新興国株式のバリュエーション~「格差」の存在と変化の兆し | ピクテ投信投資顧問株式会社

新興国株式のバリュエーション~「格差」の存在と変化の兆し 新興国

2018/04/18新興国

ポイント

2018年3月、世界的な貿易戦争懸念などから、世界的な株安となる中、新興国株式市場も下落しました。これを受けて、新興国株式の予想PERは2016年12月末以来の水準に低下しました。また、新興国の中では依然として「成長株」と「割安株」のバリュエーション格差が存在していますが、出遅れていた「割安株」にも変化の兆しが見られています。

世界的な貿易戦争に対する懸念などを受けて、2018年3月の市場は混乱

2018年3月、月初より米トランプ大統領の保護主義的な通商政策の表明を受けて、欧州連合(EU)や中国による報復措置の示唆や発表などが相次ぎ、世界的な貿易戦争になる可能性を懸念する動きから、世界的に株式市場が下落する中、新興国株式市場も下落しました(図表1参照)。

新興国株式の予想PER水準は2016年12月末の水準近辺まで低下

新興国株式のバリュエーション水準をみると、予想株価収益率(PER)は、これまでの株価上昇を受けて、過去10年間の平均(期間:2008年3月~2018年3月)を上回る水準へと上昇してきました。

しかし、足元の株式市場の下落を受けて、2018年3月末時点の新興国株式市場の予想PERは、2016年12月末の水準近辺に低下しました(図表2参照)。

新興国企業の利益見通しは現時点では、引き続き上方修正傾向がみられており(図表3参照)、株価の下落によって投資魅力が高まった可能性もあるとみられます。

「成長株」と「割安株」バリュエーション格差が存在

また、2016年以降の新興国株式の株価の上昇局面では特に、中国のハイテク関連銘柄をはじめとしたいわゆる「成長株(=グロース株、利益成長率が高く、成長が期待される株式)」が大きなけん引役となってきました。一方で、「割安株(=バリュー株、利益や資産などを基準に株価が割安におかれている株式)」についても、上昇がみられたものの、上昇ペースは緩やかとなっていました。

こうした結果、バリュエーション面では「成長株」と「割安株」に格差が広がっています。予想PERでみると、新興国株式全体では前述の通り、過去10年間の平均を上回る水準に達していますが、これは主に「成長株」(図表4の新興国グロース株式)のけん引によるものとみられます。

2018年に入って、「成長株」には利益確定の動きが強まったことなどからの株価が下落し、予想PER水準も低下がみられますが、依然として過去10年間の平均を上回る水準にあります。一方、「割安株」(図表4の新興国バリュー株式)は、足元では過去10年間の平均をやや下回る水準にあります(図表4参照)。

出遅れていた「割安株」に変化の兆しも

米国をはじめ世界的に景気の回復などを背景に金利は緩やかに上昇基調がみられています。こうした中で、収益改善が見込まれることなどから、世界的に銀行セクターの利益見通しは改善傾向にあります。また、バリュエーション面での魅力などもあいまって株価も堅調に推移しています(図表5参照)。

一般に、銀行を含む金融銘柄はバリュエーションが相対的に割安水準におかれ、「バリュー株」に分類される銘柄が多くあります。足元で金利環境の改善で収益の改善が見込まれていることは、今後も株価の下支えとなると期待されることなどから、新興国の「割安株」のパフォーマンス改善にも寄与すると考えられます。

バリュエーション面で魅力のある「割安株」注目

新興国株式のなかでも「割安株」と「成長株」というスタイル別にみたとき、どちらが優勢・劣勢であったかを示したのが図表6になります。

過去、先進国との経済成長率の差が拡大した局面では、新興国のなかでも「割安株」が「成長株」を上回る株価パフォーマンスを示してきました。背景として、もともと「成長株」は投資家の注目があつまりやすく、他に先駆けて株価が上昇しやすい傾向がある一方、景気拡大が本格化するにつれて、投資家のリスク許容度の拡大や、「成長株」の割高感などから、バリュエーション面で魅力がある「割安株」にも注目が集まり、再評価されたといった可能性があると考えられます。

足元でも、金融セクターをはじめ「割安株」の株価が相対的に底堅く推移していることなどから、今後の動向に注目しています。

(※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内 容が変更される場合があります。)

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