グローバル・マーケット・ウォッチ:2019年、ロシア株式に強気の5つの理由 | ピクテ投信投資顧問株式会社

グローバル・マーケット・ウォッチ:2019年、ロシア株式に強気の5つの理由 新興国 アフリカ 中南米 ブラジル 新興国株式 新興国債券

2019/01/31新興国

ポイント

ロシア株式の2018年のリターンは、新興国全体のリターンを上回りました。ピクテは、2019年についても同様の展開を予想しています。

ロシアに対する経済制裁の脅威は、大方の予想ほど深刻ではない

ピクテは、従来から、ロシアに効果的な制裁を課すことが極めて困難であると考えてきました。また、制裁の影響は、ロシアの資産価格に及んだとしても、国内株式市場への投資が相対的に少ないロシア人投資家よりも欧米の投資家により大きな損失をもたらす傾向が見られます。

ロシア経済に確実に制裁の影響を及ぼそうと考えるなら、欧米諸国はロシアの炭化水素エネルギー輸出を規制しなければなりません。ただし、欧州はロシアの石油やガスに大きく依存しているため、このような制裁が実現する公算は極めて低いと思われます。

不思議なことに、制裁が撤廃されるならば、ロシア政府は現状よりも厄介な状況に直面する可能性があると思われます。矛盾しているように思われるかもしれませんが、制裁がルーブル安を定着させ、ロシアの財政収支を黒字に保つ一因となってきたからです。これは、ロシア企業のコストが減価著しいルーブル建てで計上される一方で、売上はドルやユーロ等の基軸通貨で計上されるためです。制裁の緩和は、ロシアの政府が望んでいるのとは全く逆の、大幅なルーブル高につながる可能性があるのです。

地政学を巡る良好な報道が散見される

ピクテでは、つい最近まで、イスラム過激派の制圧を目指すアサド政権に、ロシアが深く関与してきたことからシリアのイドリブにおける緊張が強まると見ていました。しかしながら、武力行使回避に向けての連携にロシアとトルコが合意したことは、それが一時的なものに終わったとしても先行きを期待させる理由になると考えます。

勿論、中東以外にもリスクがあり、例えば、ロシアの元スパイ親子(セルゲイ・スクリパリと娘のユリア・スクリパリ)毒殺未遂事件を受けて、英国がロシアの個人や企業に対する制裁を強化したことや、2018年の中間選挙に際してのロシアの介入を裏付ける証拠があがれば、米国も制裁を強化する可能性があること等は、特に注目されます。また、足元では、ウクライナ紛争も若干悪化していますが、このような状況がロシア経済あるいはロシア企業のファンダメンタルズに大きな影響を及ぼすとは思われません。

さらにロシアは、OPEC(石油輸出国機構)及び非OPECの主要産油国で構成する「OPECプラス」への参加を継続するものと見られており、年内は原油価格の安定が見込まれます。近年の原油価格高騰局面で、ロシアが財政規律を維持し堅実な金融政策を実行したことは、原油販売収入による外貨準備の蓄積を通じて、原油価格とルーブルの連動を断ち切る一因となりました。その結果、図表1の通り、2018年10月以降の原油価格下落時にもルーブルは下落していません。

図表1:欧米の経済制裁とロシア財務省の「財政規律」が通貨ルーブルと原油価格の非連動(デカップリング)をもたらした: 為替レート(米ドル/ルーブル、左軸)と原油価格(北海ブレント、米ドル/バレル、右軸)の推移

 

出所:ピクテ・グループ

国内経済の先行きは明るい

ロシアの財政および金融政策は、他に例を見ないほど堅実です。財務省と中央銀行が、この数年間、賢明な政策を実行してきたからです。前述の通り、欧米の経済制裁が一因となって、対GDP(国民総生産)比の政府債務残高(%)は低位に留まり、財政収支は黒字を維持しています。ロシアの財政および金融政策に異議を唱えるエコノミストは殆どいないと思われます。

バリュエーションとファンダメンタルズに常に注目すること

数字は真実を語るものです。図表2が示す通り、ロシア株式の配当利回りは約7%と新興国平均の約3%を大きく上回り、ロシア・プレミアム(上乗せ利回り)は過去最高水準に達しています。

 

図表2:ロシア株式の配当利回りと主要株式市場の配当利回り(今後12ヵ月のコンセンサス予想、%)

 

出所:ピクテ・グループ

ロシアの輸出型企業は、ルーブル安と相対的に良好な資源価格を背景に、潤沢なフリーキャッシュフローを創出する絶好の環境にあります。加えて、欧米の経済制裁を一因に、企業の設備投資は、総じて、抑制されており、配当政策は少数株主に極めて有利な状況です。

内需型企業の中には、ファンダメンタルズが堅固な優良企業でありながら、バリュエーションが破産に瀕した企業のように極めて低い水準で推移する銘柄が散見され、2桁の配当利回りも珍しくありません。

全ての業種セクターが例外なく割安水準に留まっています。

図表3:ロシア株式の配当利回りは、業種セクターを問わず、過去の平均を上回る (エネルギーや素材等の)輸出型企業、および(金融、公益、情報テクノロジー、消費財等の)内需型企業の配当利回りは、いずれも、過去最高水準を更新:青:ロシア株式の配当利回り、灰色:輸出型企業の配当利回り、赤:内需型企業の配当利回り

 

出所:ピクテ・グループ

悪材料が減りさえすれば、好材料は必要なし

2019年の市場を敢えて予測するならば、ロシアについての悪材料が殆ど報道されない状況もあると考えられますが、そうなれば、投資家は、ロシア経済の良好なファンダメンタルズに注力することが可能となるでしょう。このような状況が実現するならば、必然的に、株価の上昇が見込まれると考えます。

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