復合戦が続けば、世界貿易、マクロ経済に対して大きなマイナスとなりかねません。
また、輸入関税の上乗せにより、米国内の輸入品の物価上昇につながりかねず、これまで堅調に推移してきた米国の個人消費を冷やす懸念や、消費の落ち込みや輸入原材料の高騰などの影響を受ける米国企業の業績悪化をもたらす可能性もあります。

ただし、ムニューシン米財務長官が米国と中国の間で貿易摩擦解消に向けた話し合いの可能性を示唆したことなどから、3月26日(月)の世界的な貿易戦争への懸念がやや後退し世界の株式市場などの金融市場はいったん落ち着きをみせています(1ページ目の図表1および図表2の期間②参照)。

今後も各国の政策動向には十分注視していく必要があると考えますが、現時点では貿易摩擦の解消への動きがあることや、短期的には実体経済への影響は限定的と考えられます。また、引き続き、世界的な景気回復などの恩恵を受けて、堅調な企業業績動向や、相対的に魅力的なバリュエーション(投資価値評価)水準(図表4参照)が、株価の下支えになると考えます。

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